第356話 森の奥にあるもの
精霊の女王から借りた調査道具を使い、ゼオンは北部森林地帯を詳しく調べていた。
道具に魔力を流すたび、森の地図が光る。
「ここは大丈夫……ここも問題ない。」
ゼオンは一つずつ確認していく。しかし、精霊の都市を越えた辺りまで調べたところで、手が止まった。「……あれ?」
調査道具の奥から、今までとは違う反応が返ってきた。
光が大きく揺れる。
「なんだろう……。」ゼオンは魔力を少し強める。
すると森のさらに奥、誰も足を踏み入れていないような場所から、巨大な魔力反応が浮かび上がった。
「……大きい。」
ゼオンの表情が変わる、精霊の都市にも負けないほどの、巨大な何か、ただし、姿までは分からない。
「これ以上は僕だけじゃ分からないな。」
ゼオンはすぐに調査の準備をしている、父親のところへ向かった。
「父さん。」
「どうした?」リオンが振り返る。
ゼオンは調査道具を見せた。
「森の奥を詳しく調べたんだけど、精霊の都市よりさらに奥に、凄く大きなものがあるみたい。」
「大きなもの?」
「うん。魔力が凄く大きい。でも、何なのかまでは分からない。」
リオンは真剣な顔で道具を見る。
「精霊の女王は知ってるのか?」
「まだ聞いてない。」
「分かった。直接調べてみよう。」
リオンは少し考える。
「でも、森の奥まで行くなら移動手段が必要だな。」
そこでリオンはアレリーナを見る。
「アレリーナ、頼めるか?」
「私?」
「ああ。森の奥まで飛んで、上空から調査したい。」
アレリーナはすぐに頷いた。「分かった。私が連れていく。」
「助かる。」
ゼオンも嬉しそうに笑う。「僕も行く。」
「もちろんだ。」
リオンとリゼはゼオンの頭を軽く撫でた。
「ただし、危険を感じたらすぐ戻るぞ。」
「うん。」
「気を付けてね」とリゼは不安そうにしている。
「大丈夫だ、調査だけで無理はしない」とリオンは笑う。
準備を終えると、アレリーナがドラゴンの姿になる。
大きな翼を広げると、森の木々が風で大きく揺れた。
『乗って。』
「よし。」
リオンが乗り、続いてゼオンも背中に乗る。
『しっかり掴まって。』
「分かった。」
アレリーナが翼を広げる。
次の瞬間、バサッ!三人の身体が空へ舞い上がった。
北部森林地帯が眼下に広がる、精霊の都市を越え、さらに奥へ。
人の手が入っていない深い森が続いている。
「ゼオン、反応は?」
「まだある。」ゼオンが調査道具を見る。
「もっと奥……。」
リオンは森の奥を見つめた。「一体、何があるんだ?」
その答えを探すため、三人はさらに森の奥へ進んでいった。




