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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第2章 ドラゴンとお姫様
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すっかり通い慣れた、ギルドマスターの部屋。

今日の紅茶は紫と黒のグラデーションだ。

見た目に反して、まろやかで美味しい。

カリナがギルドマスターに報告してるのを聞きながら、俺は紅茶を堪能。


ちなみに、ワープとかフライとか、ギルドマスターにものすごく質問された。

答える気はありませんって事で、笑って誤魔化しといた。すまんね。


「はぁ…まあ、君だしね」


うん?どういう意味でしょう。


「これもヨシトや先生のおかげです」

「王位継承者としての面子も保てるし、良かったね」


俺とハクもひと安心だ。

ロザリアは混乱を避けるため、人化したまま。

出された紅茶に砂糖を次々入れていく。

………角砂糖6つ目だよな?それ。あ、7つ目…


「へえ、人化出来るんだ」

「うん、とーちゃんから教わった!」


帝国にいるっていう父親か。


「君はまだ独り立ちには早くないかい?」

「そんなことないぞ!もう大人だ!」


そんな激甘紅茶飲みながら言われても。

ふむ…父親が帝国にいるということは、ロザリアも元々は帝国にいたのかな?


「私たちは明日この町を発つわ」

「うん、早いほうがいいだろう」


俺もそろそろ次の町に行こうかな?

ハクとのんびり旅をしながら、自由気ままに過ごしたい。

せっかくの異世界なんだ、色々見て回りたいじゃないか。


「じゃあ、俺たちの臨時パーティはこれで無事に解散だな」

「本当にありがとう、ヨシト」

「少しは認めてやるのです!」

「はは、そりゃどうも」


それじゃあ宿でゆっくり休むかな。

ハクは俺の頭上で器用に寝こけている。

ヨダレたらすなよ?




◇◇◇◇




翌朝、門までカリナたちをお見送り。

餞別代わりに、ビスケットやキャンディーをプレゼント。

昨夜寝る前に、通販スキルで購入しといたんだ。

甘党の竜は大喜びなようで、何より。


「一気に食うなよ、サマンサに預けとくから」

「わかった!」


カリナはハクを抱っこして、名残惜しそうにしている。

やっぱり、聖獣への思いは特別なんだろう。


「ヨシトとハク様、いつフリントを発つの?」

「明日か明後日には発つよ」


カリナたちは、ドラゴン形態のロザリア乗って国へ帰るらしい。

ドラゴンに乗って凱旋する姫君。

きっと、国中が熱狂的に迎えてくれるだろうな。


「そっか…また会えるといいね、獣王国にも遊びに来て」

「うん、そのうちな」

「きっとよ」


差し出された手を握り返す。

いつかまた、会えることを願って。

出会いがあれば別れは付き物だ。

立ち去り難く、飛び立った姿が見えなくなるまで見送った。


「さ、俺たちも旅の用意しないとな」

(ますた♪)




◇◇◇◇




そして、翌々日の朝。フリントを離れる日。

町の門へ向かえば、何故かギルドマスターの姿があった。


「ギルドマスター、わざわざ見送りなんて良かったのに」

「ふふん、ただ見送りに来たわけじゃないよ」


そう言って差し出された一通の手紙。


「君たち、港町のベイラーシュに行くんだろう?」

「ええ、そこから王都に足を伸ばそうかと」

「これをベイラーシュのギルドマスターに届けてくれないか?」


まあ、それぐらいならいいけど。


「君は実に興味深い、今度会ったらじっくり話を聞かせてほしいね」

「あはは…」

「道中気をつけて。それと…」


ふわり、鼻腔を擽る甘い香り。

頬に触れたのは、もしかして唇?

そのまま、少しハスキーな声で耳元に囁かれる。


「私の事はマリーレイン…って、名前で呼んで?」


今、息吹きかけたよね?!

刺激が強すぎます、ギルドマスター!

…じゃなくて、マリーレインさん!


「またね〜」


ヒラヒラと手を振るマリーレインさんに見送られながら、ドッと疲れが。

でも、これでフリントの町ともお別れか。

冒険者登録、カリナたちとの出会い、ドラゴンとの出会い…

思えば、トラブルにばかり見舞われた町だった。


「さあハク、次は海で美味しいお魚食べような」

(おさかな!)


ま、のんびり行こうや。


読んでくださって、ありがとうございます。

これでこの章は終わりです。

閑話を挟んで次章スタートします。

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