06
夜、ハクとランを寝かしつけてから露天風呂へ。
一応、寝かしつける前に露天風呂行ってくるよって断ってる。
ー2人とも、一旦寝たら朝まで起きないから大丈夫だろうとは思うんだけどね。
「男湯はこっちだな」
暖簾を潜って脱衣所へ。
どうやら誰もいないらしい、ラッキー。
いそいそと服を脱いで風呂へ…
「これは……」
満天の星空の下で露天風呂。
最高じゃないか。
掛け湯をして身体を湯に沈めれば、少し熱めの湯が心地良い。
「極楽〜…」
やっぱり温泉に来て良かったよ。
こっちの世界に来てから、多少のトラブルはあるけど概ね幸せだ。
ハクっていう可愛い相棒にも出会えたしな。
仲間もできたし、毎日楽しい。
願わくば、トラブル巻き込まれるのだけは避けたいところだが。
トラブルか。
トラブルと言えば、あの爺さん…
「魔族って言ってたな…」
サッちゃん、魔族ってどんな立場なの?
人族とかエルフとか、魔族と仲悪かったりする?
(はい、とても険悪です)
そうなんだ…
(魔族の国…キーリス魔王国は別の大陸にあるのですが、世界征服を目標に掲げています)
傍迷惑な…魔王国ってことは、王様は魔王?
(はい、今代の魔王は比較的温和な性格だと言われています)
温和な性格だろうが、魔王は魔王。
絶対関わらないようにしよう。うん。
(魔王が相手でも、マスターなら問題なく勝てるのでは?)
魔王と対決とか、そんな目立つ事はしません!
そういうのは勇者の役目だ。
いるよね?勇者。
(はい、います。ただ…ここ数十年、勇者が現れたという報告はないようですね)
勇者に魔王か…ほんっとファンタジーだな、
そういえば、トッケイが魔力の残滓を辿って…って言ってたっけ。
あれって魔力感知だよね、サッちゃん。
(恐らく、ミラージュの魔法からマスターの魔力を辿ったのでしょう)
なるほど、俺もやってみよう。
えっと、まずはハク……お、これだな。
問題なく皆の魔力を把握。
これは発動させたままにしておこう、いざという時に便利そうだ。
そうだ、トッケイの魔力を辿っていけばあの爺さんもいるかな?
………ん?
(マスター、どうしました?)
気のせいかな、近くにいるような…
むしろ、近づいて来てる?
ドドドドド………
バタン!!
「見つけたぞ小僧!よくも気色の悪い幻影なぞ見せてくれたな!!」
げ、あの覗き爺さんかよ…
せっかく露天風呂を堪能中なんだぞ、こっちは。
邪魔しないでもらおうか。
こういう時は無属性魔法の……
「グラヴィティ」
「ぐえっ!!」
爺さんにだけ、通常の倍以上の重力がかかってます。
潰れたカエルみたいに地面に這いつくばって、うめき声を上げている。
「話なら後で聞くよ、少し待っててくれ」
「ぐっ、こ、こぞ…っ、うぐぐぐぐ…!」
すごいな、重力3倍でも動けるのか。
じゃあ4倍、いってみよう。
「ご、ごべんださい………ゆるし、ぐえぇぇぇ……」
「サイレント」
耳障りなうめき声は魔法でシャットアウト。
とりあえず、露天風呂を目一杯堪能させていただきました。
あ〜いいお湯だった。
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