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三人が見守る中、小さな三匹はほの白く発光し、徐々にその光は大きくなる。ほんの数秒のうちに見慣れた三匹は見慣れない三人へと変化した。
「改めまして、フルフル・レッドフィールドです」
かしこまって深く頭を下げたのは、長身の男性だった。さっぱりとした短い髪は燃えるように赤く、赤星人の血が混ざっていることをうかがわせる。顔を上げた銀縁眼鏡の奥の瞳の色は緑色である。どうやら赤星人と緑星人とのハーフなのだろう。
「ハナヴィー・ブルーウッドよ」
すらりとした細身の、髪の長い女性はにこりと笑った。美しい青い髪と、青い瞳。おそらく、生粋の青星人なのだろう。
「グニウル・イエローリバーよ。改まるとなーんか気恥ずかしいわねぇ」
がっしりとした筋肉質の長身の女性は、キラキラと輝く琥珀色のショートヘアで、灰色の目を細めてニヤリと笑っている。おそらく生粋の黄星人と思われる。
「いかがでしょう。これで、我々が人間であることをご理解いただけましたか?」
フルはそう言いながら、呆気にとられている三人を順に見つめた。
「な……、ナンバーは……?」
フッカはやっとの思いで、その言葉を発した。
「ナンバーですか。私が01、グニウが02、ハナが03です」
やはり01には01があてがわれるものなのか……。02以降はバディでバランスを取る形なのだろうか。
「さて、我々のバディとしての任務ですが……」
フルは大きな手で眼鏡のフレームを包むようにして位置を直しながら話し始める。表情が変わらないのはネズミだからと思っていたが、どうやらそれは人間に戻っても同じらしい。
フルの冷静な声に、立ち上がっていたダダコはすとんと椅子に座った。
「我々の任務は主にあなた達のサポートと監視です」
「監視?」
声を上げたのはコラダである。
「そうです。我々は、政府側の人間ですから、もし万が一、あなた方が緑星政府に対して反旗を翻すようなことがあれば、我々はあなた方を始末しなければならないのです」
「始末って……そんな……」
「なぁ、単刀直入に聞くけどさ。01のフルはさ、ダダコや、暴走状態のコラダと比べると……、その……どうなんだ?」
それよりも強いのか?
「我々が日の光を浴びた場所は、緑星よりもはるかに疑似太陽に近い黒星です。それが何を意味するか、わかりますか?」
つまり、同じ01でも、ダダコとフルの間には越えられないほどの壁があるということだろう。それによく考えてみれば、ダダコでさえ、自分より小さな生き物に身体を変えることなど出来ないのだ。
第一、ダダコに勝てないのであれば『始末役』として不適当である。
「でもね、アタシ達02、03はダダコより少し劣るのよ」
「でも、上手に身体を変化させてたじゃん」
「これは訓練の賜物よ。アタシ達は地上、水中、空中での活動が出来るようにって、これはみっちりしごかれたのよねぇ」
グニウはハナと視線を合わせ、苦笑する。こうして見ると、寄宿学校の若い教官のように見える。
「もちろん、あなた方がきちんと仕事をしてくれさえすれば、我々は危害を加えることはありませんし、いくらでも協力します」
「別にあたし達、政府に盾突く気なんてないよ。でも、そんなに心配するってことは、政府ってそんなにあくどいことでもしてるわけ?」
ダダコは頬を膨らませて不満気な顔をしている。
「いえ、我々が把握している限りでは、緑星政府は政治家の汚職や不正等もごくわずかですし、発覚し次第、早期処分しているので、他の惑星政府よりはクリーンであると思います」
「だったら、なおさらじゃない。監視なんて……」
「それでも心配なのです。あなた方の年頃というのは、権力に対して訳もなく反抗してみたくなるものなのですよ」
「何よそれ」
ダダコはさらに眉間にしわを刻み、顔を背けた。
「なぁ、フル。フル達もチルドレンなんだったらさ、フル達が材料を集めりゃいいじゃん。俺らより力だって強いんだろ?」
フッカが頬杖をつきながら指摘すると、初めてフルは表情を曇らせた。俯き加減で、目を覆うように眼鏡のフレームに触れている。
「それは出来ないのよ」
なかなか答えないフルに変わって、口を開いたのはハナだった。しかし「私達は……」ハナもそう言ったきり、目を伏せて悲しそうな顔をした。
二人の様子に何やら事情があるのだろうと、言葉を探していると、グニウが一歩前へ進み出た。
「アタシ達は惑星外逃亡した先代のチルドレンの姻族だから」




