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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第4章 温泉郷の賢者様
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ラフマー温泉郷には、いくつかの温泉宿がある。

そして、その殆どが入浴のみの利用も可能だ。

というわけで、今日は雪兎亭以外の風呂に入ろうと思う。

カリナとランも一緒に、朝風呂だ。

マリーレインさんはまだ寝ていたいということでパス。

ハクも、意外と気の合うらしいロザリアと部屋で留守番。

頼むから、ロザリアにおかしな影響受けないでくれよ…


「あ、ヨシトあそこじゃない?」


宿に置いてあった、"ラフマー温泉マップ"を参考に選んだ露天風呂。

眺めが素晴らしくて、紅葉した山々が眼前に迫ってるんだとか。


「おっきいお風呂は気持ちいいのじゃ!」

「髪洗ってあげるわね、ランちゃん」

「うむ!」


仲が良くて何より。

ランはハクと並んで、すっかりうちのパーティのマスコットだな。


「大人2人と子供1人」


料金を払って、俺は男湯。

ランとカリナは女湯へ。

カリナのおかげで、ゆっくり入れるよ。


「ラン、カリナの言うこと聞くんだぞ」

「わかったのじゃ!」

「大丈夫よ、ランちゃんは良い子だもんね」

「うむ!」


そこへ、通りがかったご婦人たち。


「あらあら、仲の良いご家族ね」

「お若いパパとママだこと」


パパとママって、俺とカリナ?

カリナも言われた意味を理解した瞬間、顔が真っ赤になった。


「じゃ、じゃあまた後で!」

「うわぁ、引っ張らないで欲しいのじゃ〜!」


ランを引き摺るように女湯に入っていくカリナ。

何か照れるな、こういうの。

さて、俺も風呂入るか。




◇◇◇◇




露天風呂にはあまり人がいなくて、ラッキー。

時間帯のせいもあるのかな?

混み合ってなくて良かったよ。


「ふう」


掛け湯をして湯に浸かる。

どれどれ、眺めが良いのは奥の方かな?


「おぉ〜、すごいな!」


露天風呂から手を伸ばせば届く距離に、色づいた木々。

紅に黄色に、見渡す限りの紅葉。

いいねぇ、これぞ露天風呂の醍醐味。



「ランちゃん、待って泡を流してからよ!」

「泳ぐのじゃ〜!」

「ダメよ、ほら待って…待ちなさい!」



カリナとランの声が、壁を挟んで男湯にまで聞こえてくる。

他人のフリ…ごめんカリナ。

あとでアイスでも奢るよ……


ゆっくり景色と湯を堪能して男湯から出ると、2人は先に出ていた。

満面の笑顔のランと、グッタリした様子のカリナ。


「楽しかったのじゃ♪」

「カリナ、何かごめん…」

「いいのよ……」

「よ、よし!アイスでも食べて帰るか!」


近くにあった甘味屋で、ミルク味のソフトクリームを注文。

うん、濃厚で美味しい。


「ほら、ちゃんと口の周り拭けよ」

「うむ」


ああもう、どうやって食べたらそんなに汚せるんだ。

口の周りがベッタベタじゃないか。

アイテムボックスから、ランのミニタオルを取り出して拭ってやる。


「ヨシトって、本当に面倒見がいいよね」


え、そうかな?


「ハク様やランちゃんはもちろん、押しかけてきた私や先生まで面倒を見てくれて」

「まぁ、仲間だしね」

「…私ね、ヨシトに謝りたかったの」


謝る?

カリナに謝ってもらう覚えはないけど。


「ハク様の事よ…私、出会い頭に怒鳴りつけちゃったでしょう?」

「何だそんな事か、もう気にしてないよ」


あれは、全面的に女神様のせいだから。


「でも、ちゃんと謝りたかったの」


淡いピンクと紫のオッドアイが、思いつめたようにこっちを見てる。

ずっと気にしてたのかな、カリナは真面目な所があるから。


「許すよ、俺は気にしてない」

「ありがとう、ヨシト…」


思わず、ドキッとした。

涙で少し潤んだ瞳、心から嬉しそうな笑顔。

可愛い、よなぁ…やっぱり。


「少し、散歩して帰ろうか」

「うん!」



(青春ですね、マスター)


17歳、青春して何が悪い!


(中身は三十路のはずですが)


……ほっといてくれ。



「ソフトクリームおかわりなのじゃ!」


あ〜、ハイハイ。

すいません、ソフトクリームもう1つ下さい。


読んでくださって、ありがとうございます。

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