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三人の生まれ育った銀河系GR―200511には太陽の光が届かない。
それは一体いつからそうだったのか、詳しい文献等は残っていないようだったが、少なくとも、彼らの曾祖父母の代には既に光を届けてくれる恒星の存在はなかったのだという。
各惑星の科学者たちは、政府の命を受け、それこそ莫大な費用を湯水のように使って、競い合うように太陽に変わる日光照射装置の開発にとりかかった。そして、それに勝ったのは科学の星として名高い黒星であった。
それ以来、この銀河では黒星が開発した疑似太陽によって日の光を得ている。
疑似太陽の日光照射を受けるためには莫大な使用料を黒星に支払わなければならないが、三人の住む緑星は銀河連合の中でも最貧の惑星のため、その使用料を捻出することが出来ない。やむ無く緑星の住民は地下生活を送り、地熱発電によって擬似的に昼夜を作り出している。
しかし、銀河系GR-200511の惑星は定期的に日の光を地表に当てなくては星としての機能が弱まり、遥か遠くのブラックホールの重力にすら引き寄せられ、取り込まれてしまう。そのため、数十年に一日、数時間だけ疑似太陽の日光照射を受けることが出来る。ただし、これはあくまでも黒星の『施し』であるため、それが何年の何月何日であるかは直前まで知らされない。きちんと使用料を支払っている惑星が優先され、それが支払えない緑星はそのおこぼれに甘んじているというのが現状だ。
緑星の住民の平均寿命は男性が六十八歳、女性が七十歳で、一生のうち、一度でも日の光を直接見ることが出来た者は幸運である。しかし、ほとんどの住民が、日の光を見ることなく、煌々とした電気の光の下でその生涯を終える。
運良く疑似太陽の日光照射時間に赤子が産まれると、母親は何を差し置いてでも地上に向かい、生まれたての我が子に日の光を浴びせる。新生児が疑似太陽の光を浴びると、特別な力を得ることが出来るからだ。ダダコ、コラダ、フッカの三人も運良く疑似太陽の光を浴びることが出来た『特別な子供達』である。
ただし、チルドレンになるためには、生後一時間以内に日光照射を浴びなくてはならず、照射時間を事前に知らされていない状態では、なかなかその時間に間に合わないというのが現状である。
チルドレンは、触れているものを自在に操ることが出来る。周りの空気はもちろん、空気中に含まれている水分を集めることも可能だ。さらに、力の強い者は離れているところから物質を引っ張ってくることも出来る。また、物質を体内に取り込んでそれを利用することや、身体の表面を変化させたり、身体そのものの形を変えることも出来るが、その精度は力の強さや熟練度による。
チルドレンが他の同年代の子供達と共に生活出来るのは五歳までで、六歳になる四月からは政府管轄の寄宿学校へ強制入学する決まりとなっている。そこでは学問以外に銃の扱いや護身術としての武道、銀河共通言語などを学ぶ。
――来るべき、旅立ちの日に備えて。




