35話
この世界ではロシアで余剰となり廃棄された筈のYak-38のエンジンを流用して中国がJF-17を元にV/STOL戦闘機を開発していますw
今回はやられ役でしたが次回以降、中国軍機として北部戦線で登場します。
上空7千m上空、翔鶴攻撃部隊
栗本大尉率いる6機のF/A-18E/F改に護衛された6機のF-35CJは夕闇染まるマニラ市へと向かっていた。
「ブレイブ1よりレインボー2、現在、我が部隊と攻撃部隊は目的地に向け順調に飛行中・・・・・・」
私がそう報告するとすぐに早期警戒機から往信が入る。
『了解、現在の高度を維持し、そのまま目的地へ向かえ。尚、これより無線封鎖を実施し、こちらから指示があるまで無線を封鎖せよ!レーダー情報はこちらが送信するから安心しろ』
「ブレイブ1了解!無線封鎖を実施する」
私はそう言うと無線を切断し、データリンクから送られてくる情報と自分の感覚を頼りに、突き抜けるような青空の元を飛び続けた。
戦時じゃなければ見惚れるような美しい空だ・・・・・・
私はそう思ったが、すぐにレーダースクリーンや計器に目を移す。
このF/A-18Eのコックピットはデジタル化が進んでおり、自分が求めているものがどこにあるかすぐにわかる様になっている。
そして私はレーダーを見るとE-2から送信されてきた情報を確認し、自分の腕にはめている腕時計を見て時間を確認する。
位置的にも、時刻的にも攻撃命令がそろそろ来るだろうと私が思うと、当然のごとく無線でレインボー2から無線解除命令を解除するように命令が下る。
『レインボー2より攻撃隊、準備は整ったか?』
『・・・・・・はいっ、いつでも命令が来てもOKです!』
『そうか・・・・・・攻撃を許可する!』
『了解スキーム1、これより攻撃を開始する!』
攻撃隊と早期警戒機の通信を聞いていた私が僚機に対し呟く。
「マニラ上空異常なし・・・・・・私たちの出番は無さそうね・・・・・・」
『いや・・・・・・そうでもなさそうですよ、隊長』
私の僚機である北見正一中尉がそう言うと私はレーダーを注視する。
(レーダーにはJF-17と表記されている・・・・・・つまりJF-17の垂直離着陸型か・・・・・・また厄介な代物を・・・・・・)
私が心中でそう呟くと敵機からミサイルが発射された事を示す警報音が鳴り響き、私と私の僚機は即座に反撃を開始する。
「ブレイブ1!!フォックス1!!」
私がそう叫ぶとAAM-6が目標に向け飛翔する。
と同時に私たちは機体を急旋回させ、急激な機動をとりミサイルから遠ざかろうとする。無論、ミサイルは簡単に振り切れるものではないが。
私たちの役割は敵のミサイルの照準をF-35に向かないように囮としての意味があり、私は敵レーダーの死角である低空へと逃げ込み、何度も低空へ逃げ込み、再上昇する際に4スロットあるうちの1スロットの電波妨害用金属片をばら蒔き、敵のレーダーに電波的なデッドゾーンを作る。
そして私の機が放ったAAM-6はJF-17に命中こそしなかったが、充分に攻撃隊が位置につく時間を稼げた。
”さぁ、攻撃隊・・・・・・任せたわよ!”
私はそう呟くと敵機との格闘戦へと突入したのである。
翔鶴艦橋天蓋
『スキーム1よりCIC、攻撃位置に付いた!』
『CIC了解、攻撃を許可する・・・・・・外すなよ、貴重な最新鋭兵装なんだからな・・・・・・』
『・・・・・・スキーム1了解、スキーム1より各機、スタンバイ!』
スキーム1がそう言っているのを私もCICへと転移し聞いていた。
「管制所って凄いのね・・・・・・昔とは大違いね・・・・・・」
私はそう思いつつ無線に耳をはさみつつ、扶桑さんにそう言った。
すると扶桑さんも彼女が就役した頃、最初にあった話をしてきたのである。
「そうなのよ・・・・・・私も最初、VLSを見た時、何だこの蓋は?とか、ミサイルが飛んでいく時は凄い砲弾空飛んでると思ったわ・・・・・・でも慣れたとは言え、戦艦時代のあの砲撃の感触が懐かしいと思うときもあるわ・・・・・・」
「昔の扶桑さんの艦橋って、怖そうよね・・・・・・高くて」
「そうかしら?あれはあれで見晴らしが素晴らしかったわ、まぁ、最後の最後まで水平線が見えて炎上する敵艦も見えたから満足だったわ、戦艦としてはわね」
扶桑さんがそう言うと私は唖然とする。暫くすると無線がまた聞こえてくる。
『こちらスキーム1、司令部があると思しき建造物の周囲にある対突入チーム及び対空陣地は完全に破壊!現在、陸軍と米海兵隊の突入チームが突入した模様!』
スキーム1がそう報告するとE-8と言う航空機経由で陸上の通信も聞こえる。
『こちら突入チーム、敵司令部へ侵入成功!1階奥に籠城中の占領軍司令及び政治将校、幕僚の内、政治将校と思しき2名の遺体を発見し、司令を束縛しました!』
そう報告が入ると日米の揚陸艦のCICから歓声が上がる。
2021年5月19日午後5時24分、マニラ奪還。
だが、フィリピン北部では中国軍が依然として勢力を保ちつつ抵抗を続けていた。




