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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第3章 海底に眠るもの
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09


「イヤじゃ!」

「そう言われても…」


ラングシュバイトを説得中なう。

人目につかないよう、宿屋に戻ってきたまでは良かったんだ。

ともかく、俺はもう寝るから剣に戻ってくれって言ったら…


「イヤじゃ、このままがいいのじゃ!」


どうやら、人化したままでいたいらしい。

俺としては、剣に戻ってもらってアイテムボックスに…と思ってたんだけど。


「ずっと、剣のままでひとりぼっちだったのじゃ…」

「ラングシュバイト」

「主やハクと、一緒がいい…」


小さな子に涙目でこんなこと言われたら、断れないよなぁ…

皆に何て説明しよう……

ああもう、どうにでもなあれ。


「…じゃあ、お前の名前は今日からランだ」

「ラン?」

「ラングシュバイトのラン、覚えやすいだろう?」

「うむ!妾の名は今日からランじゃ!」

(ランちゃ、いっしょ♪)


サッちゃん、明日皆に何て説明したらいい?


(………頑張って下さい)


サッちゃん、君は俺のお助け機能だよね?!

お願い、一緒に言い訳考えて!




◇◇◇◇




「……というわけで、ランちゃんです」

「宜しくなのじゃ!」


ピシッと元気よく片手を挙げてご挨拶。

はいはい、上手にご挨拶出来て偉かったよ。

ドヤ顔しないの。え、飴?ほら、あーん。


「つ、つまりこの子はインテリジェンス・ウエポンなのかい?」


硬直する面々。

いち早く正気に戻ったのは、やはりと言うかマリーレインさんだった。


「ええ、そうみたいです」


昨夜、サッちゃんと考えた言い訳はこうだ。

ラングシュバイトは、遥か昔女神の祝福を受けた剣である。

不測の事態が起こり、海の底へ沈んでいた。

長い年月の末意識を持つようになり、人化スキルもゲット。

ただ、人化したものの剣に戻れなくなった。

しばらくこの姿で同行する。


いや〜、神剣ですなんて言えないしね!

ちょっと苦しいが、これで通すしかない。

信じてもらうため、例の翼が生えた姿にもなって見せた。

さあ、ランちゃんのダメ押しどうぞ!


「……妾、邪魔かのう?」

「邪魔なんかじゃないわ!ランちゃん、大丈夫よ」


さすがカリナ、小さな子に優しい。


「身の回りの事は、このサマンサにお任せなのです!」

「一緒にお洋服も買いに行きましょうね」


ロザリアは…


「よろしくな!お菓子食うか?」

「食べるのじゃ!」


うん、問題なさそうだ。

精神年齢近そうだしね、この2人。

仲良くクッキーを食べる暗黒邪竜と神剣…カオスだ。


「ランちゃんか…」

「マリーレインさん?」

「いや…似たような名前の剣を、古い書籍で読んだことがあると思ってね」


イヤな予感。


「神剣ラングシュバイト…創世の女神が携えているという伝説の剣さ」

「そ、そうなんですか…初耳です」


物知りっすね…さすがマリーレインさん。

全力でシラを切りますが。


「まあ、そういう事にしておこう…ふふ、実に興味深い」

「あはは…」

「本当に、君を追いかけてきて良かったよ」


(マスター、そろそろギルドへ行く時間では?)


そうだった。

ポイズン・クラーケンの買い取りやら、色々やる事があるんだった。

ほら、皆でギルドに行くぞ〜


読んでくださって、ありがとうございます。

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