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北の国⑤

遅れて申し訳ないです。2週間ぐらいは更新が遅くなる可能性があります。ご了承下さい。

大叔父様との挨拶も一通り終わり、屋敷内へと案内された。

……何でだろう?

すれ違う使用人の皆さんがやたら体格が良いのは。

お祖父様もお祖母様も普通にそれを受け入れているみたいだけど、私とアレン君、アンジュさん、サスケさんは使用人の皆さんを目で追ってしまう。

きっとこれが普通……何だね。

そりゃもっと食べて大きくなれって言われるはずだ。


「さあ、みんな疲れたことでしょう?今、お茶を用意させるから寛いで下さい。」


大叔父様が案内してくれた部屋でようやく一息つく。

なんかいろいろな情報によって疲れた気がする。


「そういえばリュシアン、旅の途中でリュートに会ったのだけど、あの子かなり成長したわね〜。昔会った時とは別人だったわ。」


「ああ、姉上に会ったと言っておりましたね。そうなんですよ、やっと良い筋肉がつきましてね。」


もしかして、クマ様もう家に帰って来てたの?

え、だって走って行ったよね?


「あ、あの大叔父様、リュート様はもうお帰りだったのですか?」


「うん?ああ、そうだよ、みんなが来るちょっと前に帰って来て、今は風呂に入っている。さすがにあの姿で屋敷内をウロウロされるのは困るからね。身支度を整えたらこちらに来るはずだから、ちょっと待っててくれないかい?」


あ、やっぱりもう帰って来てたんだ。

クマ様って凄い人何だね。



30分ほどお茶を飲みながら談笑していたら部屋のドアをノックする音が響いた。

大叔父様が返事をしている、どうやらクマ様のようだ。

入ってくるのは綺麗になったクマ様だと思っていた私たちだが、その予想は大きく裏切られた。

……と言いますか、別人?どちら様ですか?


「ご挨拶が遅くなり申し訳ありませんでした。無事到着できたようで良かったです。」


え、誰ですか?

体格はガッシリしている……けどムキムキというか、程よい感じ。

そして顔は……というか、あの綺麗な目はつい最近見たような気がする。

私たちがそろって穴のあくほど見つめていることに気づいたのか、ちょっとはにかみながら自己紹介を始めた。


「あ、もしかしてわかっていませんか?そうですよね、あんな姿でしたから。では改めまして、リュートです。年は27、趣味は狩り、あとは……ああ、今は大会に向けて体を作っています。」


や、やっぱりクマ様だ!

クマ様がクマ様じゃなくなっている!

普通のイケメンになってしまった。

いや、ダメでは無いけれど、ちょっと寂しいような……。

周りを見ればみんなもまじまじとクマ様……いや、もうクマ様とは呼べない、リュート様を見ている。


「あら、やっぱりリュートはそのまま成長していたのね〜。さっき会った時ヒゲだらけだったからわからなかったわ。でも、昔と違って強くなったようね?」


お祖母様の言葉に、リュート様ではなく父上であるリュシアン様が嬉しそうに答えた。


「ええ、そうなんですよ。なかなか成長が遅くて親子ともども悩んでおりましたが、20歳をこえてから急に体が大きくなりまして……今回の大会はこの子が代表ですよ。」


そうですか、リュート様は20歳過ぎてからこんなに大きくなったのね。

アレン君とアンジュさんはまだリュート様をジッと見ている。

対するリュート様は、何故か私とアンジュさんをチラチラと見ては顔をそらしている。

何か用事ですかね?

それを見ていた大叔父様がリュート様に何か言っている。

するとリュート様は大きくうなずき私の方へとやって来た。



「リリーナ様、お願いがあります!1回で……1回で良いので抱き上げてみてもよろしいでしょうか?」


「え?」


今よくわからないことを言われた気がする。

何で抱き上げるの?

私が返事に窮していると、大叔父様とお祖父様、お祖母様が寄ってきた。


「すまない、リリーナちょっとで良いからリュートの言うことを聞いてくれないかい?」


「リリーナ、リュートに他意は無い。」


「リリーナ、リュートはちょっと気になってしまって試さないと気が済まないようなの、お願い。」


みんなにお願いされては断れない。

私は良くわからないまま、コクンとうなずいた。

すると私のすぐ目の前にリュート様がやって来て、そのまま脇に手を入れられ……



「おおーー!これは……本当に妖精のようだ!重さを感じない。スゴイ、スゴいですよリリーナ様!」


私は高い高いの状態で、回るリュート様に抱き上げられながら回っていた。

ええ〜〜、抱き上げるって、こういう感じ?

イメージしていたのと違うような……。

でも、リュート様は何がそんなに楽しいのか、メチャクチャ笑顔で私を持ったまま回り続けた。


そして、ようやく気が済んだのか優しく下ろしてもらえた。

うう〜〜、ちょっと目が回った。

私がフラついたのに気がついたのか、リュート様が支えてくれた。


「も、申し訳ない。つい感動してしまって我を忘れてしまいました。でも、本当に軽いです。貴族の女性でこんなに華奢だなんて……スゴいです。」


……え?

一体どこに感動しているの?

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