39話
ハノイ奪還の最中の海戦。
シーアパッチは計画機ですので。
資料は丸編集の”戦うヘリコプター”より参照しました。
でも読めば読むほど、シーアパッチってジパ〇グのMV-32J海鳥の元ネタとしか思えないんですよねぇ~
武蔵FIC
「雪風より入電!!我、格納庫に被弾なるも損傷軽微との事です!」
「ふぅ・・・・・・なら助かったな・・・・・・後は増援の|第6国防艦隊第61戦隊《鳥海と随伴艦3隻》との合流を待つだけだな・・・・・・」
通信士官の報告を聞いた艦隊指揮官である岩村真一少将はそう呟いた。
それにしてもこのあたりの制海権はこちらが握っているはずだと岩村が思い返すと、レーダースコープに高速艇と思しき反応があったのである。
(こ、高速艇・・・・・・中国海軍の紅碑型ミサイル艇か!?)
制海・制空権を喪失している状況下ではいくら速度が売りの高速艇でも一気に敵海域の突破を図る事は困難ではあるが、レーダーに反応する反射面積の小ささから考えてみたら突破出来る可能性は大型艦よりは高い。
と言うより海峡部や島影で発生するレーダーの乱反射によってレーダーに映らない可能性があり、それを狙って突破する事は可能である。
武蔵CIC
「こちらCIC・・・・・・指示をどうぞ」
艦長である山本総一郎大佐は岩村少将に指示を仰ぐ。どうでも良いが、この2人、実は国防大学時代の先輩と後輩で、25年近く仲が良いのである。
『FICよりCIC、AH-64Dを上げてくれないか?』
「し、司令・・・・・・あ、アパッチを上げてくれですと!?」
山本艦長はそう聞くと電話先の岩村は頷き、山本は航空課へ艦内電話をつなぐ。
因みにAH-64EJは米国製傑作攻撃ヘリであるAH-64Eを日本国防軍向けに製造したもである。
EJ型はAGM-65と言う射程20㎞のASMを搭載可能としており、今回はこのAGM-65によってミサイル艇を撃破したいが、AH-64EJは艦隊全体で武蔵のみが搭載しており、全体で2機しかないので地上目標や舟艇に対する攻撃が得意のヘルファイア型ミサイルへ変更し、ミサイルの数を増やしている。
それに、AH-64級の攻撃ヘリは高価であり、陸軍と違い、ヘリに予算をかけにくいので海軍は国防省装備課に対して汎用巡洋艦や沿海域駆逐艦にも搭載可能な米海兵隊の揚陸艦で運用されているAH-1Zを購入せよと意見陳述書と国防装備購入委員会で飯田総一郎大将が述べている。
それはともかく、AH-64EJを乗せた着艦拘束具はレールによって格納庫から飛行甲板へと出されると別途、艦内に搭載されていた4枚のローターを装備する。
そして装備が終わると甲板作業員たちは格納庫へと退避する。
理由は簡単だ。強力なローターフォッシュを浴びれば海に落ちる可能性がある事や発艦中に事故が発生し、飛行甲板へとヘリが落ちる可能性があるからだ。
閑話休題、AH-64EJは強力なエンジン音と共に一気に上昇し、暫く上昇すると武蔵の左舷方向へと向かい飛行する。そしてもう1機のAH-64EJも武蔵から飛び立ち、さっき発艦した機と合流し、ロッテ小隊を組んだのである。
もっとも武蔵の搭載機は4機であり、これは2017年に退役したCHである鞍馬を1機凌駕しており、武蔵型は様々な任務に対応出来ると言う証左でもある。
武蔵を飛び立ったAH-64はその後、P-3Cの援護を受けつつミサイル艇の位置を確認するとヘルファイアによって7艘のミサイル艇の内、4艘を轟沈させる事に成功したが、残った3隻は相変わらず勇猛果敢に突進を続けていた。
武蔵艦橋天蓋
「見上げた敢闘精神ね・・・・・・でもね、勝つのはこっちだからな!」
私がそう叫ぶと腰のホルスターから拳銃を抜き、弾を込める様とする。
一方では艦橋にいた艦橋内射撃指揮員が光学機器やレーダーの情報をもとに主砲射撃用のトリガーを持って射撃命令を待つ。
私が拳銃の弾倉に弾丸を込め終えたのと同時に艦橋でも射撃準備が終わる。
そして私が拳銃を目標に向けて構えると主砲も目標がいる方角へと指向される。
「撃てぇえー!!」
私がそう叫びトリガーを引くと艦橋射撃指揮員もトリガーを引く。
そして拳銃が火を噴くのと同時に主砲も火を噴くが、主砲は3回ほど火を噴いた。
ドォーン!!という爆発音がすると1つの煙と水柱が見えたが、戦果はまだ不明であり、私は目を細めて水柱と煙を睨む。
暫くしてレーダーにミサイル艇1艘が破壊された事が表示されたらしく、艦内から歓声が上がる。そして私もガッツポーズをするとまた拳銃に弾を込める。
と、その時だった。残っていた2艘のミサイル艇が突如、炎上し蛇行し始めた。
「・・・・・・な、何が起きた!?」
私がそう言うと鳥海さんの明るい声が聞こえてきたのである。
「遅くなってごめんなさい、武蔵さん!!」
彼女がそう言うと彼女が引き連れてきた村雨型巡洋艦の五月雨と高波、同初霜型の不知火の姿があり、彼女が先頭を航行していた。
「これでミサイル艇は全て処理したか・・・・・・助かったよ、鳥海」
私がそう言うと彼女が笑みを浮かべ、”どう致しまして”と言う。
暫くするとハノイの奪還が成功し、ラオスへと戦線が移っていると報告が入る。
とは言ってもラオスは内陸国、つまりは陸軍の仕事になると踏み、私たちはタイへの物資集積を援護すべくタイランド湾哨戒作戦に任務を変える事となった。
それにしても諦めの悪い国だ。中国という国は・・・・・・と思いつつも私は空を見つめていた。
※1 シーアパッチとは?
1980年代の米国であったアパッチの艦載版の事で、ハープーン対艦ミサイルやサイドワインダー空対空ミサイルといったミサイルを搭載し、駆逐艦へ搭載して本格的な水上戦闘や簡易的な対空防衛を担わす計画だった。
ただし英国では実現している。さすがである。
(梅おにぎり先生には感謝感謝の大感謝です)




