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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第4章 温泉郷の賢者様
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閑話:魔王の後悔


私の名はフリードリッヒ・キーリス。

ここ、キーリス魔王国の王である。


王としてはまだ若輩なのだが、今の所問題はない。

我が国は豊かで、歴代国王の悲願である全土統一も夢ではないだろう。

側近の中には、先代の頃より仕えてくれている者もいる。


「魔王様、私に何かご用でしょうか?」


宰相のベネフィアット・ゾールディー。

中でも、この男は別格。

先代が魔王になる前からの忠臣で、私が幼い頃は教育係だった。



『良き王となるには、あらゆる知識が必要です』

『はい、ゾールディー先生!』

『まずはキーリス魔王国の歴史を学びましょう』

『はい!』

『政治にマナー、勉強以外にも学ぶことはたくさんありますからね』



そのせいか、今でも目の前にいると緊張する。

……おかしい、私は王のはずだが。


「そなた我が国が誇る賢者であり、忠臣だ」

「恐れ入ります」

「だが、いつまでもそなたに甘えていてはいかんと思うのだ」


近衛騎士団長のバードメラが素晴らしい提言をしてくれた。

要するに、主要な役職の代替わり。


「代替わり、ですか」

「うむ…王国の新たな時代を新たな世代で作りたいのだ」


無論、相応の報酬は用意している。

もう8000歳を超えているのだから、ゆっくり隠居するがいい。


幸いにも快く申し出に同意してくれて、これで一件落着。

新たな宰相職には、バードメラの縁者を起用。

さあ、新たな王国の時代を築くのだ!!




◇◇◇◇




おかしい、こんなはずではなかった。

何故、こんなにも書類が増えたのだ?

それだけではない、色々な報告が滞って情報が入ってこない。


え? 前宰相がいなくなったから?

私に渡すべき書類と不要な書類の振り分け、前宰相がやってたのか。

知らなかった…ちなみに、それ代わりにやってくれる人は……無理?

ベネフィアット・ゾールディーの抜けた穴は、予想以上に大きかったらしい。


それだけではない。

人望も厚く、後を追って退職した者たちも少なくないらしい。

各部署から、増員願いが出ているとの事。


宰相、すぐに手配を。

え、無理?もう辞めたい?

1周間不眠不休で働いてるって…ほら、泣くな。

おい、誰か宰相を医務室へ。


こうなったら、最後の手段。

誰か、急いでゾールディー家に使いを出すのだ!

王が急用で呼んでいると伝えてくれ、頼んだぞ。


目の前には、高く積み上げられた書類の山。

こんなはずじゃなかったのに。

いつも支えてくれていた宰相を追い出した罰なんだろうか。


新しい宰相は病気療養で長期休暇願いを出してるし。

何もかもが、メチャクチャだ。




「大変です!ゾールディー家は空っぽで、何処かへ引っ越したと…!!」


ゾールディー先生ごめんなさい。

土下座でなんでもしますから、助けて下さい。

お願い、帰ってきて。


読んでくださって、ありがとうございます。

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