1B8 ぎゃんぶらぁ放浪記 12
17回戦。私はもう一度「A」から入り、薫子も「A」で合わせる。それで【鳳凰眼】の読みが外れていないことを確認したはずだ。しかしそれすらも罠なのだよ。
× 9 2 3 1 6 6 2 計29点
薫(子) A 6 J 5 7 Q 4 K 10 9 3 8 2
時(親) A 8 2 K 5 9 10 Q 4 3 J 6 7
× 6 24 18 24 15 計87点
「そんな、どうして? 読めているはずなのに……何でこうなるのよ!」
説明しよう(こっそり)。それは私が薫子の札を読んで後出ししているからだ。私は最初に出した札を撒き餌にして、「オープン」で最後に札をめくるときもう一枚を手に隠してすり替えている。直撃を狙ってくる薫子の読みの正確さを逆に利用したのだ。
そして最終戦。点差は薫子が936点に対して私が1,054点で逆転、118点差だ。これをひっくり返すには絵札での直撃あるいは3つ以上の直撃が必要だ。
「だったらもう、これしかないわね……」
そう言って薫子は手札をシャッフルして机に並べた。読みを捨てて運賦天賦ということか。
「そういうことよ。本当に二人が通じているなら……でしょう?」
なるほど、面白いじゃないかそれも。私も薫子に倣って机に札を並べた。
3 × 1 5 100 1 4 × 2 計116点
薫(子) 6 A 4 5 7 Q 10 K 3 9 2 J 8
時(親) 3 J 7 4 2 K 10 Q 9 5 8 A 6
× 21 3 ○ 18 18 × 計60点
「これ、『ペア・オブ・ダース』だったら最高の形ね。負けたけど……もうこれで満足よ」
そう言って薫子が席を立つ。ちょっと待て。そんなに泣かれたら誘えなくなるだろうがよ。
「えっ? な何を……」
お前から持ちかけたんだろうがデートは私から誘うのが筋だろう? どこか行きたいところはあるのか?
「しろ……日妹君!」「なっ、二人きりなんてさせるかよ! 絶対ついてくからな!」
……まあそれもやむ無しか。隼はどうする? えっ、祝子も?




