表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/60

パーティーの侵入者

そろそろ日常回を挟みたいなぁ。

パーティーも終盤へと差し掛かりチラホラといつの間にかいなくなっている貴族もそれなりにいる。クロットも帰ったようでもうとっくに姿は見えなくなっている。

それにもう空が暗くなってきた。そろそろ帰らないと本格的にアリスが機嫌を損ねてしまう。それは非常にめんどくさい。

しかし俺は今日のパーティーの主役。俺が帰る時はこのパーティーが終わるときだ。


主役のいないパーティーなど誰が参加しようと思うのか。そういった意味合いで俺はそう簡単に帰るわけにはいかないのだ。


「やぁリョーマ、大変そうだね?」


「あ、ラッツ様、クリスタ様。お疲れ様です」


ラッツ様とクリスタ様がそばに来て話しかけてくる。

はっきり言ってこの2人は今日の主役である俺なんかよりもずっと疲れているだろう。ここはアインベルク王国ではなくマギルサード魔導国。王族である彼らは色々と挨拶をしたりと忙しいのだ。


「あ〜分かるかい?」


「何となくですが、少し休憩なされては?」


恐らく無理だろうと分かってはいるが一応聞いてみる。しかし2人は予想通り首を縦には振らなかった。


「まだ挨拶が残っているからね。休んでいるわけにもいかないんだ」


そう言ったラッツ様の顔には明確な疲れが浮かんでいる。


「……お疲れ様です」


「ははは、まぁリョーマも頑張ってくれ」


「では失礼します」


そう言ってまた2人は人混みへと消えていった。


「やぁ少年、調子はどうだ?」


「……試験官殿?」


今度はあの時に魔力鎧を見せてくれた、いや実際には常にやっているものを俺が勝手に見たのだが。まぁとにかくそこにいたのはあの時の試験官の女性だった。

試験の時とは違いきらびやかなドレスに身を包み、周囲の視線を引きつけてご婦人達から睨まれている。

なぜここに? 確かに彼女ほどの魔力の持ち主ならば魔導国であるマギルサードが放っておくはずがないか。

この国は魔法使いの聖地とまで呼ばれる場所。彼女のように優秀な人材を重役に取り立てるのは国としては当然だろう。


「あぁそういえば名乗ってなかったか。私はローゼという。君には期待している。今後ともよろしく頼むぞ」


彼女がそう言うと周囲の貴族が途端にざわめき始めた。一体なんだ?


「あのローゼが自分から話しかけに行くとは……」


「しかも期待しているだと。半信半疑だったが本当にあの少年があの魔法を?」


あぁそういうことか。どうやらこの人はあまり社交的ではないらしい。あとこの人が俺に期待しているって言ったのがかなり珍しいらしい。

それで俺があの大破壊の張本人であることをようやく信じたらしいがこの人本当に何者なんだろうか?


「リョーマです。よろしくお願いします」


「あぁよろしくな。しかしこれほどの才能の持ち主がアインベルク王国に眠っていたとはな……我が国に誘えないことが残念だな」


「あはははは……」


すっげぇ答えずらいことをずかずかと言ってくるなこの人。なんというか不思議な人だな。まぁいいや。


ここからは少し声を小さくして会話する。


「それで? なんの用もないのに話しかけてきたわけじゃないんでしょう?」


「……分かるのか」


「えぇまぁ」


彼女の魔力はこの間見た時よりも活性化していていつでも高威力の魔法が放てる状態だった。彼女ほどの存在が魔力制御を誤るとは思えない。恐らく何らかの事情があるのだろう。


「……実はなこの会場に侵入者がいる可能性がある」


「へ!? それは一大事では!?」


わざわざ侵入者というくらいなのだから間違いなく悪意のある者なのだろう。それがこれだけの要人のいる場所にいるだなんて1番最悪なパターンじゃねぇか!


「どうして分かったんですか?」


「ついさっきこの会場のそばで怪しいやつがいたんで捉えてみたら暗殺者だった。なんとか複数人の仲間がいることは分かったがどこにいるかが全く分からん」


「なるほど……それで俺にどうして欲しいんですか?」


そう聞くと彼女は不敵にニヤリと笑った。その顔に当てられて数人の男達が彼女を凝視しているがこっちよりも他の女性達に睨まれていることに気がついた方がいいよ。

女の嫉妬は怖いのだ。俺も昔アルベインで女の子に告白されたことがあったがあとからそれを知ったアリスの機嫌は過去最低だった。綺麗な笑顔があれだけ恐ろしく見えたのもあれが初めてだ。もうあんな体験はしたくないな。


「会場内の兵士は増やしてある。君は怪しいやつを見つけたら兵士に教えてくれ。既に兵士達にこのことは伝えているから言えば従うだろう」


「了解です」


どうして俺はこんなに面倒事に巻き込まれるのだろうか……たまにはゆっくり休ませて欲しいのだが。

しかしこの大量の人の中から怪しいやつを見つけろって言われてもなぁ。ノーヒントじゃキツすぎると思うんだけど。


「判別方法とかはないんですか?」


「ふむ、そう言えば黒い本の装飾が入ったナイフを持ってたな」


黒い本の装飾ね……あれ? なんだろう、なんか引っかかるな……


「では頼んだぞ」


そう言って彼女も離れていく。じゃあ俺も探しに行こうかな。早く見つけないと。






『……全員準備はいいな?』


『もちろんです』


『いつでも行けますよ』


『……』


『よし、ならターゲットが1人になったら行動を開始する。どうやら1人捕まったらしいがそう簡単に情報は漏らさないだろう』


彼らは既に会場の中に侵入していた。会話はバレないように魔道具を使って念話による会話を行っている。この魔道具は魔力をあまり拡散させないためバレにくいという特徴がある。その代わりに対応する魔道具を持たないと会話ができないこと、そして離れすぎると会話ができないという欠点はあるが特に問題は無い。


『では全員覚悟を決めろ』


『そんなものとっくにできてますよ』


『えぇ、あと必要なのはは命令だけですよ?』


『……』


『ふっ、そうか、ならば行くぞ、《我らが神の名のもとに》』


『《我らが神の名のもとに》』


ついに暗殺者達が動き出した。






黒い本……一体どんな組織なんだろうなぁ~(すっとぼけ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リッチ(金持ち)でリッチ(死体)なダンジョンマスター https://ncode.syosetu.com/n9823fi/ こっちもよろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ