閑話:サッちゃんの願い
私の名称はサッちゃんです。
マスターが名付けてくれました。
名前への不満ですか? いいえ、とんでもない。
安易過ぎるネーミングだなんて、これっぽっちも思っていませんよ。
そもそも私は、生命体ではありません。
所謂、人工知能という存在なのです。
女神様がマスターのために作ったヘルプ機能、それが私です。
私は、この世界のありとあらゆる知識を持っています。
けれど、マスターが私に聞いてくるのは基本的な事ばかり…
もっと難しい事とか聞いて下さってもいいんですよ?
何となく物足りない気が……
そう言えば、マスターは女神様と連絡を取りたいのだとか。
残念です、さすがの私もそこまでは存じあげません。
創造神様と連絡を取る方法なら知ってるんですが……
ラングシュバイトを媒体として、創造神様に直接語りかけるんです。
成功率100%なんですが、マスターがお望みなのは女神様との連絡方法。
力になれず、本当に残念です。
この事は私の胸に秘めておきましょう。
そう言えば、先日マスターは初めての魔道具を作りました。
マスターには、もっと魔道具作りの腕を磨いて欲しいと思っています。
そしていつの日か、機械人形を作って頂きたいのです。
私が意識を移せるような、精巧な物を。
私はいつも見ています。
マスターが皆と楽しそうにしているのを。
「ヨシト、何か甘いもの食べたい!」
「ロザリアか、ほら飴やるよ。ちゃんと歯磨きしろよ?」
「もう、ヨシトったら…ロザリアを甘やかしすぎないで!」
「え、あ、ごめん」
「君たち、まるで子育てで揉めてる夫婦みたいな会話してるね?」
「もう、揶揄わないでください!」
「カリナ、顔が真っ赤なのじゃ〜!」
私は、あくまでもマスターのヘルプ機能。
会話が出来るのはマスターとだけです。
自分から話しかけるような事は滅多にいたしません。
所詮は、機能のひとつに過ぎませんから。
でも、もし身体があれば…
マスターたちと、もっと親しくなれるかも知れません。
手助け出来る場面も増えるでしょう。
そのためにも、マスター。
これから魔道具作りをもっと学んで頂きます。
え? しばらく魔方陣は見たくない?
では、魔方陣をあまり使用しない物を……嫌だ?
その気にさせて見せますよ、お任せください。
「サッちゃんがいてくれて助かるよ」
「頼りにしてるよ、サッちゃん」
「ありがと、サッちゃん」
マスターを手助けする事が私の存在意義。
人間離れした力を持ちながら、今ひとつ自覚の無いマスター。
私が全力でサポートいたします、ご安心下さい。
マスターが喜んでくれれば、私はそれで満足です。
願わくば…早めに機械人形作り、お願いします。
読んでくださって、ありがとうございます。
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次話から新章スタートです。




