第三話 人としての死に方
として死ぬとは何か、幼き頃の王子は隊長たちが経験した戦での話を聞いて以来考えるようになった。
酒を酌み交わしていた部下は明日には両腕を失い二度と戦えず、神の元へはいけないと悟り何処かへ消えたという。
腕が無いのに何処へ消えるというのか。
誰かに懇願して城から逃してもらったのか。
街の路頭に両腕のない者が倒れていたらしいが、そいつではないか?
などの噂もあったという。
王子は城の書庫や教会を訪ね、人の生死について調べた。
そこで、人の生死に記されている多くの物に登場したのが、神の存在があった。
「神は、我ら迷える魂に身体をお与えになった。そんな神から頂いた身体を粗末に扱うことはこの世では許されず。
身体の一部でも無くすと神への道は歩けず再び迷える魂となりこの世に生まれ変わる。
神の元へ行くには三つ条件がある。
一つ目は罪を犯したとしても許されること。
二つ目は身体を失わず保つこと。
三つ目はその身体の生を全うする時には金貨を一枚手に持っていること。
である。
これは誠実と忠誠と勤勉の証であり、人として死に方だ。」と。
少年はこのことを神父にも尋ねた、神父は今どき古い神への興味を持っている事に関心し、人の罪を代わりに許す詞おとを特別に教えてもらった。
身体を保ち、勤勉に働いていても、昔の罪を許してくれる相手はこの世にはいない人へ向けられた救済であるという。
少年は人としての死に方を覚えられ嬉しかった。
他の人が知らないような詞も知れ、人の生死の知識への欲求は満たされた。しかし少年は、腕を無くした兵士を思い出した。
身体を無くした者が救われないのは何故か、戦で国ために戦い身を投じているのに、またこの世に生まれなければならないのか。
少年は再び書庫へ赴き解決策を探った。
「必ず、身体を無くした人でも救われる道があるはず。」




