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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第3章 海底に眠るもの
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05


翌日。

各自部屋で朝食を食べた後、合流して冒険者ギルドへ。

ハクはまだ眠いらしく、俺の頭上でウトウトしてる。


そういえば、今日はユウノさんと試合する日か。

どうしようかな、勝つと面倒くさいことになりそうだけど…

マリーレインさんに勝った手前、負けるのもどうかと思うし。

ユウノさん、試合のこと忘れててくれないかな…ありえないだろうけど。


「カリナ、飴食べたい!」

「朝ご飯食べたばかりでしょ?」

「あ、ずるいのです!私も飴!」

「もう、サマンサ!」


カリナは朝から大変そうだ。

助けを求めるような視線には気づかないふり。ごめんカリナ。

後でハクの肉球プニっていいから、頑張れ。


「まずはユウノさんに面会だな」

「それは私に任せてくれ」


ギルドの中に入ると、周囲の視線が集まるのが分かった。

そりゃあね、これだけ美人揃いなんだから目立つのは当たり前。

サマンサやロザリアも、黙ってれば美少女だし。

そして、一部の男性冒険者たちから俺に向けられる怨みがましい視線。

でしょうね!


「ねぇ君、ユウノはいるかい?」

「ギルドマスターですか?はい、おりますが…」

「フリントのマリーレインが来たと伝えてきてくれるかな?」


しばらくすると、バターン!とドアを開ける音が建物中に響いた。

そして…


「マリーレイン!来やがったな!」

「ユウノ、元気そうだね!」


2人が並ぶと、オーラが半端ない。

ギルドの職員さんたちも気になるらしく、チラチラと様子を伺ってる。


「この子、ロザリアの冒険者登録を頼むよ」

「ん?訳ありか?」

「まあね、あとパーティ登録もしたいんだけど…」


ん?何だかものすごい形相の男が駆け込んできたぞ?


「クラーケンだ!ポイズン・クラーケンが港に出たぞ!!」

「何だと?!」


確か、クラーケンってイカの化け物だったような…

サッちゃん、ポイズン・クラーケンって何?


(通称海の悪魔、大きい個体は全長10メートルを超える魔物です)


食える?


(ポイズン・クラーケンは、毒袋にさえ気をつければ大変美味だそうですよ)


大変美味…なるほど。



「マリーレイン、手を貸してくれ!」

「勿論だ!ヨシト、皆もいいね?」


おかしいな、俺はドラマチックな事とか望んでないんだけど?

平々凡々、のんびり過ごしたいだけなのに…

こうなったら、ポイズン・クラーケンを巨大イカ焼きにしてやる!




◇◇◇◇




でかい。まさに巨大イカ。

ただし、全身紫で毒々しい。

これ、本当に食える?


(…私をお疑いでしょうか?)


サッちゃんを疑うなんて、とんでもない!


「現状の報告!被害は!?」

「停泊してた船が3隻やられました!」


混乱する港で、場を仕切るのはギルドマスターであるユウノさんだ。

外洋から迷い込んだのか、港は完全にポイズン・クラーケンに占拠されていた。

その触腕の一部は陸に乗り上げ、餌である人間を捕らえようと蠢いている。

パニック・モンスター映画さながらだよな、これ。

サッちゃん、倒すのにオススメの魔法ある?


(ここは雷なんていかがでしょう?)


雷か、火魔法だと船の残骸に引火したら困るもんね。

ちなみに、雷は火・風・光・水の複合魔法。

う〜ん、あんまり目立ちたくないんだけど…


(マスターの力をある程度示しておく事で、けん制の意味もあります)


なるほど、一理ある。

それに、皆とパーティを組む以上、俺の力について完全に隠し通すのは無理だろう。

ここは腹を括りますか!




「ちくしょう、アタシの縄張りで好き勝手しやがって…!」

「まずはポイズン・クラーケンの動きを封じないと…ヨシト、何か…」


お話中失礼します。

ハク、お耳塞いでるんだぞ~


(うん!)




「ホーリー・プリズン」


ロザリアを閉じ込めた、光魔法の檻。

これでポイズン・クラーケンの動きを封じ込める。

後は、強さを調整して…


「サンダー・アロー」


ズドドドドォォォーーーーン!!!


ポイズン・クラーケンの脳天に、一撃。

即死するように、威力はちょっと強めにしといた。




「え…?」

「何だ、今の…」


マリーレインさん、口開いてますよ?

派手な水飛沫を上げながら、倒れる巨体。

プカプカと海に浮かぶポイズン・クラーケンの死体に、ホッとひと安心。

あ、そうだ。アイテムボックスに収納しとこう。


「フライ」


こうやって上空から見るとつくづく大きなイカだ。

イカ焼きにしたら、何千人分になるんだろう。

よいしょ、収納っと。


「終わりましたよ、浮かんでた積荷も拾えるものは拾っておきました」

「お、お、おう……お前、今…飛んでた、か?あの雷も…」


あ、そういえばフライって遺失魔法だとか言ってたな。

サッちゃん、遺失魔法って何?


(年月とともに使い手がいなくなり、この世界から失われてしまった魔法の事です)


……あ〜、まぁいいや。

所詮は風魔法の応用なんだし。

それよりこのポイズン・クラーケン、誰か捌いてくれないかな?

気持ち悪いから自分ではやりたくない。


読んでくださって、ありがとうございます。

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