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入学式

さてさて、朱音はというと只今学校に向かう途中である。大通りは桜が鮮やかに咲いていて、まさに春。


そう、今日は入学式。え?誰の入学式かって?


実は今日から朱音は高校1年生になる。つまり高校生活1日目というわけだ。


桜を眺めながら静かな時間を過ごす朱音だが、ふと背後に感じる気配…




「朱音さーん!!!!!!!」


ドッ!!


「ぐはっ!」


やかまし程明るい声。突然の衝撃。背中に感じる重み。巻き付く腕。前のめりになる朱音。


ほんの2秒間の出来事。


何とか転ばずにすんだ朱音は後ろ、つまり自分の背中にくっついている人物に目を向ける。


そこには、黒色とそれに似合わない程のあかるい笑顔。

「おっはよー!!朱音さん!

制服似合ってるね!一瞬誰か解んなかったけど、私の目は誤魔化せないよ!!」


そこに居たのは、黒いマントを被り、髪をみつあみにした眼鏡の少女、黒縫井・真子が居た。


「いや、誤魔化す気なんて毛頭ないし、ってか真子!突然飛び付くのビックリするからやめろって言ったっしょ!」


「えへへ。だって朱音さん見つけると飛び付きたくなるんだもん!」


「それ、理由になってんのかな?」


外見とは裏腹に明るい声。子供の様な明るい笑顔。ここまでは良い、ここまでは良いんだ、これだけ聞けば普通の少女より明るい少女だ、たとえ三つ編みで眼鏡をしていてもギャップがあって寧ろモテるかもしれない。

だが、問題は彼女が着ている腰まである長さの黒いフード着きのマント、そして片手に持っている分厚い怪しげな本。その本の題目は「黒魔術と召喚術」…


(はい、今ちょっと引いた人!正直に挙手!)


黒いマントに黒魔術の本、そう皆さんご想像の通り真子は大の黒魔術好き、というか真面目に黒魔術を信じている。


(はい、今「うわー痛い」って思った人!真面目に挙手!)


「ねー速く行こ朱音さん!飛李寺はともかく、絢也がぶちギレちゃうよ!」


「んーあーそうだね~。絢也ぶちギレると面倒だし」


そんな真子に腕を引かれつつ歩き始める朱音。


他の人からみれば異様な光景だが朱音とっては当たり前の日常。


たわいもない話をしながら学校に向かう。

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