銀の腕
本日二話目〜
あと最近恋愛ものを描きたいとか思ってる今日このごろ
まず原因が何か探る必要がある。
アルベイン.....あぁ俺が住んでる街の名前ね。
そのアルベインにも妖精達が結界を張っていてくれたため『グングニル】による被害は無かった。
とはいえ街の周辺は草木一つ生えない焦土と化したのだが.....
まぁとにかく街には少しも被害がなかったのはよかったと言える。
まぁ原因の第一候補であるガディアスは街にいるので少し業腹だがそれは仕方が無いだろう。
まさかガディアスを何とかするために街そのものを巻き込む訳にはいかない。
しかしガディアスは誰かを使って前回の騒ぎを起こしていた。
だから今回もそうである可能性は高い。
もしかしたら聖典黒書もいるかもしれない。
もしいたら今度は絶対逃がさない。
今度は絶対捕まえてやる。
しかし今の魔法のせいで身体はもう動かない。
魔力切れ。
だがこれの解決方法は知っている。
「イグニス、オルヴィアナ、シルフィード、ノール、すまんけど魔力を分けてくれ」
「いいよー」
「分けるー」
「あげるよー」
「たくさんあげるー」
妖精達との間に結ばれた繋がりから大量の魔力が送られてくる。
魔法使いの悩みである魔力切れも俺にはあまり関係ない。
「ありがとう、これだけあれば十分だよ」
空になっていた魔力は一瞬で満ちていた。
妖精達も一度やった事があるからか許容量以上の魔力が送られてくることは無かった。
そこでふと疑問に思った事がある。
ステータスだ。
まだ少し残っているとはいえ1000体近い数の魔物を殺したのだ。
一体どれほどのステータスになっているのかとても気になる。
そうと決まれば早速。
「”ステータス”」
《ステータス》
【名前】リョーマ 【性別】男 【年齢】5歳 【種族】人間
【レベル】67
【体力】583/583
【魔力】53899/53899
【魔法】無属性魔法Lv5
火属性魔法Lv5
水属性魔法Lv4
風属性魔法Lv3
土属性魔法Lv3
闇属性魔法Lv5
妖精魔法(火)
妖精魔法(水)
妖精魔法(風)
妖精魔法(土)
妖精魔法(闇)
【スキル】魔力制御Lv10 魔力感知Lv10 魔力隠蔽Lv5 魔力操作Lv10 身体強化Lv4
【ユニークスキル】超会話
【称号】唯一神のお気に入り 英雄 妖精達のお気に入り 妖精達の契約者
レベル上がりすぎだろ!?
何だこのレベル!?
倍になったとかそんなレベルじゃないし!
魔力量もどんだけ上がってんだよ!
というかスキルに身体強化とかいうのが追加されてるじゃん。
身体強化って多分さっき使ってた屋根とかに飛び乗るのに使ってた魔法だろ?
中々便利だから結構使ってたけどそんな名前があったのな。
後魔力系のスキルは魔力隠蔽以外は全部Lv10になってるなぁ。
さっきから魔力感知の範囲が広くなった気はしてたけど気のせいじゃなかったのか。
最後に称号。
英雄の卵が英雄になってるよ.....
はぁ〜もうやだ.....
.........まぁいいか。
俺が損してるわけじゃないし。
それどころかいいことだしな。
いつまでも落ち込んでるわけにもいかない。
じゃあ原因探し始めますか!
♢♢♢♢♢
「くそっ! なんなんだよ! 楽な仕事だって聞いてたのによ!」
男は森の中を全力で走っていた。
信じられないことだが用意した魔物のほとんどが殺された事に呆然としていたところ気がついたら一緒に仕事を仕事をしていた仲間たちは既に男を置いて逃げ出していた。
それに気がついた男も現在逃走の最中という事だ。
「はぁ.....はぁ.....なんで俺がこんな目にぃぃぃぃぃぃ!」
「うるさいぞ」
「な」
背後から聞こえた声に慌てて振り返るとそこには今回の仕事仲間から言い渡された要注意人物の中に入っていた銀髪金眼の子供だった。
それを見てほっとすると同時に男は抑えきれない苛立ちを覚えた。
なぜ自分がこんなに無様に逃げ回らなければならないのか。
一言で言えばそれはただの八つ当たりだった。
男は凶悪な笑いを浮かべて隠し持っていたダガーを投げつけた。
しかし結果は子供の目の前でピタリとまるでクモの巣にかかったかのように静止した。
「は?」
思いもしなかった結果に思わず間抜けな声が漏れる。
「.....で?」
「っ! クソガキがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
怒り狂いダガーを投げつけるが何度やっても結果は同じだった。
投げつけたダガーは15本。
それが全てピタリと空中に縫い付けられていた。
「.....で?」
さっきと全く同じセリフ。
男にとってはこれ以上ない挑発だった。
「舐めやがって! 絶対殺してやる!」
「口の前に手を動かせ」
男の額にはくっきりと青筋が浮かんでいた。
「ガキが! 俺を舐めやがって! だが残念だったな、お前はもう終わりだよ」
「そうか」
「余裕ぶっこいてんじゃねぇよガキ! お前はこれから死ぬんだよ!」
そう言って男が取り出したのは銀色に輝く義手。
その義手から膨大な魔力が溢れ出す。
「これは1000年以上前に天才的な人形師に作られた人形の左腕だ! 今でもこいつにはとんでもない魔力が込められてるのさ!」
「へぇ、ただの人形の一部に魔力が宿るとは思えないな、魔道具か?」
「さぁな! そんな事はどうでもいい! これがあればお前を殺せる!」
♢♢♢♢♢
あいつはあれが何か分かってないみたいだな。
使い方を分かってたら俺もちょっと真面目にやらなきゃならなかったかもしれない。
その証拠に妖精達があの男があの腕について詳しくは知らないと言うまで警戒してたしな。
俺にはあの腕からはエリクシール様と似た気配を感じる。
でもそれはおかしい。
この世界の神は唯一神であるエリクシール様だけであるはずなのだ。
しかしあの腕からはエリクシール様に比べるとかなり微弱だとは言えそれなりの神性を漂わせていた。
とにかくあの腕について調べる必要がありそうだな。
「なぁお前、その腕くれよ」
「はぁ? 何言ってんだ! 俺は今からこいつでお前をぶち殺すんだ! 渡すわけねぇだろうが!」
「ついでにお前以外にこの森にいるお仲間はいるか? いるならぜひ教えてくれ」
「死ねぇぇぇぇぇぇ!」
溢れ出る魔力で強化された身体能力で投げられたダガーは俺が身体を少し右にずらす事で後ろにあった木に突き刺さった。
しかしダガーはそこで止まらずその木を貫通し更に後ろの木も貫通した。
「ハハ、ハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! すげぇ! こんな力は初めてだぜ!」
身体強化か。
ふーん。
でも避けられないわけじゃないな。
「どうだ! 命乞いでもしてみるか? まぁ絶対に殺すけどなぁ!」
そう言って次々にダガーを投げてくるが一本も当たらない。
ちょっと身体をずらすだけで簡単に避けられる。
こんなのはただ力任せにダガーを投げてくるだけだ。
余裕で避けられる。
「くそっなんで当たらねぇんだよ!」
もうそろそろいいかな。
しばらく待っても誰かが助けに来る気配はないし。
仲間がいたとしたら見捨てられたのだろうか。
「”水の槍よ!敵を貫け!”『ウォーターランス』」
現れたのは10メートル程の大きさの水の槍。
普通であれば2メートル程度の大きさしかない水の槍は妖精の魔力を込めることによってとてつもない大きさになっていた。
「.....なんだその魔法は.....それが『ウォーターランス』だと.....?」
男は規格外の大きさの『ウォーターランス』を見上げて呆然としていた。
そして同時に後悔した。
目の前に居るのは決して手を出してはいけない子供の皮を被った怪物なのだと。
次の瞬間男の意識は永遠の闇へと落ちた。
人を殺したという事実を実感したが特に何も思わなかった。
もっと色々あると思っていたんだけどな....
「さてと.....腕を回収しますか」
『ウォーターランス』が男と一緒に直撃したにもかかわらずその銀の左腕は傷一つなく、何も変わらずに光り続けていた。
そして手に取った瞬間。
中に詰まっている膨大な魔力に驚かされた。
男がこの腕から引き出した魔力はかなりのものだった。
しかしこの義手にはさっき男が引き出した魔力など比べ物にならないくらいの圧倒的な魔力が込められていたのだ。
さらには込められた魔力と一緒に
やはりエリクシール様に良く似た気配を感じる。
しかもこの腕にはそれなりの神性が宿っている。
間違いないだろう。
これは超越魔道具だ。
超越魔道具とは人類の力だけでは絶対に作る事の出来ない魔道具の事を指す。
神性を持ち、さらにはこのとてつもない魔力量から考えてエリクシール様がこの腕に関わっているのは明白。
色々とエリクシール様に聞きたい事ができたな.....
しかし妙だ。
さっきの男はこの腕をどこで手に入れたのだろうか?
そしてあの魔物の群れはさっきの男一人だけでは用意するのは絶対に不可能だ。
必ず共犯者が居るはず。
しかしさっきの戦闘であれだけ魔力を撒き散らしたにも関わらず、誰一人男を助けに来ることは無かった。
こんなアーティファクトがあるなら普通は何がなんでも回収に来るはず。
.....もしかして他の奴らはこの腕がある事を知らなかった?
それなら考えられる。
とするとこいつらはそれほど中が言い訳じゃない。
おそらくお互いに同じ雇い主だっただけで関係はほとんど無い。
「面倒だなぁ…...」
この腕がなんの腕か分かる人が居そう




