9話
F-2C・DはJ/APG-3にレーダーを、エンジンを超音速巡航可能なものに変更したモデルで、リンク16なども搭載しています。
最大速度はマッハ2.04、巡航速度はマッハ1.2です。
非公式名称はファルコン・ゼロもしくはゼロ・ファルコンである。
潜水艦黒潮と瀬戸潮が敢行した輸送船団襲撃作戦から1週間、沖縄本島の中国軍は定期的に輸送船団や輸送機を用いて物資の補給を試みるが、日本側は非常に長い航続距離と搭載量、そして優れたステルス性及び全天候運用性を両立した空軍の支援戦闘機F-35Cによるレーダー・ミサイルサイトに対する攻撃や在来型の戦闘攻撃機であるF-2よる弾薬庫や滑走路への夜間襲撃で中国軍の弾薬や航空機の数を減らしていた。
4月13日午前5時25分
宮本大佐の率いる第2戦車師団第1大隊は旧那覇市街地を進んでいた。
「前方方向に中国軍99式戦車がいます!」
液晶ディスプレーを睨んでいた砲手がそう叫ぶと宮本は次の命令を下す。
「そうか・・・・・・主砲射撃次第、急速回避行動に移れ!!」
「了解、瓦礫の間に入って敵の攻撃をかわします!」
操縦士がそう言った次の瞬間、宮本らの10式戦車の20m手前に中国軍戦車の砲弾が着弾し、建物の一部が崩れ去ったのである。
(しまった、奴らに先をとられたか!!)
宮本は一瞬焦りを見せたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「やはりあいつ等は俺達に気づいていたか!ジャック隊より上空の攻撃ヘリ、敵戦車が国際大通りの方角へ向かった、至急撃破を要請する!」
『こちら1AHF1号機、了解した!』
熊本空港を本拠地とし、今作戦では海軍の軽空母瑞鳳から飛来した1AHFが装備する攻撃ヘリはAH-64EJだ。
アパッチガーディアンはアパッチ・ロングボウと比較してレーダーが格段と進歩した事もあって地上捜索能力が向上させている。
「西川、目標の方角と距離を報告しろ!」
「目標は現在、国際大通りを進んでいます!距離は2㎞です!!」
「そうか・・・・・・良し!!ジャガー1よりジャガー各機、これより攻撃を開始する!」
『ジャガー2了解!』『ジャガー3了解!』『ジャガー4了解!』
ジャガー隊の隊長を務める喜田中佐のAH-64を先頭に4機のAH-64が国際大通りに向かって徐々に高度を下げつつ飛行していた。
「目標を捕捉!!射撃用意完了!!」
「良し・・・・・・HMDの照準線に目標が入り次第、射撃を許可する!!」
喜田がそう言うと西川少尉が射撃に備えてトリガーを握る。
「射撃開始!!」
喜田がそう叫ぶと西川がトリガーを引く。
すると30㎜チェーンガンが小気味良い音を立てて火を噴く。
AH-64の機首から30㎜口径弾が目標へと向かう。
最も30㎜機銃弾は目標である敵戦車に命中するも、装甲を貫くには至らなかったが、一時的に行動を封じるには十分であった。
「よし・・・・・・とどめだ!!ヘルファイア発射!!」
西川が武器管制装置ボタンの対戦車誘導弾発射のボタンを押すとヘルファイアが99式戦車に向けて飛翔する。
30秒もしない内にヘルファイア対戦車誘導弾が99式戦車に命中し、同戦車の装甲を引き裂き、車内で炸薬が炸裂し、砲塔が真上に吹き飛ぶ。
「こちらジャガー隊、敵指揮官車を撃破した、だが敵は依然として国際大通りを進んでいる、万が一撃ち漏らしたら俺たちが処理するから安心しろ!」
『ジャック1よりジャガー1、撃ち漏らすなんてこたぁしませんよ!』
「そうか、じゃあお手並み拝見と行きますか!!ご武運を祈るぜ!」
通信が終わるとジャック1を始めとした戦車12台が中国軍の99式戦車が進軍していると言う噂の国際大通りに到着した。
「来ました、99式戦車です!!」
「さっきは撃ち漏らしたが、今度は撃破させてもらおう!!撃て!!」
宮本がそう言うと6両の10式戦車が44口径120㎜滑空砲を放った。
10式戦車の装備する08式120㎜滑空砲は国産の高性能砲であり、最大射程は約6㎞、貫通力は55口径型に匹敵、炸薬の量はそれより少ない。
さっきの10式が放った砲弾が命中した99式戦車は一瞬にして破壊され、乗員が挽肉に代わり、その彼らが乗っていた戦車はスクラップと化した。
その頃、那覇市街地に向かう少数の航空機の姿があった。
第6航空団所属のF-2戦闘攻撃機と護衛のF-2とF-15戦闘機だ。
爆撃を担当するF-2は翼端に2発のAAM-5かAIM-132を搭載していたが、2小隊いた事もあって第1小隊と第2小隊で装備している装備が違うのである。
第1小隊3機は高威力のAGM-3巡航ミサイル2発を搭載し、現在、中国軍司令部があると思われる国防軍沖縄通信所を狙っていた。
一方、第2小隊はJDAMを用いて中国軍の臨時滑走路となっていた那覇市内の高速道路を破壊し様と画策していた。
護衛を担当する1個小隊のF-2C・Dと2個小隊のF-15MJ・MDJはAAM-3とAAM-4をそれぞれ4発搭載していたが、もう1個小隊のF-2はAIM-132を2発減らしてAGM-65《マベリック》対地ミサイルを2発搭載し、地上攻撃にも参加できるようにしていた。
「デーモン1より各機、敵さんのお出ましだ!!さぁ行くぜ、rock 'n' roll!!」
杉野大尉がそう言うと彼は愛機F-2の射撃管制装置を対空戦闘モードに変更し、僚機に対してAAM-4の発射指令を下す。
「てめぇらの栄光の終わりの始まりだ!!デーモン1、フォックス1!!」
杉野がそう叫ぶと6機のF-2から計12発のAAM-4が迎撃に上がったばかりのJ-10やJ-11に命中し、それらの機体が地上へと落下する。
そして杉野隊とF-15部隊の奮闘で那覇市上空の敵戦闘機が排除され、爆撃部隊が旧国防軍沖縄統合通信所に向けてAGM-3を放った。
1分ほどすると対空砲火を突き抜けたAGM-3が旧統合通信所を破壊、司令部からと思しき作戦状況を伝えるメッセージが途絶えたのである。
「作戦完了・・・・・・これより帰還する!!」
杉野がそう言うと、他の飛行部隊に任務を引き継いだのである。
兎も角、沖縄本土奪還は殆ど確定したのである。




