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GREEN MOLES  作者: 沖見 るもい
第3章 特別な子供達
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1

 コラダ・ホワイトレイクは温厚で真面目な少年だ。

 争いはその大小にかかわらず好まないし、寄宿学校でも座学は三人の中でトップだった。

 ただ、スイッチが入ると、自分でも歯止めが効かなくなってしまう。

 第一段階はまだ余裕がある。いつものように笑顔で淡々と『警告』をする。

 それでも相手が態度を改めない場合、普段とは想像もつかないような一面が顔を出すのだ。

 寄宿学校の実習室を破壊したのは、たしかにコラダだったが、それも能力の限界を知るためのテストの一環だった。何せ、チルドレン養成のための建物である。そう簡単に壊れるようなものではなかったし、実際、通常のコラダの力では歪ませることすら出来ないはずだった。


『親に売られた、悪魔の子』


 この言葉でコラダのスイッチが入った。能力をすべて解放したコラダはダダコとフッカの制止を振り切って実験室を破壊し、その『禁断のフレーズ』を発した人間を探した。

 ――殺すために。

 結局、その言葉が吹き込まれたレコーダーを破壊したところで力を使い果たし、コラダは停止した。

 キレると手が付けられない。

 これは学校関係者のみならず、政府の人間も周知の事実である。さすがのダダコも、油断してたら危ないかも、と述懐している。


 フッカ・ブラックロックは三人の中では一番平凡と言えるかもしれない。

 黒髪に、黒い瞳、黒い縁の眼鏡を装着している。黒は彼のテーマカラーだ。フッカは緑星人でありながら、生粋の黒星人であることを誇りに思っている。混血が多い緑星において、純血はとても珍しいとされているからだ。

 また、フッカはナンバー03であることにコンプレックスを抱いている。教官達もバディ達も、特別なのは01だけで、02以降は能力の差なんてほとんどないと言う。しかし、彼は暴走したコラダを見て、ショックを受けた。


 何だよ。差なんて有りまくりじゃんか。

 あんなコラダ、勝てるわけねぇよ。

 もちろんダダコにだって……。


 フッカは自分の弱さを隠すために虚勢を張って生きている。やや乱暴な言葉づかいもその一つだ。ただ、通常モードのコラダには負けないようにと、実技は人一倍努力した。その甲斐あって、射撃の腕は三人の中で一番を取ることが出来た。それがいまの彼を支えている。

 そして、この三人の中では、俺が一番のストッパーだろうな。そう自負している。


 ダダコ・グリーンバレーは感覚(センス)だけで生きている。

 努力や、練習といった言葉が大嫌いで、寄宿学校での座学の成績は特に酷いものだった。

 実技においても、手順等が決まっている銃の分解・組み立てはからっきしである。ただ、能力を使った分野についてはどんなに難解な訓練でも持ち前のセンスで切り抜けてしまう。しかし、なぜそうしたのか、というのを理由付で説明することが出来ない。「だっていいと思ったんだもん」これだけである。

 ダダコは密かに二人を羨ましいと思っている。

 コラダはいつもにこにこしていて、誰からも好かれている。テスト前に勉強を聞きに行っても、嫌な顔せず教えてくれる。

 フッカは取っつきにくいようで、あれで案外優しいし、気が利く。自分が暴走しかけた時、いつも最後に止めてくれるのはフッカだ。コラダもたまに切れかけるので、いざという時はフッカが頼りである。

 じゃあ、自分は二人に何が出来るのだろう。何か役に立てているのだろうか。自分にあるのは01としての能力だけなのではないか。

 同性の仲間もおらず、内心はいつも孤独だった。


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