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スキル《家転移》で元傭兵の俺は静かに笑う。  作者: 山田 ソラ


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第245話 証拠提示と、予想外の結末

 翌日。王城・小会議室。


「で?」腕を組んだフィーナが冷ややかに言う。「昨日の"いたずら"の続きですか?」


 リオンは無言で頷き、通信水晶を机の上に置いた。


「見ろ」


 淡く光が浮かび上がり、映像が再生される。

 夜の中庭。骸骨ヘルメットのラミが突撃し、フェンリル化したリオナがどんと前に出る。


もふっ。


「離しなさい!!」

 

 完全に捕まる聖女。もがく。動けない。下半身からの液体、威厳、崩壊。

 映像が終わった。部屋の空気が、凍る。


「……いい出来だろ」リオンが腕を組む。

ガルヴァンは顔を背けていた。


「これはひどい」


 フィーナは俯いたまま動かない。


「……」


「……フィーナ?」


 リオンが声をかけた、その時。


ぽた。


 水滴が落ちた。


「……え?」


 次の瞬間、フィーナの肩が震えた。


「ちょ、ちょっと待て」リオンが一歩引く。「泣いてる?」


 フィーナは顔を上げた。目が潤んでいる。


「……こんなの」震える声。「こんなの……ひどいです……!」


 完全に泣いた。


「いや待て」リオンが焦る。「そこまでか!?」


「やりすぎだ」ガルヴァンが真顔で言う。


「えぇ……」


「聖女としての威厳が……信徒に見られたら……終わります……」フィーナは涙を拭きながら言う。


 リオンは少しだけ罪悪感を覚えた。「……いや、公開はしないぞ?」


「本当ですか……?」


「さすがにそこまではしない」そこは一線だった。


 その時、扉が勢いよく開いた。


「リオン!!」


 リゼだった。後ろにはルナ。二人とも、完全に怒っていた。


「話は聞いたわよ」リゼが低く言う。「何してるの?」


「……子供を使って何してるの?」ルナも腕を組む。


 リオンが固まる。「いや、これはだな。ちょっとした……」


「いたずら?」リゼが遮る。笑っていない。「子供を巻き込んで?」


「……」即答できなかった。


 ラミが後ろからひょこっと顔を出す。


「楽しかったよ!」リオナ(通常状態)もすやすやしている。


「ラミ」ルナの目がさらに細くなる。「あとで話そうか」


「……はーい」察した。


 リゼがリオンに詰め寄る。「あなたね。王でしょ?父親でしょ?」


「……はい」


 完全に説教モードだった。


「これは逃げ場がないな」ガルヴァンが小さく呟く。


「助けろ」


「無理だ」即答。


 フィーナは涙を拭きながらも、少し落ち着いた様子でその光景を見ていた。


「……自業自得ですね」ぼそり。


「お前も加害者側だろ」リオンがちらっと見る。


「私は被害者です」きっぱりと言い切った。


 最終的に、リオンとラミは並ばされて正座していた。


「反省してる?」リゼ。


「……してます」


「本当に?」ルナ。


「……はい」


 完全敗北だった。

 その横で、フィーナが小さく呟く。


「……でも」


 少しだけ、口元が緩んだ。


「ちょっとだけ……面白かったです」


 リオンが顔を上げる。「だろ?」


「調子に乗らないでください」即戻った。

こうして、王のいたずらは終わりを迎えた。代償は妻たちからの説教と少しの反省、そして聖女との妙な距離感だった。


「……平和だな」ガルヴァンが静かに結論を出す。




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