36話 後編
ハノイ奪還前哨戦。
37話がハノイ奪還空戦2です。
2021年5月23日早朝、フエ沖数百㎞
ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ワリヤーグ戦闘指揮所
「ハバロフスクの極東管区司令部より入電”上陸戦を開始せよ”との事です!」
巡洋艦ワリヤーグ以下多数の艦艇が露越両国の歩兵を乗せた揚陸艦ウラジオストクを護衛しつつハイフォン方面へと18ktで北上を開始した。
ワリヤーグ艦橋天蓋
「今後の作戦が決まったらしいわ・・・・・・ハイフォンへ向かうわよ、みんな、準備と言うか覚悟は出来ているか?」
私がそうアドミラル・シャポシニコフさんとアドミラル・トリブツさんと新鋭フリゲートであるアドミラル・イサコフさんに言うと彼女たちは頷いた。
それにしても私たちロシア海軍の戦力は同地に籠城する中国軍と比較したら微々たるものだから北海艦隊から私の姉であるモスクワ姉さん以下4隻が助けに来るらしいけど・・・・・・・紅海まで来たらしいけど、なんか遅れてるのよね。
と次の瞬間、私は何やら嫌な予感がしたのである。
ワリヤーグCIC
「・・・・・・!?レーダーに反応、対空目標15以上!!」
「な、何だと!!・・・・・・・IFFによる敵味方の識別を急げ!!」
「了解・・・・・・航空機群からの応答なし、敵と識別します・・・・・・対空戦闘、迎撃ミサイル発射用意!」「迎撃ミサイル発射急げ!」
砲術員達が走り回る中、艦長はふとある事に気付いた。
「この近くに空軍戦闘機隊はいるか!?」
「はっ、現在陸上上空からハノイ方面へと向かっています!」
「そうか・・・・・・なら良い、こちらで何とかする」
砲雷長がそう言うと艦長もそれに同意する。
暫くすると中国軍攻撃部隊から中露関係が良好だった頃に中国がロシアから大量に買い付けたASMが放たれたのである。
「敵機から対艦ミサイルが発射された模様!!種類は・・・・・・我が国製のく、クリプトン対艦ミサイルです!!」
(く、クリプトンだと・・・・・・ロシアの技術の結晶と言える超音速ミサイルじゃねーか・・・・・・)
艦長がそう思考を巡らすとすぐに次の命令を冷静に下す。
「艦隊防空ミサイル、電波妨害装置出力最大!全チャフ発射機及び近接対空火器、13㎝速射砲射撃スタンバイ!!」
そう彼が言うと砲術員達は皆、自分の配置でスクリーンを睨む。
同艦艦橋天蓋
ミサイルが発射される光景を私は眺めつつ中国軍機の方角に軍刀を向ける。
「ワリヤーグ姉さん、貴方のミサイルが頼りなのよ・・・・・・」
トリブツさんが言った事に私はすぐに反応する。
「はぁ・・・・・・あんまし期待しないでよね。期待されたらむしろ、失敗が余計に怖くなって、いやもしかしたら失敗しちゃうじゃないの・・・・・・」
私がそう言うとシャポシニコフさんもその意見に賛同する。
とは言っても私が装備する防空システムは米国のイージスシステムと同じく多目標同時対処が可能な多機能防空システムだから問題は無いけどね。
さてと、どうなるのかしら・・・・・・ちゃんと当たるかしらねぇー
私はそう言うと軍刀を鞘にしまうと遠距離狙撃銃を構える。
そして私は目標である中国軍機が放ったクリプトンに狙いを定める。
狙いが定まると私はライフルのトリガーを引き、ライフルが火を噴く。
すると次の瞬間、私の放った対空ミサイルがクリプトン対艦ミサイルに命中する。
そして1発、2発と次々にクリプトン対艦ミサイルに炸裂し、撃墜したのである。
だが、残った6発の対艦ミサイルの内、3発が艦隊との距離が20㎞位になるまでに私の放った対空ミサイルによって撃墜され、3発が依然として接近していた。
距離が15㎞位になると私は拳銃を構え、主砲の射撃用意を砲術員達が始めるのである。
『・・・・・・主砲、撃ち方始めー!!』
砲雷長がそう叫ぶと艦首に装備された13㎝速射砲が火を噴くのと同時に私が構えていた拳銃が火を噴き、目標へと向かう。
私や他の3隻による対空射撃で1発が撃墜されると、2発が接近を続けていた。
そして残りの2発は5㎞付近まで近付くと私は機関拳銃を構える。
そして3㎞まで来ると私は機関拳銃のトリガーを引く。
機関拳銃が火を噴くとそれと同時に30㎜近接対空機関砲が火を噴き、目標であるクリプトン対艦ミサイルに対して強烈な弾幕を展開する。
暫くすると主砲対空砲弾やCIWSの機銃弾に裂かれたクリプトン対艦ミサイルが海面へ落下し、2つの巨大な水柱が上がったのである。
「全部落としたか・・・・・・・ふぅ・・・・・・」
「流石、ワリヤーグ姉さんね・・・・・・期待通りでしたね」
シャポシニコフさんやトリブツさんにイサコフがそう言うと私は頬を赤くする。
「対艦攻撃を防いだとは言え、油断は禁物よ・・・・・良いね、みんな!!」
私がそう言うと3隻とも”はいっ!”と言い、次の戦闘に備える事にする。
さて、ちゃんとハノイ奪還はうまくいくのかしらねぇ・・・・・・
私はそう思いつつも空を再び眺める事にしたのである。




