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スキル《家転移》で元傭兵の俺は静かに笑う。  作者: 山田✴ソラ


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第380話 動く魔力


 地下ドームでの調査は続いていた。


 魔方陣と塩の関係を調べるため、日本側の調査団が計測を続けている。


 その横で、ゼオンは精霊の女王から借りた道具を取り出した。


「ちょっと調べてみる」


「何か分かりそうか?」


「分からない。でも、これなら魔力の動きが分かると思う」


 ゼオンが道具に魔力を流す。


 淡い光が浮かび上がった。


 しばらくすると、ゼオンの表情が変わった。


「……え?」


「どうした?」


 リオンがすぐに近づく。


「魔力が動いた」


「動いた?」


「うん。すごく強い」


 ゼオンが道具を見つめる。


 表示された魔力の反応が、地下ドームから外へ向かって伸びていく。


「さっきまで、こんな反応はなかった」


「どっちに向かってる?」


「あっち」


 ゼオンが指を向ける。


「かなり速い」


 リオンの顔つきが変わった。


「ガルヴァン!」


「聞こえてる!」


 少し離れた場所にいたガルヴァンが走ってくる。


「何があった?」


「強力な魔力が移動してる。ゼオンが感知した」


「……まさか、マサラの人たちと関係してるのか?」


「分からない。でも追う価値はある」


 リオンはすぐに決断した。


「ヘリを出す」


「俺も行く」


 ガルヴァンが言う。


「いや、ここは任せる。調査団とフィーナを頼む」


「分かった」


 リオンはゼオンを見る。


「行けるか?」


「うん」


 二人は急いで地上へ戻った。


 待機していたヘリコプターに乗り込む。


「離陸します!」


 ローターが回り始め、ヘリがゆっくりと浮き上がる。


 ゼオンは精霊の女王から借りた道具を握りしめた。


「こっち」


「了解」


 リオンが操縦士に方向を伝える。


 ヘリはマサラ王国の上空へ出た。


 眼下には、誰もいない街が広がっている。


 家も、畑も、道路も残っている。


 それなのに、人だけがいない。


「まだ追えるか?」


「追える」


 ゼオンが道具を見る。


「……かなり強い」


「近づいてる?」


「違う」


 ゼオンが首を横に振った。


「動いてる」


「どこへ?」


「北……いや、少し西」


 リオンが地図を見る。


「北西か」


 ヘリが進路を変える。


 しばらくすると、ゼオンが再び声を上げた。


「父さん!」


「どうした?」


「魔力が……急に強くなった」


 リオンは前方を見る。


 何もない。


 ただ、広い大地が続いているだけだった。


「何があるんだ?」


「分からない」


 ゼオンは道具を握り直した。


「でも、何かがいる」


 ヘリはその魔力を追って、さらに先へ進んでいった。




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