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1A5 おれたちの夏(たたかい)はこれからだ 6

 7月の土用、おれは『和算を解いてお宝をゲットしよう! 参加賞もあるよ』イベントを一般公開で開催したのだった。会場は白桃院高校と紅鷺学園の2か所。それぞれに難易度が違う問題を各3問用意した。設置した和算問題を解くと最後の「挑戦状」が手に入るスタンプラリー方式だ。

 白桃院の難易度Cが「豆腐」問題、紅鷺のやつが「升」問題だ。ただ頭で考えても分かりづらいと思ったので豆腐の代わりに四角いプリン、酒の代わりに升のミニチュアとスポドリ(あるいはお茶)を個々用意した。

 その6問のうち2問が解ければ参加賞が貰えるルールだ。参加賞は熱中症対策の気温、湿度、体温のコンディションで色が変わるゴム製のミサンガ。サニーデイ・カンパニーで300円で販売中。

 そして「豆腐」問題、「升」問題を最初に解いた人には別の賞品も用意した。ステップ式の自転車「T-B」だ。これも近日サニーデイ・カンパニーで販売予定。イベント期間中はデモンストレーションがてら運営スタッフが両校を行き来するのに使う。評判は上々だ。


「かーっ、ちっとも分かんねぇや!」

 そう言って白桃院のグラウンドで、3つめのプリンを口に放り込んだのは老人会の熊谷金吾だ。無料とはいえ大食い大会ではないから、そこは自重してもらいたいんですが。

「何だ熊金。もと大工のくせに情けないな。細工ならお手のものなのに」

 そう言ってプリンを角度を変えて眺めているのは同じく老人会の岸田喜四郎だ。幼なじみの名コンビといった感じだな。「ふくろう長者」に最初に注目して追っていたのもこの二人らしい。

「ありゃあ頭の出来よりも技術の継承ってやつだからな。それとオレは今でも現役だ!」

「そりゃあすまん。……さて、運営のお兄さん、どこで答え合わせをすればいいかな?」

 喜四郎さんはおれに向かってそう言って笑った。こういうダンディズムが似合うのは年の功だな。おれは彼を校舎の中へ連れて行く。


 そして喜四郎さんは見事正解して自転車を手に入れたのだった。

「さすが喜四さんだ! ちょっとオレにもその『てーべー』ってのに乗せてみろ?」

「なあにどうせなら持って帰れ。侘巴沙ちゃんに会いに行く口実にもなるだろう?」

「本当にいいのかよ? い、いやそんなに言うんなら貰うけどよ……」

 ツンデレ老人かよ。そうして二人は校門を出ていったのだった。



問、豆腐を八等分するのに四回包丁を入れるのは縁起が悪いという。どう切れば良いか。

 

答、X軸、Y軸、Z軸の3方向から包丁を入れる。つまり上から見て十文字に切った後、まな板と水平に豆腐を切る。


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