08
「いくら何でも酷いと思わんか?儂は国のために…聞いとるのか?」
「聞いてるよ」
何でこうなった。
あれから、何故か俺は元宰相の愚痴を聞かされていた。
風呂場では落ち着かないので、元宰相…爺さんでいいや。
爺さんの家に場所を移してる。
こじんまりした家は、思いのほか片付いていた。
「薄情な奴らめ、儂がいなくなって困ればよいのだ」
「まあまあ、ほら串焼き肉食うか?」
この人、魔王や魔王国への愚痴が止まらないんだけど?
あ〜、ハイハイ聞いてますよ。
「どうせ、近衛騎士団長が進言したに決まっとる!」
「はあ、近衛騎士団長っすか」
「うむ、バードメラ家は代々我がゾールディー家と対立しておってな」
「へぇ」
「王城内での地位を固めるため、儂を排除したかったのだろう」
話半分に、適当に相づちを打つ。
聞いてる聞いてる、ほらエール飲めよ。
「魔王がはな垂れ小僧の頃からお世話してきたものを…!」
俺、そろそろ帰りたいんだけど。
こうなったら強制終了だ。
魔法で眠らせよう。
「スリープ」
「ふがっ…グウゥゥゥ〜〜〜……」
やれやれ。
変な人に関わっちゃったよ。
トッケイに後を頼んで、俺は退散。
じゃあな、願わくばもう関わり合いになりませんように。
◇◇◇◇
ぽすん!
(ますた、おはよ!)
ハクが胸の上に飛び乗ってきて目が覚めた。
うん、今日も可愛い。
「おはよう、ハク」
「腹がへったのじゃ!」
ランは腹ペコらしい。
ラン、おはようくらい言おうな。
朝食後は、朝風呂と洒落込むもうか。
着替えて部屋を出ると、隣の部屋をノック。
もう起きたかな?
コンコン
「はぁい…あらヨシト」
「おはよう、カリナ」
おおっと、まだパジャマでしたか。
大きなりぼんが胸元についた、ベビーピンクのパジャマ姿。
下ろした髪も新鮮で、ちょっとドキドキする。
「あの、朝食どうする?」
「ありがとう、朝風呂に入ってからにするわ」
「そっか、じゃまた後で」
ジリリリリ……!!!
突然、けたたましく鳴り出したベル。
これって非常ベルだよな?
上空に大きな魔力反応があるな、原因はこれか。
「カリナ、急いで身支度を!」
「分かったわ!!」
おいおい、今度は何があった?
俺の称号、仕事しすぎだろ!!
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