第十章 真実の選択
放課後、康太と二人で帰路についた。
「美咲に振られちゃった」康太は苦笑いを浮かべて言った。
「そう……残念だったね」
「でも、すっきりした。ずっとモヤモヤしてたから」
私たちは無言で歩き続けた。やがて、いつもの別れ道に差し掛かった。
「康太」
「ん?」
「私、気づいたことがあるの」
康太は立ち止まって私の方を向いた。
「何を?」
「私、康太のことが……好きだった」
康太の表情が変わった。
「真央……」
「でも」私は続けた。「康太の美咲ちゃんへの気持ちを見てて、私は嫉妬してたの。その嫉妬心で、自分の本当の気持ちがわからなくなってた」
「僕も……実は美咲への憧れは、真央への気持ちから逃げるためだったのかもしれない」
二人とも、真実に辿り着いていた。でも……
「康太、私たち、今まで通りの関係でいましょう」
「え?」
「私たち、お互いを大切に思ってる。でも、それが恋愛感情なのか、それとも深い友情なのか……今はまだわからない」
康太は少し考えてから頷いた。
「そうだね。焦る必要はないよね」
「そう。今は、お互いが成長することが大切だと思う」
私たちは笑顔で別れた。しかし、心のどこかで、私たちの関係が変わってしまったことを理解していた。時には、真実を知ることが必ずしも幸せに繋がるとは限らない。




