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自動操縦の小型スペースシップGREEN MOLE号は、赤星の大地に下りた。ゆっくりとタラップを下ろし、重厚なその出入口の扉が開かれる。
「すごい……。映像で見たのとおんなじ……」
我先にと船外へ飛び出したダダコは、見渡す限りの真っ赤な風景に息を呑んでいる。
葉は、その葉脈が赤いためにうっすらと赤く染まり、その中心にある花も燃えるような赤色をしている。遠くを見渡せば、真っ赤な岩山がそびえたっている。
「本当だ。本当に何もかも真っ赤っかなんだな」
ダダコの背後から顔を出したのはフッカだ。最後に二人を掻き分けるようにしてコラダが顔を出す。「僕にも見せてよ!」
『三人共、あまりはしゃぎすぎは禁物です。観光目的ではないのですから』
フルのたしなめる声がダダコの右肩から聞こえてくる。
「わかってるもん」
ダダコは拗ねたように口を尖らせる。
『わかっていればよろしい。他星で最初に行うことは何か、覚えていますか。では、コラダ』
教師然とした口調でフルが問いかける。指名されたコラダは姿勢を正し、敬礼をした。
「はい、住民に警戒されないよう、『外見』を変化させることです!」
彼はハキハキと淀みなく答え、得意気に胸を張る。右肩に乗ったハナが小声で『良くできました』と言った。
『その通り。正解です。昨今は惑星間の行き来が盛んになりましたが、それでもまだ【余所者】に対して拒絶反応を示す者達がいます。その多くは年配者ですが、そういった者達ほど、我々が欲しい情報を持っているものです。もっとも、その必要が無い惑星もありますが』
「でもさ、フル。そんなうわべだけで大丈夫なのかよ。俺らココの文化とか風習とかぜんぜん知らないぞ?」
フッカは腕を組み、首をかしげている。
『だーいじょうぶよ。むしろいまどきそんな文化や風習に精通してる若者の方が怪しいわよ』
フッカの右肩でグニウが笑う。
『グニウの言う通りです。それに、緑星と違ってこれだけの規模の惑星です。地区によって文化や風習は異なるでしょうから、違う地区から来た旅行者を装えばいいのですよ』
『基本的な礼儀さえきちんとしていれば、そうそう邪険に扱われることなんてないわよ』
コラダの右肩でハナが美しい声を響かせる。
「基本的な……」
「礼儀ねぇ……」
コラダとフッカはそう言うと、二人同時にダダコを見た。
「へぇっ? な、何よ! ちゃんと礼儀や敬語は学んだもん! 大丈夫だってば!」
ダダコは真っ赤な顔で両手を振った。目を細めて疑いの眼差しを向ける二人は、その様子を静観している。
『はいはい。おしゃべりはその辺にして。まず我々が材料調達に行ってきます。あなた達は中で待っていなさい』
ダダコは二人の反応にまだ憮然としていたが、観念したように大きく息を吐くと「わかったわよぅ」とつぶやいた。




