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第2話 繁栄たる国


 かつてこの国には立派な王がいた臣家に暖かく、民に優しかった。そんな彼には息子がいた、その息子はいつも厳しい訓練で怪我をして帰ってくる兵士を気遣い、自ら手当を施していた。





「王子、いけません、あなた様のお召し物が血で汚れてしまいます。」





兵士たちは訓練で疲れているにも関わらず大きな声で王子の行為を拒もうとする。





「僕の服が綺麗なら君たちの怪我は良くなるのかい?」





少年は得意げに言い兵士たちを黙らした。


一度これを言ったときに兵士が口答えできない事を知ったので


このセリフを、使いまわしている。





「大したことはことはない、こら、動くな。」





兵士たちは手当をして頂いている事と今、自分がされている行為は正しいのか葛藤し、ジタバタしている。




次は私が手当されるのか慌てふためいている兵士が


渡り廊下を歩いてらっしゃる王の姿を見て、呼び止めた。





「王よ!」





王に王子がなさっている事を報告した。





「失礼ながら申し上げます。我ら兵士の身であり訓練の際にできた傷を王子自ら手当していただくのは些か恐れ多い行為であり、我ら兵士は非常に困り果てている次第であります。」





休憩中の兵士達から笑い声が少し聞こえた。





王は眉を(ひそ)め、息子に王たるかは何かを叱ろうとした。





しかし少年は笑顔で





「父上がお怪我をなさっても僕が治してあげますよ」





と素直な目で言われた。





「そうか・・・」





王は心優しい言葉に強く言い返せなかった。





 少年は大きくなり成人になった。


兵士たちを手当てしていた経験とこの国の過去の神の存在を知った事により。




人を治す力を持つ、医学と神の元へ送る儀式もを修身した。




身体の構図を熟知し、神学を学んだ。





しかし王子は政治には全く興味がなかった。




小さい頃から大人たちの会話を父の元で聞かされ、言葉通りではない腹の中、見透かせる悪意を知っていたからである。





そんな大人たちの中でも心許せる人たちがいた。





この国の()()の隊長たちである。





彼らは各々の軍を率いて、数々の勝利をもたらしてきた。


自国では英雄であり。他の周辺国では死神(しにがみ)と恐れられている。





「王子、暗い顔をしていますな、そんな顔で怪我の治療をしてもらっては、傷が深くなりまする。いつも王子の笑顔で我らは救われておるのですよ」





王子は、この年でも兵士の怪我の手当をいていた。





「それもそうだな、だが最初に、父上に兵士への手当てを報告したのは、お主だろ!」





「そうでしたな、あっはははは、ですが今までご恩は決して忘れませぬ、何があろうと王子をお守りします。」



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