悪魔の群れ
書いてて思ったんですがこのままだと菅原さんを登場させるのに数年かかりそうなので色々と時間や年齢を変更させていただきます。
誠に勝手ですがご了承ください。
ギャアギャアと騒々しい声をたてて悪魔達が空から来襲する。
「ニンゲン! ニンゲン!」
「ぶっ殺せ!」
「飯だァァァァ!」
「ぎゃはははははは!」
悪意の群れが降ってくる。
まるで雨のように。
しかしよく見れば全ての悪魔が降りてきている訳では無いようだった。
見るからに低位では無い悪魔達はまるで様子見をするかのように空から見下ろしていた。
「ちっ! ロンズ! ニール! とりあえず避難するぞ! そのあとでお前達は住人の避難を手伝え!」
「……分かりました。しかし我々はあなたの護衛です。ですから2人共あなたから離れる訳にはいきません」
男は静かな声で言った。
隣の女性も何も言わないし同意見なんだろう。
彼らは王子の護衛だし当然なのか。
まぁ王子自信が住人の避難を手伝わないだけ自分の立場を理解出来ているのだろう。
王子が他国で死ぬなんて特大級の大問題だ。
自分の立場を理解して指示をしっかり出せるのは1つの才能と言ってもいいと思う。
その時だった。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!」
空から筋骨隆々の真っ黒な悪魔が突っ込んできた。
影の悪魔。
生物の影に潜み徐々に生命力を吸い取る低位悪魔だ。
そもそも悪魔は4つの位階に分けることができる。
低位、下位、上位、王位の4つだ。
影の悪魔は他人から生命力を吸い取らないとろくな戦闘力を持たない。
そしてこいつからは強さは全く感じない。
驚異にすらならない。
『ファイアーボール』で影の悪魔の顔面に叩きつける。
悲鳴すらなかった。
爆煙が晴れると顔が吹き飛んで無くなった影の悪魔が現れた。
「流石だリョーマ! このまま避難所まで行くぞ!」
「了解です!」
返事を返しながら王子の後ろをついて行く。
護衛からも警戒はされている。
まぁ本人から許可されたとはいえ王子の後ろを一般人がついてくるのだ。
王子の護衛ならこの警戒は当然のことだろう。
「食わせろやァァァァァ!」
「腹減ったァァァァァァ!」
「%a@□=°+$√!?」
上空から3匹の緑の肌の小さな悪魔が突っ込んできた。
というか最後のやつは何言ってるのか全く分かんねぇ!
緑の小悪魔。
下位の悪魔で魔法陣に干渉して魔法の発動を阻害するという特殊能力を持っている。
魔法使いにとっては天敵のような能力を持っている。
まぁしかし阻害できるのは下級魔法までだ。
そして魔力量にもよる。
妖精の魔力が使える俺にとってはなんの問題もない。
「”土塊よ、我が第3の腕となれ!”『クレイハンド』!」
土が腕の形となりグレムリン達を捕まえる。
「離せぇぇぇぇ!」
「腹減ったァァ!」
「%=+*□✕#!?」
やっぱり最後のやつは何言ってんのか全く分かんない。
まぁ関係ないね。
3体の緑の小悪魔が土の腕に握りつぶされる。
「なんて速い魔法構築! しかもグレムリンの魔法阻害をものともしないなんて!」
護衛の女性が驚愕の声を上げる。
チラッとそっちを見ると緑の小悪魔とはまた別の悪魔がやってくるところだった。
静かな猛犬。
一応悪魔の1種である。
悪魔の定義は人類の魂を食べること。
そして魔界にいることの2つ。
これさえ満たしていれば悪魔として認められる。
ちなみにこの静かな猛犬、空を飛ぶことはできない。
悪魔というのは大抵が人型だがこの静かな猛犬は2メートルほどの大きさの黒い犬の姿をしている。
似たような魔物に黒い犬という魔物がいるがこちらは悪魔ではなく普通の魔物である。
そして静かな猛犬の持つ能力は消音。
自分が発する音を無くすという聞くだけなら地味な能力だ。
しかし静かな猛犬の戦闘方法は能力による暗殺と群れによる集団戦術を得意とする悪魔だ。
護衛の2人がそれぞれ得物である剣と杖を抜き放つ。
2つとも一目見て業物だと分かるものだった。
剣を持った剣士の護衛が前に出て杖を持った魔法使いの護衛が援護。
戦法としては常識的なものだな。
しかし静かな猛犬を相手にしてとる戦法では無い。
さっきも言ったが静かな猛犬は音を消せる。
奇襲に特化した悪魔であると言えるだろう。
「……ニール。お前は援護を頼む」
「分かったわ。気をつけて」
そう言って静かな猛犬を睨む。
しかし残念ながらそれは悪手でしかない。
静かな猛犬に斬り掛からんと距離を詰める。
そして真横から別個体に腕を噛みちぎられた。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
「ロンズ!」
魔力探知にも引っかからなかったぞ!
それはつまり俺の魔力探知を上回る魔力隠蔽を持っているということになる。
でもそもそも静かな猛犬は魔力隠蔽を持っていなかったはずだぞ!
そう思ってその個体を見ると驚愕に目を見開いた。
それは確かに静かな猛犬だった。
しかし大きさは5メートル程になり黒い毛並みに灰色が混ざっていた。
変異固体。
10年に1度の確率で魔物に発生する変異固体がその鋭い牙を剥き出しにして威嚇していた。




