18話
推奨BGM 艦〇れの昼間戦闘
日米艦隊と中国艦隊の中間地点で発生した空戦が集結して2時間後、数日前までラガイ湾に籠っていた中国艦隊はシブヤン海を進撃していた。
巡洋艦上海CIC
「司令、広東の江中将より入電、”攻撃開始せよ”との事です!」
通信兵が南海艦隊司令である江軍来中将の座乗する広東から入った副司令である林雲群少将が聞くと各艦へその情報を打電するように命じる
「そうか・・・・・・了承した、これより各艦へこれを伝えろ!」
「了解しました!!」
上海艦橋
「そうね・・・・・・いよいよ時間だわ・・・・・・みんな、良い?」
私がそう言うとみんな威勢よく”準備出来た”と言って拳銃を構えた。
戦闘指揮所
「各艦、情報共有仕組の情報の元、攻撃開始!」
「了解!!ミサイル発射弾数は各艦から2つ、目標前方艦隊の巡洋艦!」
砲雷長がそう言うと鷹撃82反艦飛弾が発射用キャニスターからスポッと言う音と共に飛び立ったのである。
そしてそれに連動して艦魂達も構えていた拳銃を放ったのである。
一方、目標である日米合同打撃艦隊は・・・・・・
扶桑CIC
「敵艦隊より高速小型目標分離、対艦ミサイルが発射された模様!」
電測員の1人がそう報告すると艦隊司令がすぐに適切な命令を下す。
「村雨、フィッツジェラルド、マケイン、J・P・Jは電子妨害を!愛宕、霧島、サンプソンは本艦と共に敵ミサイルを迎撃する!」
司令がそう言うとLINK16を通じてその様な命令が7隻に伝わる。
無論、扶桑自身も対空誘導弾の発射準備を整えているのは言うまでも無い。
そしてそれは艦橋の上でも・・・・・・
「来たわね・・・・・・みなさん、用意は良いわね?」
扶桑がそう言うと彼女は持っていた日本刀を天空へとかざす。
「扶桑さん、あいつらの攻撃を退けられるか心配だわ・・・・・・」
心配そうに海霧が聞くと私は大丈夫だと彼女を力付ける。
「この私がいる、私は最新鋭の防空システムを持ったミサイル巡洋艦だ、どんな飽和攻撃だって粉砕してみせるさ!!私を信じろ!」
私がそう言うと腰に掛けていたホルスターから愛用の拳銃を抜く。
(私だって本当は敵とは言え、艦魂や乗員を殺める事に躊躇いはある)
私はそう胸中で思っていたが、顔にはそれを表さない。
何故なら私は旗艦であり、その旗艦が弱気になれば皆の士気が下がる。士気が下がれば下手したら艦隊が被害を受けるからだ。
「ふっ・・・・・・巡洋艦扶桑、いざ参る!」
私がそう言うと日本刀を空へ掲げた。そしてその直後には戦闘指揮所からミサイル発射命令が下り、VLSから飛び立ったSM-6は弧を描きつつターゲットの方角へ向けて飛翔したのである。
いや、私だけでは無い。足柄、霧島、サンプソンからもSM-6が弧を描いて目標に向けて飛翔する。
無論、敵のミサイルは高度を下げて低速で接近するシースキームタイプである事は間違いないだろう、だが私のレーダーは2種類ある。
1つは長距離捜索・誘導用のレーダーFCS-5A(1)と、そう1つは低空及び短距離誘導捜索用のFCS-5A(2)だ。
この二つのレーダーを組み合わせてFCS-5Aが構成されている。
そしてFCS-5全体を指してスサノオシステムと言う。
由来は言うまでもなく日本神話の素戔嗚尊である。
さて、システムの説明は済んだから、話を戦況に戻すとしよう。
私以下4隻から放たれた合計16発ものSM-6は目標であるYJ-82と交差すると思われる地点に到着すると、40発以上のミサイルの内、8発の撃墜に成功し、32発に減らすことに成功した。
艦隊司令が組んだ3つの防衛線の内、最初の防衛線を突破されたものの、さっきと引き続き、霧島、愛宕、
J・P・Jの3隻に鳥海さんに秋月さん、モントレーさんとイノウエさんもSM-6の発射準備に取り掛かっていた。
「覚悟は良いな?お前ら!!」
私がそう声をかけると7隻は一斉に準備完了と答えた。
無論、彼女らに私は期待している。何せ彼女も練度が高いからだ。
「・・・・・・よぉーし、迎撃開始!!」
私がそう叫んだ頃、CICでは・・・・・・
「7隻ともSM-6発射準備、ミサイル照準完了!」
電測員の1人がそう報告すると司令官が発射命令を下す。
「SM-6発射用意、・・・・・・斉射!」
司令がそう言うと扶桑からSM-6が発射され、その直後に発射命令が各艦へ伝達され、扶桑以外の7隻からも21発のSM-6が目標に向けて発射されたのである。
暫くすると32発の内、17発を撃墜し、更に他の艦から放たれたESSMやジャミングによりYJ82対艦ミサイルを多数の障害が襲い、数を8発まで減らしたが、その8発には対レーダー波ミサイルタイプも含まれており、そのミサイルが依然として艦隊へ接近を続けていた。
鳥海CIC
「本艦へ2発の対艦ミサイル接近中!!距離25(㎞)!」
「くそっ!ESSMはもう間に合わない!主砲射撃用意!」
「了解、主砲、CIWS対空ー戦闘用意!」
暫くすると鳥海は主砲を右舷側に向けると随伴の沢霧と共に左舷に回頭すると主砲を右舷側に指向したのである。
鳥海艦橋上
「私を狙うのか・・・・・・良いだろう!沢霧行くぞ!」
鳥海がそう言うと彼女は拳銃をホルスターから抜く。
そして戦闘指揮所から主砲射撃命令が下ると彼女と沢霧はトリガーを引く。
鳥海の12㎝速射砲と沢霧の76㎜速射砲が一斉に火を噴くと水柱がYJ-82の前方に立つが一向に墜落する気配を見せない。
無論、近接信管付きの散弾はミサイルですら撃墜可能なのであるが。
2隻が射撃を開始してから数十秒後、沢霧の数十m手前でやっとYJ-82が砕け散ったが、その破片が沢霧に襲い掛かったのだ。
「沢霧ぃいいー!!大丈夫かー!!」
鳥海がそう聞いた次の瞬間、鳥海自身にもコントロールを失ったYJ-82が直撃し、後部煙突と2基の誘導弾管制装置に後部20㎜CIWSを破壊し、使用不能に陥れたのである。
「くそっ・・・・・・やってくれるじゃんか・・・・・・」
出血している右腕を抑えつつ鳥海が不敵に呟く。
一方で悲劇は米巡洋艦モンテレーにも襲い掛かっていた。
モンテレーCIC
「敵ミサイル、本艦へ接近中!CIWSによる迎撃は失敗の模様!」
電測員がそう報告した次の瞬間、物凄い衝撃が後ろから襲いかかった。
一瞬だけCICの明かりが停電、数秒後に復旧してみると後部艦橋上にある後部SPYレーダーからの反応が消失していた。
「後部SPYレーダー損傷!!」
砲雷長は歯軋りするとすぐに艦長は次の命令を下した。
「わかった・・・・・・それはともかく他の被害はどうなっている?」
「はっ、対潜ヘリは2機とも全損、射撃指揮装置は2基とも使い物になりません・・・・・・この船自体、もう的も同然です」
砲雷長がそう報告すると艦長は離脱許可を扶桑に申請した。
そして司令部からはすぐに離脱を快諾し、モントレーは日本の巡洋艦夕立を護衛に戦闘海域から豪州方面へ離脱したのである。
そしてモントレーが離脱した頃、誘導弾の誘爆なので火災に手を付けられなくなった沢霧もとうとう限界を迎え、自沈が決定したのである。
ミサイル攻撃もやんだ事もあって中破した鳥海は霧雨と護衛の村雨を伴い、大破、沈没間際の沢霧の乗員を収容していた。
そして収容が終わると鳥海と霧雨、村雨の主砲が一斉に沢霧の船腹に命中し、彼女の船体に穴をあける。
鳥海さんは涙を流しつつも彼女に射撃をしていたと村雨から私は聞いた。
「扶桑さん・・・・・・ありがとう・・・・・・」
沢霧がそう言うと彼女はスッと消えていったのである。
だが彼女はどうやら鳥海に遺品を託したようだ。
まぁ、それはどうでも良い、この戦いに勝つ事が彼女らへの弔いとなると私は確信していた。
「お前らの仇は私が打つ!!」
私はそう言うと日本刀を空へ掲げたのである。




