05
そういやあの爺さん、人族に偽装中だったよな?
てことは、本来の種族は何なんだろう。
従魔なら知ってるよな?
おいトカゲ、ちょっと聞きたいんだけど。
(トカゲ言うな!俺様の名前はトッケイだ!)
体長10センチもないくせに、偉そうだなコイツ。
じゃあ、トッケイ。
俺たちの部屋覗いてたのは、爺さんの命令か?
(ふん!俺様は口が固いんだ)
ぐぎゅるるる〜〜
響き渡る腹の音。
トッケイ、空腹なのか?
恥ずかしかったのか、プルプル震えてる。
(い、今のは違うんだからな!)
はっはっは、気にするな。
ほ〜ら、美味しいチョコレート饅頭だぞ〜
トッケイの視線は饅頭に釘づけだ。
(う、美味そう……)
ちょっと質問に答えてくれたら食べていいぞ?
何ならおかわりもある。
(しょ、しょうがねぇな)
よし、じゃあまず、俺たちの部屋を覗いてた理由は?
(主が、どんな奴か調べてこいって)
調べる理由を言ってたか?
(仕返ししたいからって。お前、何したんだ?)
自分のやった事棚に上げて、逆恨みかよ…
とんでもない爺さんだな。
(魔力の残滓を辿ってお前を特定したんだってさ)
そんな事出来るのか、魔力感知?
最後の質問だ、あの爺さん何者だ?
人族に偽装してるのは分かってる。
(へぇ、主の偽装を見破ったのか…)
まあ、鑑定さんが教えてくれたんだけどね。
(主は魔族だよ、こっちじゃ魔族は嫌われてるから偽装してるんだ)
魔族か…サッちゃんに後で詳しく教えてもらおう。
ほら、この饅頭食っていいぞ。
で、物は相談なんだが…
「俺らについては、ごく普通の温泉客とだけ伝えてくれないか?」
どうせ、ここには数日間しか滞在しないんだし。
これ以上関わり合いになりたくない。
(いいけど…うちの主、しつこいぞ?)
………全力で逃げよう。
おかわりまでしっかり食べて、トッケイは戻っていった。
何だか嫌な予感はするが、とりあえず忘れて温泉を楽しもう!
さあ、お楽しみの夕食タイムだ!
◇◇◇◇
皆と合流して、宿に併設のレストランへ。
「うぉ、鍋か!」
洋風だが、これは確かに鍋料理!
上品なコンソメスープに、新鮮な野菜やお肉…
魔石で動くコンロの上で、ぐつぐつと美味しそうに煮えている。
いいねぇ、温泉に鍋とか最高じゃないか。
「皆さん、たくさん召し上がって下さいね」
ありがとうございます、レーヌさん。
「うん、いっぱい食べる!」
ロザリア、常識の範囲内で頼む。
それにしても……
「ヨシト、どうかした?」
「いや、何でもない」
隣に座るカリナから、ふわんと香る石鹸の香り。
湯上りでほんのりピンクに染まった頬といい…眼福!
ごちそうさまです!
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