04
宿には、露天風呂と屋内の大浴場、そして家族風呂がある。
家族風呂は予約制になっていて、従魔と一緒に入ることが出来るんだ。
露天風呂は後で1人で入るとして、まずは家族風呂だな。
ハクとランと3人で、温泉を堪能しよう。
「すいません、家族風呂の鍵を下さい」
「はい、ごゆっくりどうぞ」
少し長めに、2時間の予約を入れてある。
サッちゃん、ここの泉質は?
(腰痛、肩こり、あと微量ではありますが、魔力の底上げ効果があります)
泉質までファンタジーだな。
でも、肩こりに効くのはありがたい。
最近肩こりが気になってたんだ。
何せ、ずっと頭の上にハクを乗っけてるからさ。
「結構広いな」
家族風呂は、宿の離れにある。
中に入って鍵をかけたら、さっそく服を脱いで風呂へ。
これは檜風呂?鑑定…ロロアっていう木で作られてるらしい。
木の香りでリラックス効果アップだ。
(おふろ!)
「大っきいのじゃ!」
湯船は大人が5〜6人入っても余裕がありそうな大きさだ。
家族風呂と呼ぶには豪華すぎるような…
お、窓からは紅葉が見えるのか。
(ランちゃ、め!)
「何がダメなのじゃ?」
(あらうの〜!)
どうやらランは、かけ湯もせずに湯船に飛び込もうとしたらしい。
ハクは俺の説明を覚えていたようで、必死に止めようとしてた。
「ラン、先に身体を洗うって教えただろ?」
「あ、忘れてたのじゃ」
(忘れる、ダメ!)
「ごめんなのじゃ」
ランがハクを洗い、俺がランの背中を流す。
洗い終わったら、ランの長い髪をタオルで頭上にまとめてやった。
「あぁぁ〜〜〜…………」
気持ちいい……!
手足を伸ばして、首まで湯に浸かる至福。
「ふいぃぃ〜〜〜…」
隣でランも蕩けている。
ハクも、仰向けのままで湯船に浮かんで気持ち良さそうだ。
よく見ると、お湯に含まれた魔力がキラキラしてるな。
後で、露天風呂にも行ってみよう。
いやぁ、ラフマー温泉郷に来て良かった。
◇◇◇◇
風呂上がりは通販スキルで購入したジャージに着替えた。
冷たいジュースを飲みながら、魔法でランとハクの毛を乾かしてやる。
ドライヤーより便利だな。
(ますた、きもちい)
「冷たいお水飲もうな」
湯上り、水分補給はしっかりと。
そろそろ夕食時だな、外も薄暗くなってきた。
「………ん?」
窓の外、へばり付くようにしてこちらを見つめる…ちびトカゲ?
こういう時は、鑑定。
種族:羽根トカゲ (従魔)
従魔? つまり、誰かに使役されてるって事か。
何で俺たちの部屋を覗いてるんだ?
とりあえず、窓を開けて捕獲。
もうちょい詳しく鑑定してみよう、誰が主人だ?
名前:トッケイ
種族:羽根トカゲ (従魔)
主人:ベン・ゾールディー
あ、あの覗き爺さんか!
変なのに関わっちゃったよ……
何で俺の事が分かったんだ?
ヒョイっと摘み上げれば、放せとばかりにジタバタするトカゲ。
コイツ、どうしたもんか…
せっかくの温泉なんだから、トラブルはご遠慮願いたい。
どうか、俺の称号が邪魔しませんように。
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