表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル《家転移》で元傭兵の俺は静かに笑う。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

294/326

第283話 ラミが空飛んだ

 ガルリオン共和国の王城。昼。


 リオンは公務室で大量の書類と戦っていた。「……なんでこんな増えるんだよ」


 机の上には山のような決裁書類。日本との交易資料、各種族との調整報告、さらに王都復旧計画。


「王だからな」ガルヴァンは慣れた様子で次の束を置く。


「辞めたい」


「無理だな」即答だった。


 リオンは死んだ目でペンを走らせる。「最近、平和だったのに……」


「お前、その台詞言うと毎回何か起きるぞ」


「フラグみてぇに言うなよ」


 その時だった。ふわり、光が舞う。精霊だった。小さな光球たちが慌てたように部屋へ飛び込んでくる。


『大変ー!!』

『リオンー!!』

『ラミが空飛んだー!!』


 沈黙。リオンの手が止まる。「……は?」


「またラミか」ガルヴァンが眉をひそめた。


 精霊たちは大騒ぎだった。


『黒い龍ー!!』

『おっきいー!!』

『ラミ乗ってるー!!』

 

 数秒後、リオンは勢いよく立ち上がった。「嫌な予感しかしねぇ!!」


「俺もだ!!」ガルヴァンも即座に動く。


「門開けろ!北部だ!!」リオンは精霊たちを見る。


『はいー!!』


 空間が歪み、巨大な精霊門が展開された。白銀の光が揺らめく。リオンとガルヴァンはそのまま飛び込んだ。


 次の瞬間、北部森林地帯。


 風が強い。吹き飛んだ小屋、騒ぐ精霊たち。そして、空。


「……は?」リオンは固まった。


 黒龍だった。巨大な漆黒の龍が空を飛んでいる。その背中には。


「うぉぉぉぉぉ!!」


 ラミ。さらにゼオン、リオナ。三人が楽しそうに乗っていた。


「なんで子供達が神話級存在ライドしてんだよ……」ガルヴァンが絶句する。


 しかも、黒龍はかなり楽しそうだった。『グルルルル!!』空を旋回しながら飛び回っている。


「速いぃぃぃ!!」ラミは大はしゃぎだ。ゼオンも笑っている。リオナは尻尾をぶんぶん振っていた。


「アレンかぁぁぁぁ!!」リオンは頭を抱えた。


 その時。


「リオォォォォォン!!」


 森の奥から叫び声。アレリーナだった。銀髪を振り乱しながら飛び出してくる。


「アレンが!!アレンが飛んだァ!!」


「見れば分かる!!」


「どうするのだァ!?」


「俺に聞くな!!」


 完全にパニックだった。


 空では黒龍アレンがさらに高度を上げていく。


「リオーン!!」ラミが大笑いした。


「んぁ!?」


「飛べるよー!!」


「知ってるよ!!」


 次の瞬間、黒龍アレンが急降下。暴風が森林を揺らした。「うおっ!?」リオンは思わず身構える。


 しかし、アレンはその直前で旋回。まるで見せびらかすように飛び回った。


『すごーい!!』

『黒龍だー!!』

『はやーい!!』


 精霊たちが大歓声を上げる。


「……赤ちゃんとは」ガルヴァンは遠い目をした。


「何なんだろうな……」リオンも真顔だった。


 その時、アレリーナが青ざめた顔で呟く。「ま、まさか……あの飛び方……」


 黒龍アレンは空中で急旋回しながら、楽しそうに高度を上げていく。


「完全に龍族の子供の飛び方だ……」アレリーナは頭を抱えた。


「つまり?」


「止まらぬ」


「は?」


「飽きるまで飛ぶ」


 リオンとガルヴァンが同時に空を見上げた。黒龍アレン、超高速飛行中。背中にはラミたち。


「……終わったかもしれん」リオンは静かに呟く。


 その直後。


「うわぁぁぁぁぃ!!」


 ラミの楽しそうな叫び声が空へ響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ