38話
艦魂は終りのほうに出てきます。
次回は空戦と艦隊防空+艦砲射撃でいきます。
被弾をもろともしない奇跡の駆逐艦雪風のシーンもあります。
2021年5月25日
ハノイ上空において日豪+露越の4か国戦闘機部隊と中国空軍戦闘機部隊の間で行われた大規模空戦で、中国軍は4か国軍の戦闘機の前に壊滅的打撃を蒙った。
そして遂に中国軍は大陸本土の部隊をハノイ防衛のために投入したのである。
一方、陸上では中国軍は激しい抵抗を続けていた。
ハイフォン市街地
「ロシア軍侵攻部隊を発見しました!!」
99式戦車の乗員がそう言うと車長である俺、汀錦はすぐに攻撃命令を下す。
攻撃命令が下ると99式戦車の125㎜滑空砲がロシア陸軍の戦車に向けて火を噴く。
その数秒後、ロシア軍のT-90に125㎜砲弾が炸裂すると同車の装甲を対戦車徹甲弾が貫通し、車内でその破壊力を解放すると車長以下4名の乗員を一瞬にして肉塊へと、車体を燃え盛る鉄塊へと変えたのである。
「やりました中佐!!」
砲手の上等兵がそう言うと車長である俺がすぐに”あぁ”と頷く。
そして戦車を撃破するとそれに続いて装甲車を砲撃や同軸機銃で攻撃する事によって歩兵の死傷者が増え、露越軍の侵攻を阻害する。
とは言え、上空にはロシア軍のKa-50とベトナム軍のMi-24が跳梁跋扈し、物陰に隠れていなかった我が軍の戦車や歩兵の多くがそれらの攻撃によって犠牲になっている。
俺はすぐに携帯式地対空ミサイルを持った対空歩兵にロシア軍の攻撃ヘリを発見次第撃墜する様に要請したのである。
対空歩兵は俺の要請を聞くすぐさま携帯式地対空ミサイルを上空を飛行中の露越両軍の攻撃ヘリに向けて放つ。
するとロシア軍とベトナム軍の攻撃ヘリは回避機動に移り、旋回する。
そして俺も愛車の機銃のスイッチを手動から自動モードへと切り替えるとカメラとデータリンクの情報を参考にハッチ上部の機銃の仰角を上げる。
そして俺は地対空ミサイルに撃墜された敵ヘリの画像を見るとすぐに場所を変えるように運転手に命じると運転手はすぐにハンドルを握り、違う場所へと逃げる。
その時だった。超低空から接近していたロシアのヘリがこちらのほうへ降下している事がわかり、すぐに俺は移動をやめるように命じる。
だが、すでに時遅し、俺が命令した次の瞬間、そのロシア軍対戦車ヘリの機首に装備されていた30㎜ガトリング砲が火を噴いたのである。
俺は即座にハッチの横に装備されていたリモート式の機銃の射撃スイッチを押し、即座にヘルメットをかぶり、防弾椅子の背面へと伏せる。
遠隔操作式の機銃の銃弾はロシア軍のヘリに命中しても所詮は12.7㎜程度なので大きな損傷にはならないが、こちらに命中したのは30㎜、しかも優秀な性能を持つロシア製の対戦車徹甲弾・・・・・・いくら頑丈な装甲を施した車体とは言え、そんな銃弾を何度も何度も撃ち込まれれば貫通されてしまう。
30㎜銃弾が装甲を貫通すると車体前部に座っていた運転手の体内を貫通し、彼は床に倒れこんだのである。そして次の瞬間、俺はある事に気付いた。
運転用席の周辺機器が全て損傷していると言う事に気付き、俺はすぐに彼を背負いつつ99式戦車を破棄しようと部下に言う。
部下もそれに賛同するとハッチを持っていた機関拳銃で撃ち破ると俺は外に出る。
そして装填手の3等軍曹が砲塔に登り、重機関銃を取り外そうとする。
嫌な予感がした俺は咄嗟に”危ない!!”と叫ぶと彼のいる砲塔部分にロシア軍攻撃ヘリは機銃掃射を加えたが、奇跡的に機関銃と彼は無傷であった。
そして彼は重機関銃を持ったまま仁王立ちをしてヘリに機銃を向ける。
それから数秒後、彼は”うぉおおー!”と叫びながら機銃をヘリに向けて放つ。
彼が放った機銃の銃弾が命中したヘリの窓ガラスに穴が開くとガラスが血漿で赤くなり、そのヘリはただただ飛んでいるのに俺は気付いた。
俺はすぐに我に返るとその装填手の頬を叩く。理由は彼が馬鹿な事をしたからだ。
部下が戦死すれば上官の責任だ。とその責任を俺が背負いたくないからだ。
彼は俺が叩いた理由に気付くと俺に謝罪をした。
戦車兵は一蓮托生だ。俺は重傷を負った運転手を背負い、司令部地区の地下壕へ運び込むと治療する様に軍医長殿に要請し、彼の手術が始まる。
幸い、腹部貫通銃創程度で済んだとは言え、数㎜ずれていた場合、彼の臓器を傷付け内臓破裂で死亡していただろうと言われた。
そして俺はすぐに替えの戦車に乗り込むと再び戦場へと向かった。
2人の部下と新しい運転手と共に露越両軍戦車と交戦し、4両の戦車と7両の装甲車を撃破し運命の5月27日、俺はハイフォン市最後の戦闘に参加するのである。
5月27日、ハイフォン市
日本国防空軍のF-2と豪州空軍のF-18及び露越両軍のSu-30の護衛の元、日豪のC-2及びC-130戦術輸送機が4か国合同ハノイ奪還空挺部隊の降下準備を始めていた。
『こちら日本国防空軍、AWACSスノー・クラウド、これよりJARVHFC(※)によるハノイへの降下を開始する!』
我が国のAWACSのオペレーターがそう言うとロシア空軍のAWACSのオペレーターもそれに続く様に発言する。
『海南島方面から多数の中国軍機が接近中、4か国合同の戦闘機隊は即座に応戦準備をされたし!』
A-50のオペレーターがそう言うと戦闘機隊はすぐに準備に入る。
因みに南部方面を監視するのが日本のAWACSであるE-767で、北西方面を監視するのがロシアのAWACSであるA-50の仕事である。無論どちらとも中国軍機に備えて3機小隊のステルス戦闘機であるF-35もしくはSu-50が護衛がついている。
そんな事はどうでもいいとして、俺、杉野直也と親友でもう1つの中隊を率いる周義男大尉は愛機F-2のコックピットで日露のAWACSからの通信に耳を傾けていた。
まぁ、システム上E-767とA-50からの情報は前者は日豪軍機とミサイルのみが表示と管制出来、後者からの情報やミサイルは露越軍機のみが表示と管制が出来るが、無線を繋ぐと言う事自体には問題は無い。
そして俺がE-767が解析した情報を表示したレーダースコープを注視すると敵機と思しき航空機反応が映っている事に気付く。
「どうやら団体さんが御出ましの様だな・・・・・・」
俺がそう言うとイワノフスキー中佐が片言の日本語で俺にある事を話す。
「そのようですね、デーモン1・・・・・・覚悟出来てますか、貴方は?」
出来ていない訳がない、いや覚悟無き者は戦闘機乗りにはなれるはずがない。俺はそう思っている。と言うよりそれが当然だと思っている。
彼の通信を聞くと俺はすぐに副隊長として応戦するようにイワノフスキー中佐に進言すると彼はそれに賛同し、日豪と露越合同軍の各機から”了解”と入る。
そしてイワノフスキーが”Launch!”と叫ぶと俺が”フォックス1”と叫ぶと暫く間をおいて各機からミサイルを発射した事を示す発射を示すコード《Launch!》が通信で入る。
合計36発の自律レーダー誘導《Horming》形式の空対空誘導弾が一斉に中国軍機がいる方角へと向かう。
まるで俺が子供の頃から好きだった宇宙人の巨大宇宙船を迎え撃つ某映画のクライマックス近くの1シーンみたいだなと思いつつもレーダーを睨む。
そして洋上でも作戦が開始されたのである。
日本国防海軍巡洋艦武蔵CIC
「4か国共同航空部隊が攻撃を開始、大陸本土からの増援を抑えています!」
ある電測員が武蔵の艦長である山本聡一郎大佐に報告する。
「そうか・・・・・・もうすぐ奪還作戦の山場だから油断するなよ」
艦長がそう言うと艦長は再びスクリーンを眺めて戦況を観察する。
武蔵艦橋天蓋
「空と海が青くていい景色ねぇ~平和な時なら絵でも描きたいな~」
私、武蔵がそう言うと隣にいた冬月さんも頷き、それに同意する。
「と言っても中国軍は簡単に終わらせてくれないでしょうね・・・・・・・」
「私だってそう踏んでいるし、噂だと中国軍残存部隊は死に物狂いで抵抗しているらしいからそう簡単に終わるとは思っていないわ」
私がそう言うとレーダーに何か。
「お前ら、水平線上から敵ミサイルが来ているぞ!!」
私がそう言うと冬月ちゃんと初霜ちゃんと雪風ちゃんがすぐに臨戦態勢に入る。
「えぇ、確かに反応があるわ、中国軍YJ-82じゃないかしら・・・・・・」
初霜がそう言うと次の瞬間、確かにYJ-82である事がCICの会話を聞き取った結果判明し、私は拳銃を構え、YJ-82に向ける。
そして拳銃を放つと私の船体に装備されているMk-57VLSからSM-6が目標へと向けて飛翔するのであった・・・・・・
そしてその数秒後、SM-6対空誘導弾は敵対艦ミサイル12発の内、半数の撃墜に成功したが、半数を落とし損ね、6発が依然として接近を続けていた。
そして次の瞬間、初霜、雪風、冬月からESSMが飛翔してYJ-82を迎え撃とうとするが、5発撃墜したところで敵対艦ミサイルはミサイルディフェンスゾーンを通り越し、艦隊の外輪にいた雪風へと迫った。
雪風CIC
「敵対艦ミサイル接近中!!」「CIWS射撃用意!!」
砲術員達が次々に声を飛ばし、CIWSの射撃準備にそなえる。
射撃準備が完了した事が報告されるとCIWSのスイッチが押されると乾いた音を立ててCIWSに装備されたバルカン砲が火を噴く。
そして火箭は目標である対艦ミサイルを撃墜するが、その破片が雪風の格納庫に直撃し、格納庫から煙が出ているのが初霜、冬月からも確認された。
時雨艦橋
「・・・・・・雪風格納庫に敵対艦ミサイル被弾っ!!煙が出ています!」
「何だと!?・・・・・・発光信号で損傷具合と乗員の負傷者数確認を急げ!」
見張り員の報告を聞いた副長は声を荒らげ、すぐに命令を下す。
そして発光信号によって雪風の損傷が軽微である事がわかると武蔵や初霜、冬月等の乗員は皆、安心したのである。
そして損傷がヘリ格納庫内部と外壁のみで、ヘリを投棄せざるを得ない以外に事実上戦闘に支障がない事が判明し、結果として更に士気を高めたのである。
そして日中艦隊最後の艦隊決戦が始まるのであった。
※JARVHFC=ジャーブフリーダムフォース
日豪露越合同ハノイ奪還部隊の英訳の頭文字を省略したもの




