表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/228

134.名付けと新たなハイクラス

 俺は、名前をつけてほしいという『ハーピー』の族長の頼みに応えてしまった。


 だが、よく考えたら名前をつけるっていうのは、意外と難しい。


 今のマザという名でいいような気がするが……マザという名前を俺が新たに付けて、上書きしてたらダメなんだろうか?

 ……まぁダメか。

 そもそも、上書きできてるかどうかわからないし。


 うーん、真面目に考えないと……


 『ハーピー』の族長……リーダー……女王のような存在……クイーン……クインなんか、どうだろう?


「例えば……クインなんてどうかな?」


「クイン……素晴らしい響き。ありがとうございます」


 族長はそう言うと、改めて跪いた。

 気に入ってくれたようで良かった。


 そこで俺は、頼まれた通り『光魔法——光の洗礼』をかけた。

 実際にどの程度意味があるかわからないが、そう望まれたし、浄化することによって、何らかの良い効果もあるかもしれないと考えたのだ。


 すると族長は、「はぁん」という色っぽい声を漏らし、体を震わせた。


「ヤマト様、これはやはり凄いです!

 通常時でも使っていただくと、何か身も心も洗われるようです。

 そして頭が、思考が、すっきりします。

 今にして思えば、以前は意識に少し靄がかかっていたようにさえ感じます」


 族長はそう言うと、恍惚の表情になった。


 色っぽすぎて、俺的にはちょっと微妙だ。

 まぁ喜んでくれているから、いいけど。


 そのまま名前をつけてしまうことにした。

 人に名前をつけるなんて、とても神聖なことだ。

 急にそんな気持ちが、芽生えてきた。


 深呼吸をして精神を統一すると、自然に右手が前に出た。

 跪いている族長の頭に、手を翳す。


「命名、クイン」


 『命名』スキルを持っているわけではないが、いかにも持っている風にやってしまった。

 なぜか自然に、言葉が出てしまったのだ。


 すると、ほんの一瞬、族長が光ったような気がした。


「あぁ、これは……。

 ヤマト様、自分のステータスを確認しました。

 名前が上書きされています。ありがたき幸せです」


 おお、上書きできたのか!


「それは良かった」


「はい。そして、体に力が漲っています。

 やはり力のあるお方に名前をつけていただけると、良い効果があるのは間違いないようです。

 まだ自分の変化を完全に把握したわけではありませんが、少なくとも今レベルが1つ上がりました!

 レベル60に到達いたしました!」


 クインは喜びに打ち震えている。


 名前をつけたことによる効果は、いろいろなものがあるようだが、クインの場合は、レベルが1つ上がったようだ。


 まぁ元々上がる寸前だっただけかもしれないが。

 さっき『アナライズ』したときに見たが、彼女は、レベル59だったのだ。


 それでも名前をつけただけで、いくばくかの経験値が入り、レベルアップの後押しにはなったわけだ。


「これは……」


 クインが驚きの声を上げ、固まっている。


「どうかした?」


「は、はい……レベル60になったことにより、クラスチェンジが発生しました」


「クラスチェンジというと、ハイクラスにクラスアップできるってこと?」


「そうです。ただ驚いたのは……言い伝えにない新たなクラスが表示されているからです……」


 驚きを引きずりつつ、少し呆然としながらそんなことを言ったので、詳しく尋ねてみた。


 それによると、『オリジン』と呼ばれる特殊な魔物は、そのほとんどがレベル60を超えると、ハイクラスにチェンジできるらしい。

 ただ『オリジン』の中でも、もっと低いレベルでハイクラスにチェンジする種族もあれば、クラスチェンジが発生しない種族もあるらしい。


 そして『ハーピー族』に伝わっているハイクラスは、四つあり、特殊な事情がない限りは、その四つの中のどれかを任意に選べるのだそうだ。


 これは、『ハーピー族』特有とまではいかないが、かなり珍しいことらしい。


 通常は、クラスチェンジの先は一つの場合が多く、複数あるとしても、二つくらいで、四つというのは他には無いのではないかとの事だ。


 そして、伝えられている『ハーピー族』のハイクラスは、『アエローハーピー』『オキュペテーハーピー』『ケライノーハーピー』『ポダルゲーハーピー』の四つなのだと言う。


 『アエローハーピー』は、風魔法特化型ハーピー、『オキュペテーハーピー』は、高速飛行特化型ハーピー、『ケライノーハーピー』は、雷魔法特化型ハーピー、『ポダルゲーハーピー』は、地上高速移動特化型ハーピーという感じで、大体の特性が決まっているらしい。


 そこまでは良いのだが、今クインが確認したところによると、この四つに加えて五つ目のクラスが表示されていると言うのだ。

 それが言い伝えにもない、見たこともないクラスで、驚いたようだ。


 五つ目のハイクラスは、『ハッピーハーピー』というらしい。


 なんとも幸せな気分になるクラスだが……なぜそんなクラスが突然現れたのか?


 クラスチェンジ先の簡単な特徴が表示されるらしく、それによると『ハッピーハーピー』は、手が生えて、より人型に近い構造に変化するのだそうだ。

 武器等が使えるオールラウンダー型ハーピーと表示されているらしい。


 俺にそんな説明をしたことで、落ち着きを取り戻したクインは、この新たなハイクラスにチェンジしても良いかと、許可を求めてきた。


 だが、俺に許可なんて求める必要は無い。


 自分の好きなクラスにチェンジして構わないと伝えた。


 すると、早速クラスチェンジすると言う。


 種族のクラスチェンジに立ち会えるなんて事は、滅多にないことだ。

 俺としても、嬉しいし、少し興奮している。


 さて、どうなるのか……




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。


次話の投稿は、明日の予定です。


もしよろしければ、下の評価欄から評価をお願いします。

励みになります。


ブックマークも、よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] > そして、伝えられている『ハーピー族』のハイクラスは、『アエローハーピー』『オキュペテーハーピー』『ケライノーハーピー』『ポダルゲーハーピー』の四つなのだと言う。  ハルピュイア4姉妹。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ