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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第2章 ドラゴンとお姫様
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閑話:密かに動き出す人々


「サマンサ、逃げるわよ」

「はぁ…そうなると思ったのです」


ロザリアと帰国したのは、ほんの数日前。

お父様も大喜びで、家出についても不問にしてくれたわ。

めでたしめでたし…とはならなかったのよねぇ…





『縁談?!』

『うむ、近衛騎士団のグラントは知っておるな?』


知ってますとも。

頭空っぽの筋肉バカでしょ。

剣の腕は超一流、それ以外はポンコツって有名ですもの。


『剣の腕も一流、家柄も申し分ない。そなたの王配として迎えようと思う』

『い、嫌です!』

『強き男こそ時期王配に相応しい、これは決定事項だ!』





あんな筋肉バカと生涯を共に過ごすなんて絶対イヤ。

第一、強さで言えばヨシトの方が…

いや、別にヨシトと結婚したいとか言ってないから!


「サマンサ、急いで荷物をまとめて」

「了解なのです」


夜になったら、ロザリアとサマンサと3人で城を脱出よ!

ヨシトに追いつけるかしら?

ほ、ほら、ハク様に会いたいし…

サマンサだって、あの豪華なテントとベッドが恋しいでしょう?

そうと決まれば、急いで準備しないと!




◇◇◇◇




「やれやれ、これで片付いたかな」


空っぽになったギルドマスター部屋。

いや〜、我ながらよくもあんなに本ばかり集めてたものだ。

おかげで片付けが大変だったよ。

数冊だけ手元に残して、残りは売り払った。


これで、私も晴れて冒険者に逆戻りってわけだ。

こんな決断をしたのも、彼…ヨシトと出会ったから。

自分でも信じられないけど、本気で彼に興味が湧いたのさ。


「先輩〜、本当に辞めちゃうんですかぁ〜〜」

「後の事は頼んだよ、エレン」


新しいギルドマスターは、近日中に王都から派遣されてくるそうだ。

エレンがいればきっと大丈夫。

副ギルドマスターとして、私も支えてもらったしね。

本当にエレンには感謝してもしきれない。


「私も、もう一度冒険してみたくなったんだよ」


ヨシトと一緒にね。

どんな事が待ち受けてようと、楽しめそうじゃないか。

ベイラーシュのギルドマスターには、手紙で数日引き留めておいてくれるよう頼んである。


「…逃がさないよ?」


この『炎舞のマリーレイン』 の名にかけて。



読んでくださって、ありがとうございます。

次話から新章始まります。

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