当然の報いです
今回は賛否両論あると思います。
ですが言わせてください……
どうしても書きたかったんや!
はい。
「もうあんな事したらダメよ? 正当な理由なく攻撃魔法を行使したらそれは犯罪なんだからね」
「.....ひっく......はい.....」
そうなのだ。
攻撃魔法は当然ながら人を殺せる。
人に当たってなくても自分の敷地内、もしくは許可のない場所で攻撃魔法を行使すればそれは立派な犯罪になる。
今回はオーエンさんが金で解決してくれたが次はそうはいかないだろう。
確実に犯罪者の仲間入りだ。
アリスの部屋に少女を連れ込み話を聞いたところ、魔法学院に向かう途中で立ち寄ったこの街で宿を取ろうと建物に入ったら真横から男が来たのだという。
咄嗟に避けて当たらなかったが男の一人が「水晶鳥の卵が割れた! どうしてくれるんだ」と詰め寄ってきたらしい。
そこからは俺達が見ていた通りらしい。
言い争いになりアリスが乱入し喧嘩を仲裁。
その後に俺と戦闘。
最後は俺も悪いかもしれないがまさか攻撃魔法をぶっぱなすとは思わなかったのだ。
なんにせよ話を聞いた限りぶつかるつもりだったけど避けられたから焦ってつい問い詰めた感じかな?
だとすると間抜けすぎるだろ…...
とりあえずあの男達がアルベインでも全く同じ事を伝えると憤慨していた。
「何よ! 最初から全部嘘だったんじゃない!」
「おそらくそうでしょうね、騙してお金をあなたから取ろうとしたんだと思う」
本当にそうだったのだろうか?
あのタケルってやつはかなり強かった。
前にアリスの家を襲った〈豪翼の不死鳥〉の幹部だったコウヤなんかよりも強いと思う。
そんなやつがわざわざこんなせこい方法を使ってまで金を稼ぐ必要があるとは思えない。
なにか別の目的があると考えるべきだろうな。
『.....リョーマ』
『メア! どうだ?』
メアからの念話が聞こえた。
今更ながら念話ってかなり便利だよな。
どれだけ距離が離れていても会話が出来るのは便利以外に言いようがない。
『……遊び」
『は?』
『……別にお金が欲しいわけじゃない、ただ楽しんでるだけ』
……そう来たか……
……マジか~
よし潰す。
そんな遊びになんで巻き込まれなきゃならないのか。
そしてその被害にあった人達の事を考えればここで潰すのが一番いいだろう。
俺は久々に切れていた。
これは絶対に許せない。
『そいつらの位置は?』
位置を聞くとそこはこの街で一番の高級宿だった。
なるほど。本当に金に困ってるわけでもなさそうだな。
まぁ位置も分かったし早速やるか。
その宿の人には悪いけど確実に殺させて貰う。
ここで見逃したら次にどんな被害が出るか分からないからな。
「ちょっと風に当たってくる」
「……行ってらっしゃい」
俺から何か不穏な空気を感じ取ったのかアリスは心配そうな顔で俺を見てくる。
こういう時は本当に感がいい。
「……リョーマ、怒ってる?」
驚いた。
僅かな会話で読み取られるとは思ってもなかった。
俺は安心させるためにアリスに近寄りアリスの頭に手をぽんっと置く。
「心配すんな、ちょっと風に当たるだけだから」
「この子の事で怒ってるの?」
少女が自分の事を出されたからか肩をビクリと震わせる。
「それとは別、ほんとに気にしないでくれ」
「……うん」
どことなく納得していない表情だったが最後には引き下がってくれた。
「じゃあ行ってくる」
返事を聞かずに部屋を出る。
そして俺の部屋に戻りベランダから屋根の上に登る。
そこで魔法を展開する。
そこに現れたのは魔力で構成された狙撃銃。
と言っても地球にある本物ではない。
正確には地球の狙撃銃を大雑把に模倣したものである。
銃身も機関部も銃床も銃弾さえも。
全てが魔力で構成されたスナイパーライフル。
この世界の技術は地球の技術とは比べ物にならない。
そこに地球の技術の結晶を持ち込んでそこに地球にはない魔法の技術を組み合わせる。
当然だがとんでもないものが出来上がる。
この狙撃銃は大陸を滅ぼした原因でもある魔力爆発を利用している。
とはいえ当然そんな規模の爆発を起こせば流石に女神様に怒られる。
それに確実に俺が死ぬ。
そんなものが使えるはずもない。
そして狙撃銃をまた別の魔力で覆う。
狙撃銃本体は無属性の魔力で作っていたがこれは風属性の魔力だ。
残念だがスコープを作る事は出来なかった。
光魔法が使えれば光をねじ曲げたりして遠くを見ることが出来るかもしれないと思ったが俺に光魔法は使えないので断念。
だからその役目は妖精達にやってもらう事にした。
シルフィードなら風で弾丸の着弾点を調整出来るだろう。
目の役目は宿のそばにいるメアにやってもらう。
念話で細かい位置を伝えてもらえばある程度は自分で狙える。
シルフィードの負担は最小限で済むだろう。
この魔法を作った理由は正直趣味である。
だってスナイパーとか憧れるじゃん?
一回ぐらい撃ってみたいと思うじゃん?
この世界に銃刀法なんてものはない。
銃はないし、剣を規制すれば魔物を相手にするのに困る。
この世界に地球の知識を持ち込むと結構好き勝手出来るのだ。
とはいえ俺も自重はする。
流石に核兵器並のやつは作ってない。
女神様も転生する時に世界観壊さないようにって言ってたしな。
俺の良心的にも作りたくはない。
まぁそれはさて置きそろそろやるか。
風属性の魔力で覆われた狙撃銃を床に置き伏せる。
『位置は?』
『……森熊亭の最上階、その一番右端の部屋にいる』
森熊亭はさっきも言った通りこの街で一番の高級宿だ。
その高さは5階建てにもなる。
当然目立つ。
狙いやすくて助かる。
その部屋は明かりがついててすぐに分かった。
この世界の明かりは魔石がエネルギー元になってる。
切れたら魔石は交換出来る。
『……その部屋の真ん中の窓のそばで外を見ながらお酒を飲んでる』
『狙撃にはぴったりのシチュエーションだな』
『……しちゅえーしょん?』
『あぁなんでもない』
この世界にシチュエーションって言葉はないのか。
こういう所を気をつけないとボロが出そうだな。
息を吐き呼吸を抑える。
周りの音がいやに静かに聞こえる。
そして引き金を引く。
耳元で強烈な爆発音。
周辺に風の壁を張ったので音は外には漏れない。
魔力爆発を起こそうとするなら方法は簡単だ。
高密度の魔力の制御を手放すだけ。
行き場を失った魔力は爆発する。
弾丸は真っ直ぐに森熊亭に向かっていく。
あとはシルフィードが何とかしてくれるだろ。
♢♢♢♢♢
俺がこの世界に来たのは転生物にありがちなトラックに轢かれた事が原因だった。
気づけば女神様の前にいた。
頼み事をされたが異世界に行けるという興奮であまり頭に入らなかった。
転生特典はなんか無双出来るやつって言ったらくれた。
かなりのチートスキルだったのでかなり満足している。
そしていざ生まれてみれば父親は傭兵団の幹部。
俺はその次男だった。
色々と黒い部分はあったが全く気にならなかった。
これから楽しい異世界ライフが始まるんだとわくわくした。
そして飽きた。
俺は成人してから親父の下でずっと働いてきた。
ユニークスキルがあったから兄貴よりも期待されてた。
兄貴は俺を妬んで殺そうとしてきたが返り討ちにした。
特に良心は痛まなかったし親父も特に何も言わなかった。
なんでも、『殺されたこいつが悪い』との事らしい。
まぁとにかく、俺は傭兵団の中でもかなりの地位を築いていた。
だから金も女も酒も望めば簡単に手に入った。
欲しいと言った次の日には必ず手に入る。
そんなの誰でも飽きるに決まってる。
だから親父の許可を得て冒険者をやった。
ユニークスキルのお陰でたちまち有名になった。
レベルは今は80くらいだったと思う。
俺はこの世界で最強なのだ。
転生者とも戦ったが余裕で勝てた。
そしてまた飽きた。
敵がいなくなったのだ。
竜とも戦ったがただの雑魚だった。
もう俺には敵うやつはいないんだと思うととても虚しくなった。
だから今度は部下に犯罪をやらせてみた。
部下も面白そうにやってくれた。
しかし今日は初めて失敗した。
お陰でそれなりの金を払う事になったがまぁ俺の経歴に傷がつくよりもいいだろう。
あいつは冒険者としての俺のパーティーメンバーだからな。
そう言えばさっき啖呵切ってきたあの金髪のガキ。
かなり顔は良かったが生意気だったな。
まぁ顔は俺好みのだったしさらってしばらくすれば従順になるだろう。
そんなことを考えていた転生者、タケルの二度目の人生は唐突に終わった。
窓が割れると同時に頭に強い衝撃が走った。
そして後ろに2メートルほど吹き飛び遅れて血が噴水のように吹き出した。
え? なんだこれ? ち? でもおれはむてき……ありえな
次の瞬間に闇属性の魔力が部屋に入り込んでくるのを感じたがそれを認識する事はなかった。
しかし次の瞬間とてつもない恐怖が押し寄せるようにやってきた。
あぁ! くるな! おれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてきおれはむてき
数々の人を貶めた男の意識はは恐怖の中に永遠に沈んだ。
♢♢♢♢♢
『……着弾を確認』
『了解』
なんかこのやり取りそれっぽいな。
リョーマは緊張感もなくそんな事を考えていた。
余談ですがタケルのスキルは加速です。
とんでもないスピードで突っ込んで斬るだけですが勢いでけっこう威力が出ますw
あと竜はまだ子供です。




