↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル《家転移》で元傭兵の俺は静かに笑う。  作者: 山田✴ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

406/417

第385話 少女の中の魔力


 マサラ王国での調査を終え、一行はガルリオン共和国へ戻った。


 戻ってすぐ、リオンはガルヴァンとフィーナに今回分かったことを伝えた。


「マサラ王国の人間は、やっぱり一人も見つからなかった」


「そして、地下にあったドームで魔方陣を発見した」


 ゼオンが続ける。


「塩もたくさん置いてあった」


「さらに、森で馬車を発見」


 リオンが持ち帰った紙を机に置く。


「その男から、これが出てきた」


 ガルヴァンが印章を見る。


「……リオンの元実家のアルベール家か」


「ああ」


 部屋の空気が重くなる。


 その時だった。


「それで、この子は?」


 フィーナが部屋の隅を見る。


 そこには、ベッドで眠り続ける少女がいた。


 ガルリオン共和国へ戻ってからも、一度も目を覚ましていない。


「まだ寝てる」


「……」


 フィーナが少女へ近づく。


 そして、「ええええええっ!?」


 思わず叫んだ。


 あまりの声に、リオンとガルヴァンが飛び上がる。


「うるさい!」


「す、すみません!」


 フィーナは少女を見つめたまま、口を開けて固まっている。


「どうした?」


「……リオンさん」


「なんだ?」


「この子……」


 フィーナは少女の身体へ手をかざす。


「彼女の体の中に、ものすごく強力な魔力を感じます」


「強力?」


「はい。生きているのが不思議なくらいです」


 リオンは首を傾げた。


「……魔力って、そんなに危険なのか?」


 その言葉に、全員がリオンを見る。


「え?」


「リオン、お前……」


 ガルヴァンが呆れたような顔をする。


「魔力を知らないのか?」


「知らないから聞いてる」


 リオンは真顔だった。


「じゃあ、ゼルファに聞く」


 しばらくして、ゼルファが呼ばれた。


「魔力とは何か、だって?」


「ああ」


 ゼルファは少し考えてから説明を始めた。


「魔力っていうのは、簡単に言えば自然の中に存在している力だ」


「自然にある?」


「そう。空気や水みたいに、世界のどこにでもある。ただし場所によって濃さが違う」


「濃い場所もあるのか?」


「ああ。魔力が集まっている場所を魔力溜まりなんて呼ぶ」


 ゼルファは続ける。


「普通の人がそこへ長時間いると、体調を崩すことがある。濃すぎる魔力を大量に取り込めば、命に関わることだってある」


「なるほど……」


 リオンは少女を見る。


「じゃあ、この子の中にある魔力は?」


「俺にも正確には分からない。ただ……」


 ゼルファが少女を調べる。


「普通じゃない量だ」


「そんなに?」


「これだけの魔力を身体の中に抱えて、普通に生きているなら……確かに不思議だ」


 そこでゼルファの動きが止まった。


「……あ」


「どうした?」


 リオンが尋ねる。


「そういえば……」


 ゼルファはリオンを見る。


「リオン、お前には魔力がないんだったな」


「ああ」


 リオンは何気なく答える。


 しかし、その場にいた全員が少女へ視線を戻した。


 大量の魔力を抱え、それでも眠り続ける少女。


 そして、魔力を一切持たないリオン。


 ゼルファは腕を組んだ。


「もしかすると……」


「何だ?」


「この少女の存在そのものに、何か関係があるのかもしれない」


 リオンは黙って少女を見つめた。


 少女は、まだ目を覚まさない。


 その胸の奥には、フィーナですら驚くほどの魔力が眠っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。