01
ラフマー温泉郷を後にして、ちょうど1週間。
特に大きなトラブルもなく、順調だ。
俺が定期的に回復魔法かけてるから、皆歩き疲れたりしないしね。
まあ、のんびり旅を楽しんでるよ。
「ヨシト、そろそろ暗くなるから今日はこの辺で休む?」
「そうだな…」
サッちゃん、この辺に良さそうな場所はある?
(もう少し東へ進むと、小川が流れています)
そこにするか。
いつもありがとうね、さすがサッちゃん。
「もう少し行けば小川があるみたいだから、そこでテントを設置しよう」
「了解」
「分かったわ」
◇◇◇◇
水底が見えるほど、澄んだ小川。
ヤマメっぽい魚の影が見えるな、釣りでもするか?
まずは結界を……ん?
何だろう、この気配。
かすかに引っかかる、今にも消えそう気配。
いや、これ死にかけてるんじゃ?!
「ヨシト、どうしたんだい?」
「あの、ちょっと待っててください!」
魔力の気配を辿っていけば……
いた!あれだ!!
(スタースライムですか、珍しいですね)
スタースライム?
とりあえず鑑定!
名前:ポムポム
種族:スタースライム (幼体)
状態:瀕死
生後間もない個体。
母親から魔力の供給を受けなければ生死に関わる。
リンドール家の従魔。
いや、瀕死って!
従魔なら、使役する主人がいるだろうに、放置かよ。
こういう場合、どうすれば…
(おきないの?)
ハクはスタースライムの元に飛んで行くと、不思議そうに前足でつついている。
「…これも何かの縁だもんな、見つけたからには助けてやるか」
野球ボールほどの、小さなスライム。
身体は藍色で、全体にラメが散りばめられたような煌めきがある。
名前のとおり、まるで星空みたいだ。
今たすけてやるからな。
(まずは魔力の波長をこのスライムに合わせて下さい)
よし、ちょっと難しいけどイケる。
サッちゃん、次は?
(針の穴に糸を通すように、ゆっくりと魔力を注いでください)
魔力操作だな。
(一気に魔力を注いでしまうと、スライムが弾けとびます)
今にも消えそうな、小さな命。
せっかく生まれてきたんだろ、頑張れ。
少しずつ、少しずつ。
しばらくすると、スライムの身体が淡く発光してきた。
(大丈夫そうですね、最後に回復魔法を)
よし、任せろ!
手の中でプルプルと震えるスライム。
(わぁい、なおった!)
キュウ?
あ、ヤバい。
こいつ可愛い……!
ニャウニャウ
キュウキュウ
ハクとスライム、あれで会話が成立してるのか?
とりあえずスマホ型カメラで撮影しとこう。
(ますた、このこね、まいごだって!)
迷子か…でも、何となく状況が怪しいんだよなぁ……
このスライム、送ってやった方がいいんだろうか。
とりあえず皆に相談して見よう。
「えっと、ポムポムだっけ?とりあえず一緒においで」
はぁ…平和な旅路よ、さようなら。
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