閑話:温泉へ思いを馳せる
「ねぇ、サマンサ聞いてるの?」
はいはい、聞いてます聞いてます…
さっきから同じことばっかり、もう耳にタコが出来るのですよ。
ほら、お茶でも飲んで落ち着きやがれです。
「先生とヨシト、急に仲良くなっちゃって…」
「 だったら、カリナもヨシトと仲良くすればいいのです」
分かりやすく赤面するカリナ。
もう、カリナの気持ちはバレバレなのですよ。
後を追ってきたくせに、何を今さら。
「じゃあ、カリナはヨシトと先生がくっついてもいいのです?」
「くっつく……」
先生はたまに暴走するけど、とっても美人さんなのですよ。
ヨシトだって、迫られたらイチコロに決まってるのです!
「だって私…ヨシトと最初に会ったとき、怒鳴りつけちゃったんだもん…」
「聖獣泥棒だと思ってたんだから、しょうがないです」
「そうなんだけど…」
ええい、ウジウジと鬱陶しい!
ここは側近として、この私が一肌脱いでやるのです。
ラフマー温泉郷…あそこには確か、混浴があったはず。
ふっふっふ…このサマンサにかかれば、カップルの1組や2組楽勝なのですよ!
そうと決まれば……
「カリナ、お風呂に入るのです!」
「えっ、何で急に?」
お肌も髪も、徹底的にお手入れするのです。
そして、ぜひともヨシトをゲットしてくださいなのです。
そうすれば、これからも私はヨシトの恩恵にあずかれるのです!
美味しいお菓子♪ ふわふわベッドで野営♪
このサマンサ様にお任せなのですよ!えっへん!
◇◇◇◇
ふむ、ラフマー温泉郷は少し肌寒いかも知れないね。
何せあそこは、少し標高の高い場所にあるから。
「えーっと、タオルに下着…」
アイテムボックスに入れてもらう分と自分で持つ分、荷物を分ける。
やっぱり、パーティにアイテムボックス持ちがいると便利だね。
ヨシトのアイテムボックスは容量も大きそうだ。
温泉では、ヨシトのガードも少しは緩むだろうか。
知れば知るほど、彼には興味をそそられるよ。
あの赤い瞳もミステリアスだしね、
ポイズン・クラーケンに、インテリジェンス・ウエポン…
刺激的な出来事の連続で、毎日が楽しくて仕方ない。
彼を追って来た自分の決断は正しかったと、つくづく思うよ。
「うん、これでいいだろう」
纏めた荷物を部屋の入り口付近に置いて、これでよし!
相棒のハルバードの手入れが済んだら、今夜は早めに休むとしよう。
ラフマー温泉郷でも、刺激的な何かが起きる事を願って。
◇◇◇◇
あのね、おんせんにいくんだよ〜!
おんせんは、おっきいおふろなんだって。
ますたがね、たのしいよって。
「ハク、温泉ではマナーを守るんだぞ?」
まなー?
「身体を洗わないまま飛び込むのはマナー違反だ」
うん、わかった!
「従魔と入れる家族風呂があるらしいから、一緒に入ろうな」
ますたとおんせん!
「妾も仲間に入れてほしいのじゃ!」
いいよ〜、ランちゃもいっしょ。
みんなでおんせん、いっぱいあそぶの。
ますたも、ランちゃも、みんなだいすき!
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