34話
2021年5月19日午後15時47分、マニラ上空
「ファルコン1!フォックス1!」
米空軍のF-16パイロットである俺ことタケオ・コバヤシ(階級は中佐)がそう叫ぶとAIM-120空対空ミサイルが愛機から放たれる。
俺達第14戦闘飛行隊は今、まさにマニラ市上空で中国軍のマニラ防衛要撃部隊との交戦を開始したのである・・・・・・
そして俺はすぐに友軍戦闘機部隊の応援を呼ぶ。理由は単純明快、中隊の所属機ともう1中隊の数が12に対して敵は2.5倍近くいるためである。
「ファルコン1よりマニラ周辺の友軍機!応答願う!」
俺がそう無線に向け叫ぶと1人の30代くらいの男と思しき声が聞こえてきた。
『こちら日本国防空軍第3航空軍第302戦闘班!通称”ウィング中隊”です』
ウィング中隊と聞いて俺はある事を思い出した。
(アロー中隊・・・・・・千歳空軍基地の精鋭か!!)
通信に対して俺はすぐに”まさか貴官はあの時のイーグルライダーでは!?”と聞き返すと通信相手であるアロー1はすぐに”そうだ”と言い返した。
「ファルコン1よりウィング1、貴官と共に戦える事を光栄に思う!マニラ上空の敵を片付けるのを協力してくれ!」
『ウィング1了解!・・・・・・貴隊に最大限協力する!!各機、中距離誘導弾用意!!』
『ウィング2了解!』『ウィング3了解!』『ウィング4了解!』『ウィング5了解!』『ウィング6了解!いつでもご命令をどうぞ!!』
『各機、準備完了か・・・・・・ウィング1、フォックス1!!』
栗本大尉がそう叫ぶとF-15を示す輝点から6発のMRAAMが放たれ、マニラ市の上空へとマッハ3以上の速度で向かうのが映る。
12対15、西側戦闘機最高性能戦闘機vs中国国産高性能戦闘機、はっきり言ってしまえば米中の設計における優位性と日米と中国の操縦士の練度がこの勝負を決めると言っても過言ではない。
だが中国空軍も負けじと反撃に打って出てくる。J-10戦闘機が搭載する国産中射程空対空誘導弾、PL-12がこっちに向けて放たれ、俺は急速な旋回で必死にそのPL-12空対空ミサイルを撒こうとする。
無論、敵さんの技術力も侮れず片方の中隊でF-16Cを装備する第13戦闘飛行隊所属機が2機ほど撃墜されるなど戦いは五分五分の形相をしていた。
と次の瞬間突如、我が軍のE-3AWACSであるスカイ・コマンダーから通信が入ったのである。
『こちらスカイ・コマンダー、作戦行動中の友軍機に告ぐ!これより海軍艦隊が艦隊防空ミサイルによる対空攻撃を行う!すみやかに空戦空域から離れよ!』
「っ・・・・・・スカイ・コマンダー!それは本当か!?」
俺がそう聞くとスカイ・コマンダーのオペレーターは”本当だ”と答える。
そして俺はすぐにウィング中隊にも艦隊から援護が来る事を伝える。
やはりウィング中隊の隊長さんも安どした様な声で呟いていた。
『海軍さんに足向けできねぇーな・・・・・・』
彼がそう言うと俺は笑い、彼も笑う。
そして次の瞬間、俺らは一斉にA・Bを炊き離脱する。
中国軍機は追撃態勢に入るだろうと考え、海軍の電子戦機であるE/A-18Gと日本の電子戦機であるE/F-15DJが主翼下に2つ搭載していたレーダージャミンググライダーを投下した。
離脱する10機のF-16と6機のF-15とすれ違ったジャミンググライダーは徐々に妨害電波の出力を大きくし、俺らと中国軍戦闘機との間に電波の壁を形成し、ミサイルを困惑させる。
そして精密な情報をレーダーと上空のAWACSから入手した日米豪艦隊から対空誘導弾による攻撃が開始されたのである。
扶桑艦橋天蓋
「来たわね・・・・・・防空巡洋艦の神髄、見せてあげるわ!!」
私がそう言うとモンサーさんもそれに続く様に何かを言う。
「世界最強の防空巡洋艦の力、味わいなさい!!後悔しても遅いわよ!」
彼女がそう言ったのと同時に多数の対空誘導弾が目標である中国軍戦闘機に向けて飛翔する。
残っている航空部隊も殲滅し、安全に制圧する事が重要視されているからだ。
それに一部には対艦ミサイルが搭載されているとの衛星からの情報もあるし、ここでまた被害を出せば、さっきの被害どころでは無くなるからね・・・・・・
数分後、中国空軍在比航空隊は完全に壊滅、司令部の脱出が始まろうとしていた。
これに対して攻撃を加えるべく私はミサイルの残弾チェックをすぐにするとSM-6が44発と、ESSMが24発しか残っておらず、空母機に託すことにした。
翔鶴艦橋天蓋
「と言う訳で私にSLCMが残ってないのでお願いね!」
私がそう言うと翔鶴さんがため息を付きながら”わかりましたよ”と言う。
すると乗員の中でも通信が入ったのか翔鶴さんの甲板が慌ただしくなる。
どうやら護衛担当のF/A-18Eを6機と、同数の攻撃担当のF-35で構成された2個中隊を上げるらしい。
「と言う訳で私の子たちに任せてね!!」
翔鶴さんがそう言うと、彼女は射出機士官の真似をして、射出時のポーズをとると、最初に2機のF-18が飛び上がる。
10分もしないうちに12機全てが空へ舞いあがり、司令部攻撃へと向かった。
私は翔鶴さんの攻撃隊の攻撃が成功する事を祈りつつ、彼女と会話を続ける。
「失敗しないと信じているわ・・・・・・」
そう私が言うと翔鶴さんは”えぇ”と頷いたのである。




