会合
今回は閑話なので短めですー
「くそ! あのガキが! 俺を舐めやがって!」
リベローは裏路地で1人で喚き散らしていた。
「何故平民にあんな扱いをされなければならんのだ! 私はジェイルズ男爵家の息子だぞ!?」
リベローは平民を自分達、貴族のために働く便利な道具だと思っていた。
事実父や兄はそう言っていたのだ。
そしてその通りに平民は逆らうことは無かった。
それが今日否定された。
リベローにとっては信じられない事である。
リベローはジェイルズ男爵家の次男として産まれた。
リベローが産まれた当時、ジェイルズ男爵家は上級貴族に多額の借金を背負っていた。
貴族でありながら生まれながらに苦労していたリベローは色々と人生に見切りをつけてしまう。
しかし自分は次男だからそこまで苦労しなくていいだろうとどこか楽観していた。
残念ながらそう上手くは行かなかった。
リベローが20歳の時、父親は突然死んだ。
医者の診断では毒殺だと言う。
リベローはその時に6歳年上の兄が壮絶な笑みを浮かべていることに気づく。
それを見てリベローは兄が父を殺したのだと直感した。
その時に浮かんだ感情は感嘆と歓喜であった。
リベローはどうせこの家は終わりだとかなりの金を使い込んでいた。
それを父は口うるさく注意してくるのだ。
リベローは父の事を常々邪魔に思っていた。
その邪魔な父を殺した兄に素直に感謝すると同時にこれを使って脅せるのでは? と考えた。
今考えれば証拠も無しにどう脅すのだと過去に戻れるならばそう忠告してやるところだがもう遅い。
過ぎたことはもうやり直せない。
結果としてズタボロに言い返された挙句街の少女を誘拐して好き勝手遊んでいた証拠を突きつけられその後は兄の言いなりになっている。
しかしリベローは今の生活をむしろ心地いいと思っていた。
ジェイルズ家の当主になった兄は自身のコネでリベローを教会の神官にした。
邪魔だから追い出されたのかと当時は思っていたが全く違った。
金の力でそれなりの地位を築いた頃に兄から命令が来た。
内容は神官になったものしか教えられない神聖魔法についての情報を教えろというものだった。
神聖魔法の中には相手を強制的に自白させる魔法がある。
兄の命令はその魔法については特に詳しく教えろと書かれていた。
リベローは自分に選択肢は無いことを悟った。
その後すぐに兄の使者に神聖魔法の情報を受け渡した。
すると兄から送られてくる金が増えたではないか。
兄の命令をこなせば金が貰える。
その考えに至ったリベローは兄の命令には忠実である事を決心した。
今回のことも兄の命令だった。
銀髪金眼の子供を連れて来いという命令だった。
連れ帰るまでは絶対に帰って来るなとも言われていた。
だから帰る訳にはいかない。
なんとしてもあの生意気な平民を連れて帰る。
今やることはそれだけだ。
そんな時だった。
「ちくしょうリョーマのやつ! 生意気な!」
近くから罵声が聞こえた。
奇しくも聞こえた名前は自分の目的の人物の名前だった。
運命を感じて罵声の方向へ歩く。
するとそこには同い年くらいの子供に叫ぶ少年がいた。
事件の予感!




