198.セーフハウスとバトルハウス
俺たちは、『箱船ブロック』を出て、残りのガチャ引当品の確認をすることにした。
ちなみに、この『箱船』は、『召喚キー』を使って『送還収納』という発動真言を唱えると、いつでも専用の亜空間にしまうことができる。
ただし、この専用の亜空間は、『大剣者』の『亜空間収納』や魔法カバンや『アイテムボックス』スキルと決定的に違うことがある。
それは、この箱船の中に人がいたとしても、人ごと専用の亜空間に収納できてしまうということだ。
通常の亜空間収納系のスキルや魔法道具は、魂のある生き物は収納できない。
だが、この箱船専用の亜空間は、収納できてしまうらしい。
これについての『大剣者』の推測は、亜空間収納系のスキルで使われる亜空間とは、質的に異なる種類の亜空間ではないかいうことだ。
もしくは、亜空間の中に生物が生存可能な空間が作ってあって、そこに接続しているのではないかとのことだ。
その場合は、収納というよりはゲートでの接続と考えたほうがいいようだ。
もしそうだとすれば、かなりの長い期間収納した状態にしていても、中にいる人間や生き物は食料さえあれば生きていけるだろう。というか、普通に暮らせるのではないだろうか。
そんなふうに思い、『ブラックノア』に確認してみたら、やはり亜空間の中に専用の生存可能な空間が作ってあって、そこに接続するゲートのようなものとのことだった。
そして、食料等の問題がなければ、長期にわたって生存可能とのことだった。
なんか……付属品のような感じの専用の亜空間も、めちゃくちゃ凄いものだった。
そんな話をみんなでして少し落ち着いた後に、次なる『ビルドブロック』の確認に移った。
それは、『セーフハウスブロック』だ。
『極上級』階級のアイテムである。
さっきと同じ手順で『召喚キー』を使って、亜空間から召喚する。
召喚先は、港の上の開けた場所だ。
……そこに現れたのは、大きめの馬車だった。
馬車の中では、最大級と言えるだろう。
軍で使う兵士輸送用の大型馬車と同じくらいだ。
頑丈そうな車輪が、左右合わせて四つ付いている。
馬車の色は黒で、先程の箱船『ブラックノア』と同じ感じの色合いだ。
以前、手に入れた戦車こと鋼鉄馬車に比べても少し大きい。
それでも、ギリギリ街中でも走行可能な大きさだ。
俺は、『アナライズ』を発動して、詳細を確認する。
それによると、やはり内部の空間は十倍の広さに拡張されている。
そして、『セーフハウス』という名前の通りに、隠れ家的に使える仕様になっていた。
存在を隠蔽する機能があって、外部から見えなくすることができるらしい。
それでいて、この『セーフハウス』の中からは、外の様子が確認できる機能があるようだ。
のぞき穴のようなものもあるし、外の映像を映し出すような装置もある。
馬車の形状をしているだけあって、馬などに牽引させて馬車としての運用が可能だ。
“移動隠れ家”といったところだろう。
ちなみに海を航行したり、空を飛んだりというような機能は無い。
中に入ると……十倍に拡大されているだけあって、かなり広い。
家の中に入った感覚になるくらいだ。
というか、家だな。
なにせ馬車後方の出入口から中に入ると、玄関のような空間があり、その奥に廊下があるからな。
その廊下には、いろんな部屋へのドアがある。
調理場、食堂、トイレ、風呂、みんなで集まれる広い空間、個室という感じの作りだった。
この『セーフハウスブロック』には、会話可能なサポートAIの機能はないようだ。
だが運用をサポートするシステムはあって、それを利用して改装したりできるようだ。
ごくシンプルな魔法AIのようなものがついているのだろう。
武装はないので、隠れ家に特化したブロックのようだ。
住むための機能と、隠れるための機能と、移動できる機能のみと考えた方がいい。
前に手に入れた鋼鉄馬車も空間拡張の術式が使ってあって、快適な居住空間を作ったが、それの上級版といった感じだ。
ちなみに、鋼鉄馬車は内部の空間が五倍に拡張されていた。
機能的に被っている気がするが、今回手に入れた『セーフハウスブロック』の方が、はるかに高性能である。
『光学迷彩』という機能があって、周囲と完全に溶け込むことができる。
馬車として馬に引かせることもできるが、馬を使わずに自走することもできるので、その状態で『光学迷彩』を使えば、周囲に認識されずに移動できるかもしれない。
まぁ移動に伴う音が出るだろうし、道には車輪の跡が残るから、とても奇妙というか怪奇現象みたいな感じにはなりそうだが。
次は、『バトルハウスブロック』だ。
『究極級』階級のアイテムで、レア相当だ。
早速、『召喚キー』を使って召喚した。
見た目は、先程の『セーフハウスブロック』と同じ馬車の形状になっている。
『バトルハウスブロック』は、戦闘用の馬車であり、いくつもの武装が内蔵されていた。
魔砲や魔針丸という遠距離攻撃武器が、多く内蔵されていた。
魔針丸というのは、俺も仲間たちも初めて聞くもので、特殊な針や丸薬のような鋼鉄の塊を連射する特殊武器のようだ。
他には内蔵腕あり、剣を持って攻撃することもできる仕様になっている。
そしてやはり自走ができるので、敵の中に単独で突っ込んで暴れまわるという戦い方もできそうだ。
ただ動きはそれほど速くないみたいなので、運用は結構難しいかもしれない。
避けることを考えずに、敵陣の中で遠距離武器を一斉発射とか、内臓腕で剣を振り回すとか、そんな無茶苦茶な戦い方をするしかないかもしれない。
後は、防衛戦の時に守りの拠点として使って、遠距離から攻撃するような使い方はできるだろう。
馬車内部は、もちろん十倍の空間に拡張されていて、作戦指揮ができる指令室にもなっていた。
船のブリッジに似ている感じだ。
外の状況を映し出すモニターが、いくつも装備されていた。
他にもいろいろな機能があるようだ。
先程の『セーフハウスブロック』と同じで、海上航行したり飛行したりはできない。
会話ができる魔法AIはやはり装備されていないが、声に出して指示をすることで武装を展開して攻撃したり、走行したりということができるみたいで、簡易型の魔法AIは装備されている。
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