08
数分後、海底に到着。
早速怪しげなものを発見した。
(マスター、魔力の発生源はこれでしょう)
海底に突き刺さった、大きな剣。
柄の部分だけが露出し、刀身部分は地中に埋まっているようだ。
それにしても、柄の大きさから察するに相当デカい剣みたいだな、これ。
しかも、禍々しいオーラが渦を巻くように取り囲んでいる。
とりあえず、鑑定。
神具:魔剣ラングシュバイト(呪)
遥か昔、女神が父である創造神より賜った剣。
手違いで地上に落とされたが、女神はまだ気づいていない。
元は聖剣であったが、長い年月を経て魔剣へと変貌。
女神様、またあんたか!!
(おそらく、魔剣が強い魔力を持つ者を呼び寄せているのでしょう)
なるほどね、それでポイズン・クラーケンも呼び寄せられたのか。
そのまま港の方へ迷い込んだんだな。
つまり、原因はあの女神様ってわけだ。
(マスター、魔剣の回収を)
回収か。
このままにはしておけないだろうから、仕方ない。
まずは掘り出しますかね。
土魔法で周囲を……ん?
気のせいかな、まだ何もしてないのに地面が波打ってるような…
(マスターの魔力に反応してるものと思われます)
サッちゃん曰く、魔剣の目的は女神様の手元に戻ること。
そこに現れた、女神様の加護を持つ膨大な魔力の人間、つまり俺。
ついでに、神の使いである聖獣のハクもいる。
なるほど、ターゲットロックオンっていうわけだ。
ズズズズ…
地響きとともに、地中から姿を現わす魔剣。
─…ミツケタ、ソノ、マリョク…
え、喋った?
(この魔剣は明確な意識を持っているようです)
あ、ヤバい。
とりあえず全力で急浮上!
「ハク、しっかり捕まってるんだぞ!」
(あい!)
もの凄い勢いで後を追ってくる魔剣。
俺たちが海面へ出ると、すぐに魔剣も海面へ。
そこをすかさず、
「ホーリー・バインド!」
紐状にした魔力で魔剣をグルグル巻きにする。
たっぷり魔力を込めたから、動けないはずだ。
アイテムボックスから、聖剣ヴァイスリーンを取り出して構える。
「呪いを解いてやるよ、ディスペル!」
お前の初仕事だ、頼むぞ聖剣。
さすがは神具、呪われててもその力は強い。
ありったけの魔力で、ディスペルを魔剣に叩き込んだ。
(ますた、まぶし!)
「くっ…、鑑定!」
神具:神剣ラングシュバイト (持ち主:ヨシト)
固有スキル:人化
聖剣とヨシトの魔力で浄化され、本来の姿を取り戻した。
なお、持ち主が女神からヨシトに変更されている。
突っ込みどころの多い…
とりあえず、固有スキルの人化からだな。
「ラングシュバイト、ホーリー・バインドを解くから暴れるなよ?」
ピカピカ光ってお返事。
本当に意思があるのか、この剣。
「よし、じゃあ話を聞きたいから人化してくれ」
ポムッ!
可愛い破裂音とともに、ラングシュバイトの姿が人型へと変わる。
え、女の子?しかも、小っちゃいね??
見た感じ、5~6才ってところだろうか。
長い銀色の髪をツインテールにして、背中には一対の大きな純白の翼。
瞳は夜空を映したような藍色だ。
「妾はラングシュバイト!そなたは恩人なのじゃ!」
「お、おう…」
「女神様はいくら呼んでも気付かぬし、寂しかったのじゃ〜」
ああ、ほら泣くな。
お鼻かんで、ちーん。よし。
飴ちゃんだぞ、あ〜ん。
「甘いのう、美味じゃのう」
(ぼく、ハク)
「ハクか、よろしくなのじゃ!」
サッちゃん、これ…俺が面倒見るパターンだよね?
(持ち主登録されてますからね)
よし、早く通販スキルのポイント貯めよう。
女神様に説教したい事が山程ある。
(マスター、称号が増えてますよ)
え?俺の?
称号:女神様を土下座させた男。
トラブルに愛されている男。←NEW
嬉しくない!!
読んでくださって、ありがとうございます。
ラングシュバイト、通称ランちゃんです。




