41話
政治将兵だけの軍艦というのはフィクションですw
上海を出撃した中国艦隊ではあったが、日米豪3か国艦隊は軍事衛星を用いてその行動ルートを確りと捉え、定遠機動部隊の現状の居場所を掴んでいた。
2021年5月27日、日米豪合同空母艦隊
水上戦闘部隊旗艦・巡洋艦扶桑FIC
「扶桑より各艦へ達する、対水上戦闘用意!!目標、中国海軍空母機動部隊!」
新たに合同艦隊の司令となった宮木宗司少将がそう言うと情報が僚艦に伝わり、対艦攻撃の準備が整う。
合同艦隊の容赦ない攻撃が始まると同時に中国艦隊も捨て身の覚悟で全ての対艦ミサイルを放ち対艦ミサイルの報酬が始まる。
中国艦隊は残っていたミサイル艇をすべて投入するが、日米豪3か国合同軍は夕立が友軍艦艇を護衛した際にミサイル艇が襲撃してきたと言う踏まえてそれらを先に排除できるようにAGM-65を搭載した翔鶴とエンタープライズ搭載のF/A-18とF-35が上空に待機していた。
更にはマニラから飛来したE/P-1B深山AWACSによる水面監視の効果もあり、中国軍のミサイル艇の位置は確実に捉われていた。
扶桑艦橋天蓋
「もう無駄な抵抗だとわかっているであろうに・・・・・・・」
私、扶桑がそう言うと隣にいたモンサーさんがそれに続く。
「仕方ないのよ・・・・・・彼女らは軍艦で、その乗員たちは軍人だから、政府の言う事には絶対服従なのよ・・・・・・」
「それもそうね、そして私たちも然り・・・・・・」
私がそう言うとモンサーさんも暗い表情で頷いた。
その数分後、多数のSSM-3対艦ミサイルが中国艦隊へ向けて放たれた。
対艦ミサイルや巡航ミサイルが発射された3分後には対空ミサイルが発射され、中国艦隊からの対艦ミサイルを迎え撃つのであった。
日米豪合同艦隊は中国艦隊からの対艦ミサイルを完璧と言って言い程に撃ち落したのに対して、中国艦隊もぎこちないとは言え、かなりの数を撃ち落とした。
だが、艦対空誘導弾によるスコアよりJ-15による空対空誘導弾によるスコアが大きかったなど、中国製のミサイルには問題がある事も示された。
そして空母定遠にSSM-3が命中すると同艦は一瞬で艦載機運用能力を喪失したのである。それは同時に中国海軍の空母の消滅も意味した。
だが、その一方で中国艦隊の闘志は衰えようとはしなかった。
艦隊の乗員の殆どが政治将校系の将兵であると言う事がその理由だ。
この時、海軍司令部は一般将兵を出したら降伏すると思い、忠誠心が厚い政治将校系の一般水兵や士官によって構成された乗員のみが乗る艦を派遣したのである。
だが、対艦攻撃に向かったJ/F-17とJ-15両戦闘機は日米豪合同艦隊の空母から飛来したF-18やF-35によって殆どが迎撃され、壊滅していた。
そして政治将校のボスで艦隊司令の李少将は上海の艦上である決断を下した。
最後の作戦と言う事もあり、1隻の巡洋艦と2隻の駆逐艦と2隻のフリゲートは圧倒的な数の差の中、日米豪艦隊へと突撃したのである。
しかし扶桑の放った誘導砲弾が上海の艦橋に炸裂すると上海はレーダーをはじめとした電子機器や射撃管制装置を喪失し、続いて他の僚艦も戦闘不能に陥った。
そして李少将は最後の決断を下した。
「全面降伏しかない・・・・・・悔しいが、これが残された選択だ・・・・・・」
彼はそう言うとマストに白旗を掲げ、降伏の意思を示した。
そしてアジア戦争最後の海戦が幕を閉じたのである。
扶桑艦橋天蓋
「ほう・・・・・・貴方が中国海軍の旗艦的な軍艦なのか・・・・・・話は及んでいる。私は扶桑、日本国防海軍のフラッグシップで、あなたと同じビッグ7の1隻だ・・・・・・・」
私がそう洋上降伏を選んだ上海に対してそう言うと、彼女は素っ気なく返した。
「ふーんあんたが扶桑・・・・・・そうなんだ。で、私に何か用か?」
「用と言うか、何と言いますか・・・・・・私に託されたのは貴方が大人しく豪州海軍に接収されるかどうか見届けるだけだ。抵抗すれば銃を構える事になるでしょうし、貴方も無駄な流血を増やしたくないだろうし・・・・・・」
私がそう言うと彼女はそれを理解したと言う素振りを私へ見せた。
そして彼女の横に豪州海軍の駆逐艦シドニーが横付けされるとその彼女にシドニーの立検隊が乗り込み、接収を始めた。
数分後、シドニーが上海から離れると上海には豪州海軍旗が掲げられていた。
その事が示すのは接収もとい鹵獲されたと言う事である。
そしてその時の上海さんの顔は少し明るい様な暗い表情をしていた。
私はこの後、長崎で長期点検を受ける事になるらしいが、アジア紛争も終わりを迎えそうね・・・・・・
そう私は思いつつも長崎へと舵を切ったのである。




