第九章 それぞれの選択
昼休み、私は図書室にいた。康太が美咲ちゃんに告白すると言って、緊張しながら準備をしている。私は彼を応援しながらも、複雑な気持ちだった。
「桜井さん」
振り返ると、美咲ちゃんが立っていた。
「美咲ちゃん?どうしたの?」
「実は、田中くんから告白されたんです」
私の心臓がドキリと跳ねた。
「そう……それで?」
美咲ちゃんは困ったような表情を見せた。
「私、田中くんのこと、いい人だと思います。でも……」
「でも?」
「恋愛感情は……ないんです」
私は意外だった。てっきり美咲ちゃんも康太のことを……
「そうなんだ」
「それより」美咲ちゃんは私の方を見つめた。「桜井さんは、田中くんのこと、どう思ってるんですか?」
「え?」
「田中くんが私に告白してる時、桜井さんのことばかり話してました。『真央は優しくて、面白くて、一緒にいると楽しい』って」
私は驚いた。康太が私のことを……
「でも、康太は美咲ちゃんのことが好きなの」
「表面的にはそうかもしれません。でも、本当に大切に思ってるのは桜井さんだと思います」
美咲ちゃんの言葉に、私の心は混乱した。
「私……」
「桜井さん、自分の気持ちに素直になってください」
それは、ゲームの世界で私が他の人に言った言葉と同じだった。




