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神の槍

もしかしたら今日中にもう1話いけるかも?

なんとかしなければと言ったがそう簡単になんとかなる訳では無い。

俺はこの状況で目立つ訳にはいかない。

子供は全員街の中にいなければならないのだ。

しかし俺は今外にいる。

はっきり言えばどうやって街の外に出たのか間違いなく聞かれる。

そうなれば俺の平穏は確実に崩れる。

それは絶対に避けなければ。

だからこの状況を解決するには俺がやったとバレずにこの魔物達を殲滅してこんな事になった原因を潰す。

原因を潰すのはこの場にいる冒険者達でも出来るかもしれない。

でも俺は俺の住む街をここまで荒らされて我慢できるほど我慢強い訳じゃない。

絶対に原因は潰す。これは決定事項だ。


そのためにはまずこの魔物の群れを他の冒険者達にバレずに何とかする。

それが可能なのは広範囲を遠距離から殺せるできる広範囲殲滅魔法。

妖精魔法なら可能。

でも俺は魔法は初級までしか使えない。

しかし妖精魔法に位階は存在しない。

妖精魔法に必要なのは妖精との契約と並外れた魔力操作。

これさえあれば妖精魔法は発動できる。

だから俺ならこの魔物の群れを簡単に殲滅出来るだろう。

問題は広範囲殲滅魔法を発動するには俺の持つ魔力のほとんどを消費しなければならないことだろう。

さらには遠距離から放つため狙いが正確ではないこと。

適当に魔法を放ったら冒険者を巻き込んでしまう。

そして俺の魔力を使わずに妖精の魔力だけを使って魔法を発動しなければならない事だろう。

理由は魔力感知が高い冒険者がいたら魔法を構成する魔力を知ることが出来るらしいからだ。

だからこの魔法に俺の魔力を使う訳にはいかない。

しかし妖精の魔力は人間の魔力とは質が圧倒的に違う。

しかも広範囲殲滅魔法に必要なレベルの魔力量だ。

正直魔力を全部受け取る前に(たくわ)られる気がしない。

でもまぁやるしかないかな。


そんな事を考えながら冒険者達に見つからないように大回りで近くの森の中に隠れるとそこに血塗れの人間の頭ほどの大きさの真紅の宝石がはめ込まれた杖が落ちていた。


「何これ?」


「火晶石だよー」


イグニスが嬉しそうに答える。


「火晶石? 魔法の触媒か何かか?」


「そうだよー」


杖にはめられている時点で触媒であることは予想ができていたが当たりだったらしい。


「火晶石はねー火属性魔法を効率よく発動するための触媒なんだよー」


とても嬉しそうなイグニスの説明を聞くとどうやら火晶石は火属性の魔力を発動する際の魔力量を節約できるらしい。

なんでも火晶石は火属性の魔力が結晶化したものらしい。

だから火晶石にはかなり高純度の火属性の魔力が備蓄されているらしい。

天然の魔力備蓄装置。

それが火晶石だそうだ。


なるほど。つまりこれを使えば火属性の広範囲殲滅魔法をなんとか発動出来るんじゃないか?

俺にはこの状況が天啓のように思えた。

これからは唯一神様にもっと感謝するとしよう。


「イグニス! 今回はお前の力を使おうと思う!」


「やったー!」

「えー」

「いいなぁー」

「むぅー」


他の妖精達から不満が漏れるが今回は我慢して欲しい。

しかしなるほど魔法の発動を補助してくれる魔法触媒か……欲しいな。

今度機会があったら探してみよう。


「お前らはまた機会があったらな! 今回はイグニスだ。準備しろ」


「はーい」

「いいなー」

「今度は私がいいー」

「私もー」


戦闘音が聞こえなくなるくらい離れてから魔法の発動準備に入る。

杖にはめ込まれた火晶石から魔力を引き出す。

予想通りかなり多い魔力が流れ込んでくる。

さらに横からイグニスの魔力が遠慮なく流れてくる。

2、3秒で魔法に必要な魔力が溜まった。


「オルヴィアナ、シルフィード、ノール、魔物を1箇所に集めてくれ。一緒に冒険者達をその場所から遠ざけてくれ。くれぐれも冒険者達に危害を加えないようにな」


「分かったー」

「がんばるー」

「おわったらほめてー」


「はいはい、さっさと行ってこい」


後は妖精達待ちだな。

なるべく早く帰って来ることを願おう。


「ねぇまだー?」


「ちょっとは待てよイグニス、冒険者達を巻き込む訳にもいかないだろ?」


「むぅーはやく撃ちたいー!」


「我慢しろって……全く……」


少しくらい待てないもんかねぇ。

まぁ俺もこの魔力を保つのは結構きついから早めに帰ってきて欲しいが。

気長に待つかな。


「おわったよー」

「つかれたー」

「ほめてほめてー!」


はっや!

まだ1分も経ってないぞ!?

ほんとに大丈夫なんだろうな……


「お疲れさん、じゃあこれから魔法を上に打ち上げるから着弾点の調整はイグニスに任せるぞ」


術者が妖精から魔力を受け取り発動する妖精魔法はかなり威力が高い。

しかし妖精から魔力受け取って無事でいられる人間はそんなに居ない。

多分俺が初じゃないか?

まぁとにかく魔法の発動にエネルギーを割く分魔法のコントロールの方が乱れる。

だからそこは妖精に丸投げする。

上の方に撃てば上昇と落下の時間があるから妖精がコントロールを間違えることは無いだろう。


じゃあ始めるか!


「”終わりを詠う破滅の銀炎(ぎんえん)! それは生存を許さない! ()け! ()け! ()け! 地を焼き天を焦がせ! 死を叫ぶ絶望の銀槍(ぎんそう)よ”! 『グングニル』!」


ドンッと空気が震える音と共に杖の先から終焉が宙に昇る。


それは一瞬で見えなくなった。

周りに居た妖精も姿が見えなくなっていた。

魔法をコントロールするために魔法について行ったのだろう。


そして魔物にとっての絶望が降る。


それは空を銀の輝きで埋めつくし巨大な太陽のようにも見えた。

太陽の横に並ぶ銀の太陽。

まるで神話を見ているようだった。

神の奇跡だと言っても信じる人は必ずいるだろう。


しかしその実態は槍。

天を駆け昇りそして落ちてくる銀の槍。


それが魔物の集団に落ちた。


次の瞬間まず魔物が死んだ。

次に音が死んだ。

次に空間が死んだ。


森が蒸発し大地が蒸発する。

ちらりと冒険者達を魔力感知で確認すると『グングニル』による被害者はいないようだ。

まさか助けるための魔法で死者が出るなんて笑えない事態にならなくて良かった。

どうやら妖精達は魔物から冒険者達を離したあと結界で冒険者達を閉じ込めたらしい。


()()()()の主神オーディンが持つ槍の名前を冠する魔法『グングニル』。

なぜ地球の神話の名前を持つ名前なのかと言えば俺が簡単な話だ。

()()()()()()()()()()()

この世界には地球にあるものの名前が付けられた物は結構多い。

おそらく転生者が名前を付けたのだろう。

しかし龍脈が枯れる前に付けられた名前も多い。

つまりそれ以前から異世界人は居たということだろう。

この辺は神様に聞く必要があるな。

まぁとにかく、俺もそれにあやかって魔法に名前を付けてみた。

この魔法の原理は単純。

妖精の魔力を槍の形にする事で貫通力を得る。

さらにその槍の中で妖精の魔力同士をぶつけ合って反響、増幅させる。

そしてその魔力を着弾と同時に爆発させる。

ただそれだけ。

しかしそれを妖精の魔力で行えばたちまち大災害になる。


この魔法を思いついたのはまだ妖精と契約して無かった頃の修行中。

妖精から教わった『ファイアランス』という魔法を習得して思いついた。

ランス系の魔法は属性を水にすれば『ウォーターランス』になる。

ランス系の魔法は本来魔力の増幅なんて出来ない。

しかし『グングニル』は普通のランス系の魔法とは少し違う。

ランス系は魔力そのもので槍の形を作り貫通力を得る。

しかし俺は魔力障壁を槍の形に固定してその中に魔力を詰め込んだ。

ランス系の魔法は魔力が槍の形で固定されているから魔力が動かない。

でも俺が固定しているのは魔力障壁。

魔力はその中に詰め込んだだけ。

その結果魔力同士で反響し合い魔力が増幅された。


俺が最初に作りそして1番最初に使ったオリジナル魔法。

その威力は地球の兵器を彷彿(ほうふつ)させた。


しかしその反動も大きく身体からほとんどの魔力が無くなっていた。

さらに持っていた杖は魔法の起点にしていたため魔力に耐えきれず木っ端微塵になっていた。


自分で言うのもなんだけどとんでもない魔法を作ったな……

この魔法はいざという時だけに使うことにしよう。


じゃあ次は原因の方か。

『グングニル』に巻き込まれて死んでなきゃいいけどねぇ……











槍にはグングニルかゲイボルグと名ずけるのは基本w

書いてて超楽しかった!

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