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33話

マニラ奪還最終盤、決戦開始

2021年5月17日16時過ぎ・ダバオ市内某所

「う、うーん・・・・・・ここはどこだ?」

俺、林援軍は目を覚ますと自分の周囲を見回すと何やら色黒の日本人と思しき軍服を着たの30代位の男がいた。

「目を覚ましたか・・・・・・俺は日本陸軍の通訳の吉原弘少佐だ」

俺の目の前にいるその男が流暢な中国語でそう言う。

「俺は林援軍、階級は中佐だ・・・・・・少しなら日本語は喋れる・・・・・・」

そう俺が言うと吉原と言う士官は俺に対して”何か飲むか?”と聞く。

俺はそれに対して烏龍茶が飲みたいと言うと、その士官はどうやら日本軍の売店などで売られているオリジナルと思しきお茶の入ったボトルを渡して来た。

「ご飯も食うか?お前さんは6時間近く気を失ってたぞ・・・・・・」

彼がそう言うと俺はご飯も要求し同時に”それは本当か?”と聞き返すと、その彼は静かに頷き、”そうか・・・・・・そして俺の部下は?”と俺は言い返す。

すると彼は部下も収容し、治療が必要な砲手が治療を受けていると答える。

俺は食事を終えると、部隊の最高責任者としての尋問が始まったのである。尋問担当士官は俺の通訳で、主任尋問士官である日本軍の吉原弘少佐を筆頭に米陸軍のハワード・ジャクソン大尉と豪陸軍のニック・ティモシー大尉の3人であった。


俺は5人の憲兵(MP)に監視されつつも3人の尋問担当士官に対してマニラ市内の中国軍塹壕と地下司令部の位置をペンと口頭で説明し、司令の説明もする。

司令は蓮進楼中将と言い、最大の特徴は現国家主席である梁鳳明の幼馴染であり、度を越した政府を称賛する馬鹿(中南海の犬)でもあると説明した。

俺はそんな彼についていく事に失望し、はっきり言ってウンザリしていた。

尋問が終わると俺は自室に戻るように言われた。まぁ、捕虜だから仕方ないか。

俺はすぐに自室に戻るとMP(監視の憲兵)にたばこを吸っていいかと訊いた。

どうやらこの日本陸軍憲兵は俺と同じで愛煙家で吸っていいと答えた。

そして日本陸軍の憲兵が俺に持っていた煙草を渡し、俺は彼に対して愛想のいい笑顔で”ありがとう”と流暢とは言えない日本語で言うと彼も”どうも”と答える。

数時間後、突如俺の名前が放送で呼ばれると俺は会議室へ向かった。

どうやら彼らのマニラ奪還作戦の最終局面を迎えるらしい・・・・・・

会議室に到着すると俺は持っていた司令部内部の地図を渡し、説明を開始する。


暫くするとモニターにマニラ市内に展開している現地司令部である装甲車との通信回線が繋がり、そこの指揮官へと私の持っていた地図を拡大した図面が送られ、|現地指揮官に俺は説明を要求され、詳しい説明をすると彼はすぐに納得してくれた。


数分後、突入作戦が開始されると聞いた俺は戦術(タクティカル)助言者(アドバイザー)としてこの会議室に残る事にしたのである。


数時間後、マニラ市内では・・・・・・

「中国軍司令部がある建物を発見しました!!」

突入部隊の偵察員の1人である日本国防陸軍第1空挺隊所属の2等軍曹がそう言うと手にした機関拳銃を構えつつ慎重に建物の入り口に近づく・・・・・・とその時だった4人で構成された偵察隊に対して苛烈な中国軍の銃撃が襲い掛かる。

「こちらRecon1、敵から襲撃を受けた!!これより応s・・・・・・」

偵察隊長の空挺隊員の少尉がそう言った次の瞬間、隊長は床へと倒れこんだ。

「隊長がやられた!!クソっ!手榴弾はあるか!?」

豪州陸軍所属の曹長がそう言うと彼は手に持っていた機関拳銃を中国軍歩兵へ向け射撃をするが、一向に彼らの射撃はとまらない。

理由は明快だ。射撃をやめれば彼らの司令部へ敵の侵入を許す事になる、司令部が落ちればマニラ各地で戦っている友軍の指揮系統は無くなり、混乱状態に陥り、陥落までの時間は問題になる。

つまり陥落までの時間を稼ぎつつ敵兵力をそぐ必要があるのだ。


数分後、偵察員は中国軍司令部警備要員と交戦した結果、隊長以下4人の隊員は全員、戦死し、通信機も銃撃戦の中で破壊されたのである。

だが、彼らが決死の覚悟で送信した情報は上空のAC-130に届いていた。

「こちらデビル・フラッグ、これより敵司令部へ攻撃を・・・・・・」

機長がそう言った次の瞬間、副操縦士が突如、大声で叫んだのである。

「・・・・・・き、機長!!ミサイル警報です!!左下方からミサイルが接近しています!!恐らく携帯式地対空誘導弾(MANPAD)です!」

副操縦士がそう言うと機長は操縦桿を傾け、回避を試みるが・・・・・・


次の瞬間だったAC-130の胴体に中国軍歩兵がビルの屋上から放った地対空誘導弾(MANPAD)が命中し、同機が空中で砕け散ったのである。

マニラ市上空、米F-16戦闘機中隊、通称”ファルコン”

「デビル・フラッグが撃墜された・・・・・・」

同中隊の隊長であるタケオ・ジャック・コバヤシ大尉がそう言うとすぐに5機の僚機から通信が入り、コバヤシ少佐は作戦概要を話す。

「俺らの任務はここいらの中国軍対空陣地を撃破するだけだったが、どうやら対空陣地はビルの上にもあったみたいだから、必要な場合残弾でそれをビルごと叩き潰す、良いな?」

『わかりました、にしても連中はまだ降参の意思を見せないそうですね』

俺が率いる2機小隊(ロッテ編隊)で2号機を務める中隊4号機のジェームズ・セルゲイ中尉がそう言うと俺はすぐに言葉を返す。

「連中には政治将校が言う厄介な連中がいて、そいつらが降伏を許さないらしい」

『まるで俺の祖父母の出身国(ソビエト)見たいですね・・・・・・』

「まったく、その通りだ・・・・・・だから困るんだ・・・・・・」

俺がそう言うとAC-130の墜落場所から上がる煙が見えて来たのである。

「各機、戦闘準備に入れ!!」

『ファルコン2了解!』『ファルコン3了解!』『ファルコン4了解!』『ファルコン5了解!』『ファルコン6了解!』

彼らがそう言うと俺は彼らに続くように”攻撃開始”と命令を下した。


そして俺はセルゲイと共に低空へ降下し、マニラ中心街の中国軍対空陣地に向けて統合打撃誘導爆弾(JDAM)の狙いを定め、発射ボタンを握り、タイミングを待つ。

『ファルコン4!・・・・・・投下っ(ドロップ)!』

セルゲイがそう叫ぶと俺もすぐにボタンを押し、連装式のスマートラックに搭載されている統合打撃誘導爆弾(JDAM)が愛機から分離し、目標へ向かう。

そして俺は間髪置かずにセルゲイに加速しつつチャフとフレアを放つ様に命じた。

理由は単純明快、敵の放った地対空誘導弾や自機の放った爆弾の爆風に巻き込まれない様にする自己防御の為だ。


俺とセルゲイのF-16は一気に加速して、中国軍対空陣地のあった場所から急速に離れたのである・・・・・・

そして俺が後ろを振り向くと対空陣地は跡形無く爆風で破壊されていたのである。

「ファルコン1より本部、敵対空陣地を破壊す・・・・・・空挺部隊の侵入は容易なものと確認す!繰り返す空挺部隊の侵入は容易です!」

俺がそう言った次の瞬間、ファルコン2からの通信が突如入ったのである。

『ファルコン2よりマニラ上空の友軍戦闘機に告ぐ、我、敵と交戦中也、繰り返す、我、敵と交戦中也!支給応援願う!!』

しまった・・・・・・と俺は思いつつもすぐに”了解”と言いファルコン2の元へ向かう・・・・・・そして俺は驚愕の光景を目にしたのである。

敵はそう、JF-17梟龍戦闘機を持っていたのである。

まさかB-52やF-18による執拗な空爆で飛行機が隠せそうな場所は全て破壊した筈のマニラ空港に少数の戦闘機を隠していたとは思いも寄らなかった。

俺はそうも思いつつ、AMRAAM(AIM-120)の火器管制装置のスイッチを稼働させ、敵機に狙いを定める。

と次の瞬間、敵ミサイルが発射された事を示す警報音が操縦室内に鳴り響き、襟元の汗を俺は感じた。無論、俺が精神的に動揺しているのは間違いない・・・・・・

表面上は冷静であっても、内面の俺は何かに動揺している。俺は様々な思考を巡らせつつもAMRAAMの照準が敵機に揃うとスイッチを押す。

そしてすぐに発射コードを叫んだのである。

「ファルコン1、フォックス1!」

俺がそう叫ぶと主翼下に装備されたAMRAAMがターゲットであるJF-17(梟龍)戦闘機へと向かうのであった・・・・・・

15時47分、マニラ上空最後の空戦の幕が切って落とされたのである。

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