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1C1 さらば甘くやさしき日々よ 8

 実を言えば少し前からおれはゼロワンの声を聞き取れなくなっている。今現在ギルバートを抑え込んでいるのもあるが、ナノマシンを失う速さに生産が追いついていないせいもある。ミサンガを白桃院と紅鷺の生徒に配ったときの分も含めてな。

 そして猿吠に吸収されたナノマシンはギルバートの汚染からまだ回復していない。健全化にはもう少し時間がかかるだろう。爆血ブラッシュは自爆させるだけだから問題無いが。

 ただそんな状態で爆血ブラッシュを使えば、最悪ナノマシンをほぼ全て失う可能性もある。そうなったときおれはまともでいられるのか? 錬金術師としてこの先生きのこれるのだろうか?

「そのことは後でじっくり考えたらいいじゃろう。召喚師の能力スキルは残っとるんじゃ。それでも十分戦えるじゃろうて。戻ったら一丁儂が鍛え直してやろうかのう」

 双十師匠がおれに肩を貸しながら声を掛けてくれる。……そうだな、まずは生きて帰ることが先だ。そのときはお手柔らかに頼みます。


 おれたちは短距離転移ジャンプで『クラポー』の中の格納空間に跳んだ。これを操縦して宇宙に行く。しかしそこには望まない先客が来ていた。青いドレッドヘアーで目がオレンジの色違いのラッパー風ギルバート? ブルーギルとでも呼んだらいいか。ブルーギルはエラの後ろの黒い斑紋が特徴で雑食、骨は多いが身は鯛に似た白身でフライなどで食べ「誰が特定外来魚だ!」……うん、このイジられ耐性の無さはやはりギルバートだな。しかしそんな言葉よく知ってたな。

 それでも一応聞いておくか。お前は何をしに来たんだ? ま、まさか邪魔をするつもり、おれを殺す気なのかー(棒)

「白々しいセリフはよしたまえ。想像の通りだよ。君にはここで死んで貰う。たとえデドとはいえ【キャンサー】を退けた存在。吾ら『E∴N∴D』が創造する新たな世界、その障害となるであろう厄介、君だけは今のうちに始末するべきと尊主が判断したのだよ」

 ああそうかよ。どうでもいいがその韻を踏めてないラップもどきはやめておけ。世界をつくる以前に時代に取り残されてるぞ。ああそれだから壊してやり直して自分を認めさせようとして「やかましい!」


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