勝負の終わりと絶望の始まり
今月はこっちの小説を優先します!
来月はもう一個の小説を書こうと思ってます
「もう許さんぞ! 楽に死ねると思うなよ!」
明らかに激昂している。
もう身体中ボロボロなのに凄まじい魔力と殺気を放っている。
だけどなぜかセリフは噛ませ犬っぽい。
う~んしぶとい。
なんか首をはねても生きてそう。
まぁ火力でゴリ押すけどね。
「これで少しは楽になったわね」
「そうだね。でもあいつ本体も厄介そうだから警戒は怠らないように」
「分かってるわよ」
「おしゃべりとは余裕ではないか!」
残っていた右腕を空にかざすと濁った光を放つ空間の穴が開いた。
そこに手を突っ込むと真っ黒な泥のようなものを取り出す。
「冥土の土産に教えてやろう! これは我が主ナルナ様が作り出したとある生物兵器の6つの核のひとつよ! まぁナルナ様に逆らったために6つの核の内5つを抜き取られたがな! ワシは今からこの核で最強の魔物を呼び出す! 貴様らはそれでおしまい」
「『フラッシュ』!」
アリスが真横で魔法を発動する。
光魔法下級『フラッシュ』
発光を行い敵の視界を潰すための魔法である。
展開の速さが売りである光属性魔法の中でも特に速い魔法であるが魔力探知を持っていると目をつむっていても周りの状況が分かるためあまり意味が無かったりする。
しかし悪魔が相手なら話は別だ。
悪魔の弱点属性は聖属性と光属性。
『フラッシュ』でも十分すぎる効果が出る。
「ガァァァァァァァァ!」
持っていた核を取り落とし顔を覆い絶叫する。
今なら行けるか?
風魔法初級の『エアバレット』を一斉に発射する。
その数なんと百以上。
そしてその全てがゴデアへと叩きつけられた。
「クソガキどもぉぉぉぉぉ!」
地面に落ちたその瞬間、いきなり立ち上がり俺達に向かって突撃してきた。
そして右腕をアリスに向かって伸ばす。
ドンッという音と共にゴデアの突進が止まる。
これは俺が展開した結界だが理論上では象が乗っても壊れないし中級魔法までなら意にも介さず弾くだろう。
しかしゴデアの突進は俺の結界にヒビを入れていた。
「邪魔だっ!」
ゴデアが右腕で結界を殴り付けると音を立てて結界が崩れ去った。
そしてそのまま返す拳でアリスを殴ろうとする。
しかしゴデアの裏拳はアリスの顔の前を通過しただけだった。
とはいえ凄まじい勢いで振り抜かれた腕は強烈な風圧を発生させアリスを吹き飛ばす。
目測でも誤ったか? いやそれはないだろう。
不思議に思い魔力探知をしてみるとゴデアに黒い魔力がまとわりついていた。
そしてそれはメアへと伸びている
間違いなくメアが幻術で攻撃を外させたのだろう。
「アアアアアアアアアアアアア!」
ブンブンと無茶苦茶に残った右腕を振り回す。
しかしその全てが当たらない。
ことごとくが空を切り凄まじい風圧が吹き荒れる。
「ちっ! 鬱陶しいな!」
『ファイアーボール』をゴデアの顔めがけて放つ。
しかし腕が生み出す風圧によって『ファイアーボール』がかき消される。
厄介すぎるだろ!
まぁでたらめに暴れてるだけだから避けられるんだけどさ。
しかし俺も攻撃ができない。
魔法は消されるし当然だが妖精魔法を詠唱はできない。
ゴデアはでたらめに暴れてるとは言えしっかりと俺達を狙ってはいる。
流石に妖精魔法の詠唱を見逃してはくれないと思う。
まさかナイフで切りかかる訳にもいかない。
一瞬でミンチになるだろう。
状況はまさに膠着していた。
「ナルナ様のためにぃぃぃぃぃぃぃ!!」
ピンポイントで俺の顔めがけて拳が飛んできた。
全力で身体強化を掛ける。
そして上半身を全力で反らす。
とてつもない速度で腕が俺の上を通過していく。
あっぶねぇぇぇぇ!?
今ちょっとかすったぞ!
後ろに下がりアリスの側に立つ。
「これどうしようかね……」
「近づけない。生半可な魔法は無駄。勝てる気がしないわね。負ける気もしないけど」
それに関しては同意する。
あいつの戦闘方法は召喚獣を前衛に自分は後方から魔法で攻撃してくるタイプだ。
しかしあいつは召喚獣を召喚せずに暴れ狂うだけ。
まぁ俺達の攻撃も当たらないんだけどね。
「◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼ッッッ!」
最早その叫びに言葉は無かった。
理解できない咆哮を上げ襲いかかってくる。
「3秒だけなら稼げるよ?」
「意味無いな。それじゃあ中級魔法までしか撃てない」
後ろに飛び続けながらアリスと会話する。
これ本当にどうしよう……
決定打が無い。
……そうだ! 妖精達に聞いてみよう!
こいつらならなんとかなるかもしれない!
「お前らなら何秒稼げる?」
「1時間!」
「でも意味ないよー」
「魔力を使わないとー」
「そしたら時間稼いでも魔法が撃てないよー」
「……全員でやらないときつい」
まじか〜
妖精達に時間を稼いで貰えたら楽だったんだが……
本当に手詰まりだなぁ。
「◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼ッッッ! ”ワレハジャシンニネガイタテマツル! ワガケツエキ! ワガニク! ワガイノチをカテニゲンカイセヨ!”『テュポーン』!」
いきなり流暢な言葉で聞き逃せない詠唱が聞こえた。
邪神だと?
この世界の神は唯一神のエリクシールのみのはずではないのか?
信じられない詠唱に身構えていると突然ゴデアが前のめりに倒れた。
「……は?」
あまりのことに言葉を失う。
終わらないと思っていた勝負に一瞬で決着がついたのだ。
どういうことだ? 自分の魔法で自爆した? そんな馬鹿な……
「ほう……なかなかいい身体ではないか」
ゴデアはいつの間にか起き上がっていた。
そして次の瞬間に俺は街の端に吹き飛ばされ壁に叩きつけられていた。
遅れてアリスも俺の真横に着弾する。
「なんだ……今のは……」
「ゲホッ……早すぎるよ……」
直前で貼り直した結界のおかげでなんとか直撃は避けたがそれでもとてつもない威力だった。
脳が揺れてまともに視界が確保できない。
アリスは血を吐いて苦しそうに呻いていた。
「ふむ、妖精の契約者に……ただの小娘か。まぁ関係ないな。どうせ全員死ぬのだから」
絶望が降臨した。
「テ……リ……」
カタカナのところ読みにくいかも知れませんw
そろそろ最後のやつが分かった人居そうですけどねぇ
ヒントは神話ですw(作者は神話好き)
面白いと思っていただけたら評価と感想、お気に入り登録をお願いします!




